在職中の転職活動では自己分析や求人探しに加え、応募書類の準備、企業研究、面接対策を仕事や生活と並行して進めます。応募後は企業からの連絡や日程調整も加わるため、余った時間だけで進めようとすると必要な準備時間を確保しにくくなります。

転職活動の時間をつくることだけを理由に先に退職せず、基本は収入を保ちながら進める方法を考えます。退職後に活動が長引くと無収入の期間も延び、生活費への不安から仕事内容や条件に納得できないまま決めてしまうおそれがあるためです。ただし、健康や安全、家庭の事情などで働き続けることが難しい場合は別に考えます。

この記事では初回準備、平日の連絡、企業面接、並行選考の4つに分けて時間のつくり方を説明します。まず応募前の共通準備を確認し、進行中の応募先がある場合は各社の選考段階、確定日程、提出・回答期限を並べます。次に期限までに必要な作業を特定します。次の休日より前に期限が来る作業は平日に必要な時間を確保し、難しければ応募先へ早めに相談してください。休日まで待てる作業は必要な時間を見積もり、休日に使える時間内で何を優先するかを決めます。

転職活動全体の進め方を先に確認したい場合は準備から入社までの作業順を確認すると、各段階の主な作業を把握できます。

最初の準備は休日にまとめ、応募後は企業ごとの対策に時間を使う

応募前の準備には考えたり書いたりする作業が多いため、平日の細切れ時間だけで終わらせようとせず、休日にまとまった時間を先に確保します。休日の変更できる私用の予定や平日夜の過ごし方を調整する余地はありますが、睡眠を削り続ける計画は基本にしません。

初回の準備では次の3つを形にします。

  • 職歴全体を振り返り、担当した仕事、役割、工夫、結果を書き出す
  • 譲れない条件、避けたい条件、調整できる希望をそれぞれ最低1件ずつ仮置きする
  • 履歴書と職務経歴書の共通部分を整える

本格的に応募先を選ぶ前に職歴全体を棚卸しし、応募書類の土台を整えます。希望条件は3つの分類それぞれに最低1件ずつ仮置きし、複数条件の詳しい順位や妥協点は応募先を選ぶ前に詰めてください。準備が途中なら応募を急いで増やさず、必要な作業量を見積もって次の休日や平日夜へ分けます。

応募後は同じ準備を繰り返すのではなく、作業の中心を応募先ごとの企業研究、書類の調整、面接で伝える経験の整理へ移します。活動段階ごとに休日の成果物を変えると、何となく求人を眺めるだけで終わりにくくなります。

活動段階休日に確認することその時間で仕上げるもの
初回準備職歴、3つの分類へ仮置きする希望条件、応募書類の不足職歴の棚卸し、仮置きした希望条件、応募書類の共通版
応募先を選ぶ時期経験を活かせる仕事内容があるか、応募条件を満たすか応募・要確認・見送りの判断と応募先別の書類
応募後企業情報、面接案内、質問されそうな内容企業ごとの確認事項と面接で説明する経験

土日を両方使えるなら初回準備と応募先別の作業を分けられます。片方しか使えない場合は、確定した面接に必要な準備と提出・回答期限が迫る作業を最優先にします。残った時間は、ほかの進行中の選考に必要な企業研究や書類調整へ充ててください。シフト勤務なら曜日ではなく、集中して作業できる休日へ置き換えてください。

平日の合間は連絡に使い、まとまった準備時間は別に確保する

平日は応募先からの案内確認、面接候補日の返信、提出期限の確認など、短い対応の時間を確保します。求人比較や書類作成、企業研究のように集中が必要な作業は、休日などに事前に確保したまとまった時間に行います。

応募後は私用端末の通知を確認し、勤務先の規則に沿って始業前や休憩中など業務に支障のない時間に対応します。すぐに日程を確定できない場合は連絡を確認したことを伝え、いつまでに回答するかも知らせておくと返答を放置せずに済みます。

平日夜に時間を取りにくいときは、先に確保した休日の準備時間を守れるよう、同時に進める応募先や作業を絞ります。連絡への対応まで帰宅後に固定せず、業務に支障なく早めに確認・返信できる時間帯を決めてください。確認・返信には仕事用端末ではなく私用端末を使います。

応募先ごとに応募経路、使った書類、現在の選考段階、次の期限を並べておくと、連絡が届いたときに何を確認し、いつまでに返すかを短時間で判断できます。

あわせて読みたい現職と転職活動の情報を適切に分ける私用端末や連絡先、保存場所を現職の情報と分ける方法まで確認したい場合に役立ちます。

面接は平日に受ける前提で勤務と日程を調整する

平日勤務・土日休みの企業を受ける場合は、平日の業務時間帯に面接が入る前提で予定を考えます。夜間や土日の対応を当てにせず、企業から届いた案内で面接方式と候補日時を確認してください。

面接案内を受けたら次の順に調整します。

  1. 面接方式、候補日時、予定される所要時間を確認する
  2. 勤務時間と重なる場合は勤務調整や休暇を検討する
  3. 指定日時が難しければ対応できる候補日時を添えて早めに相談する
  4. 日時が決まったら企業研究と面接対策の時間を別に確保する

年次有給休暇を使う場合は残日数と勤務先の申請手順を確認します。半日単位や時間単位で取得できるかは勤務先によって異なるため、使えると決めつけて企業へ回答しないようにします。

オンライン面接でも面接そのものの時間に加え、静かに話せる場所、通信環境、使用するツール、接続確認が必要です。対面面接なら会場までの移動時間も予定へ加えます。どちらの場合も平日の短い連絡時間とは分けてください。

転職エージェントなどとの相談面談と応募企業の採用面接も別です。利用するサービスに夜間や土曜の面談枠があっても、応募企業の面接を同じ時間帯に受けられるとは限りません。サービスの面談枠は利用先の案内、企業面接は応募先の案内でそれぞれ確認します。

日程変更が必要になった場合は分かった時点で連絡し、対応できる代替日時を示します。

比較したい企業の選考を並行し、忙しい時期は優先順位を見直す

仕事内容や条件を比べて納得して選ぶため、比較したい企業へ近い時期に応募し、複数社の選考と内定時期をできるだけそろえることを目指します。応募前に各社の書類準備と面接へ対応できる見込みを確認し、1社の結果待ちだけでほかの候補が大きく遅れないように進めます。

企業ごとに選考の速さは異なります。進み方に差が出た場合は各社の選考状況と実際の回答期限を確認し、時期を近づけるための調整が必要なら応募先や利用中の転職エージェントへ早めに相談します。

忙しい時期は単に応募数を減らすのではなく、現在の選考状況から作業の優先順位を決めます。

優先順位対象となる作業調整の考え方
1確定した面接、提出期限、回答期限への対応先に必要時間を確保し、難しければ早めに相談する
2進行中の選考に必要な企業研究、書類調整、面接対策休日のまとまった時間を優先して使う
3比較したい企業への応募準備面接対応の余力を確認し、比較したい企業への応募時期を必要以上に離さない
4優先度の低い求人探しや追加応募優先する作業だけで使える時間が埋まる場合は、追加応募の件数を減らすか、優先度の低い作業を後日に回す

説明用の架空例として、初回準備を終えた人が比較したいA社とB社へ近い時期に応募し、平日にA社の面接案内とB社の追加提出依頼を受けた場合を考えます。まずA社の面接に対応するため、勤務の調整や休暇の取得を検討し、B社の提出期限を確認したうえで、休日の作業時間を面接対策と提出書類へ振り分けます。それでも収まらない場合は優先度の低い追加の求人探しを延期し、A社の日時が難しければ代替候補を添えて相談します。

応募数が増えても、選考結果を待っている状態と、書類選考や面接で不通過が続く状態は別です。不通過が続くときは応募数だけを進捗とせず、選考段階に応じて見直す対象を決めます。書類選考なら応募先の仕事内容・応募条件と自分の経験が合っているかを確認し、求人の選び方と応募書類を見直します。面接なら応募先の仕事内容・応募条件と自分の経験が合っているかを確かめたうえで、面接で説明する経験を見直し、次に時間を使う作業を選びます。

選考状況が変わったら、確定した面接や提出・回答期限を優先して予定を見直してください。面接日時の変更が必要な場合は、応募先へ早めに相談します。比較したい企業の選考を並行して進められるよう、追加応募の件数や、優先度の低い作業に取りかかる時期も調整しましょう。

次のステップ複数社の選考と回答期限を同時に管理する応募先ごとの選考段階、期限、連絡履歴を詳しい一覧で管理したい場合に確認できます。
あわせて読みたい希望入社時期から無理のない予定を組む日々の作業配分ではなく、希望入社時期から退職・入社までの全体日程を考えたい場合に役立ちます。