転職が気になり始めたら、まずは判断材料として不足している情報を洗い出します。きっかけとなった出来事を事実で書き、変えたいことと今の仕事から残したい条件を分けてください。そのうえで社内で確認することと求人で調べることを整理すれば今週何をすべきかが見えてきます。

この記事では1枚の「転職検討のスタートメモ」を作ります。このメモが完成すれば、不足している判断材料と最初の確認行動が明確になり、今の会社に残る・社内異動する・転職する場合を比べる材料として使えます。すでにきっかけと確認情報を整理できている場合は今の会社に残る・社内異動する・転職する場合の比較へ進んでください。

ただし心身の不調が強い場合や職場の安全に関わる問題がある場合はこの整理より休息と相談先の確保を優先してください。働く人向けの「こころの耳」では相談方法を確認できます。配置転換や賃金、いじめ・嫌がらせなどの労働問題では「総合労働相談コーナー」も相談先の1つです。

転職を考えたきっかけを短く整理する

「今の仕事が嫌だ」「環境を変えたい」だけでは何を調べれば判断できるのかが定まりません。まず埋めるのは次の3項目です。

項目書く内容書き方の例
きっかけ転職を考えた具体的な出来事担当変更後に顧客訪問と移動に使う時間が増えた
変えたいこと出来事によって困っていること移動を減らして提案準備に使える時間を増やしたい
残したい条件今の仕事で失いたくないもの顧客と直接話す仕事、現在と同程度の収入

きっかけは会社への評価ではなく起きた出来事として書きます。「上司が悪い」ではなく「担当変更の相談を2回したが変更時期の回答がない」とすれば次に確認する情報へつながります。

起きた出来事には次の3項目も短く書き足します。

  • 起きた時期・頻度(いつから/週○回など)
  • 仕事・時間・条件への影響
  • 改善相談(誰へ何を確認し、回答済みか未回答か)

法人営業の例なら「担当変更後、顧客訪問が週○日に増え、1週間の移動時間が以前より○時間増えた。そのため、提案準備に使える時間が減っている。上司へ担当変更について2回相談し、変更時期は未回答」のように書けます。○には本人の事実を入れ、分からないことは「未確認」と残してください。

変えたいことだけでなく残したい条件も同時に書いてください。変えたいことだけで求人を見ると今の仕事で得ている仕事内容や生活条件を比較から落としやすいためです。

次にスタートメモへ条件を仮置きする3つの欄を追加します。「残したい条件」のうち今後も守りたいものは「譲れない条件」へ、状況に応じて変えられるものは「調整できる希望」へ分けてください。「変えたいこと」のうち次の仕事では避けたいものは「避けたい条件」に書きます。それぞれ最低1件を仮置きし、詳しい優先順位はここでは決めません。

ここで作るのは最初の情報収集用メモです。転職理由の文章化、条件の詳しい優先順位付け、求人ごとの応募判断までは行いません。

社内で確認することと求人で調べることを分ける

同じ悩みでも今の会社で変えられる可能性と転職先で得られる条件は別々に確かめます。スタートメモへ次の2列を足してください。

確認したいこと社内で確認すること求人で調べること
仕事内容担当変更や異動の制度、過去の運用実際に任される業務、担当範囲、求められる経験
働き方勤務制度と自部署での運用勤務地、勤務時間、出社頻度、顧客訪問の有無
収入現在の給与、手当、評価の仕組み基本給、手当、賞与、想定年収の条件

社内情報は就業規則、社内ポータル、人事制度の資料から確認します。個別の運用を聞く必要があるときは相談相手と質問する範囲を先に決めます。社内で動くことに不安があるなら無理に質問せず外の求人情報から確認を始めても構いません。

求人側では求人票に記載された募集時点の条件と、記載がなく追加確認が必要な項目を分けます。たとえば「法人営業」と書かれていても担当エリアや訪問頻度までは記載されていないことがあります。分からない項目は推測で埋めずに「未確認」と残してください。

未確認にした担当範囲や訪問頻度は募集元や転職エージェントへ質問する項目として残します。

法人営業の例を2列へ分ける

先ほどの法人営業の例なら社内側で知りたいのは担当エリアを見直せる条件とオンライン商談の運用です。求人側では同じ法人営業の募集から担当範囲と訪問頻度を拾って給与条件も加えてください。

社内で移動の負担を減らせるなら担当変更後の働き方を確かめる選択肢があります。難しい場合は外の求人に希望条件があるかを調べます。確認結果をスタートメモの該当欄に書き加えれば、社内で変えられる余地と外の選択肢を同じ条件で比べられます。

最初の1週間に行う確認を1つ決める

スタートメモに「未確認」が並んだら次の条件に多く当てはまる項目を1つ選びます。

  • 確認結果によって今の会社で続けるか外の求人も見るかが変わる
  • 今週使える時間で確かめられる
  • 結果が分かれば次の行動を決められる

優先する項目を選んだ後に具体化するのは次の3点です。

  1. 何を確認するか
  2. どの情報源で確認するか
  3. いつまでに何が分かれば完了か

法人営業の例なら次のように決められます。

行動例:日曜の午前に30分取って同じ法人営業の求人を5件保存する。担当範囲と訪問頻度を転記して給与条件を加える。記載がない項目は「未確認」とする。

この5件の比較から希望に近い求人の有無を確認し、求人票だけで分かる項目と追加確認が必要な項目を区別できます。比較で分かった内容と未確認の項目をスタートメモに書き加え、次に確かめることを1つ決めます。

経験と希望条件を先に整理したい場合は経験・希望条件を求人の仕事内容・応募条件と照らす手順を確認できます。まずはスタートメモの空欄から1つ選んで確認日時まで決めてください。

現在地から次に確認することを選ぶ

スタートメモができたら次に深める論点を現在地から選びます。

現在地次に確認すること
今の会社で変えられるかもしれない担当変更や異動を含めて今の会社に残る選択肢を比べる
外の求人も含めて選択肢を比べたい今の会社に残る・社内異動する・転職する場合を同じ条件で比べる
経験や希望条件がまだ曖昧経験を事実で整理して転職軸へ変える
求人をどこで探すか決めたい欲しい情報に合う応募経路を選ぶ

今の会社に残るか、社内異動するか、転職するかを比べる段階では、ここで作ったメモを共通の比較条件として使えます。

スタートメモにはきっかけ・変えたいこと・残したい条件を書きます。条件は譲れない条件・避けたい条件・調整できる希望の3つの欄へ最低1件ずつ仮置きします。そこへ社内で確認する内容と求人で調べる内容を加えてください。最後に未確認事項を1つ選んで確認方法と期限を決めれば、最初の情報収集用メモは完成です。職歴全体の棚卸しや条件の詳しい優先順位付け、求人ごとの応募判断はこの後に必要な別の作業です。

次のステップ転職するか迷うときの判断ガイドスタートメモの条件を使って今の会社に残る・社内異動する・転職する場合を比べられます。
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