失業給付のうち基本手当は働く意思と能力があり、求職活動をしていても就職できない人のための給付です。退職しただけで自動的に振り込まれるものではなく、被保険者期間や離職理由を確認して手続きを行います。
金額は離職前の賃金と年齢などで変わり、給付を受けられる日数と手続き後に待つ期間も別に決まります。まず自分の条件を照合し、申込みから認定・振込までの順序を押さえましょう。
この記事では2026年8月1日以降の公式計算式に基づく架空例と時系列を示し、準備する書類と申告が必要なことを説明します。
働ける状態と被保険者期間を確認する
厚生労働省の基本手当Q&Aでは、積極的な就職意思といつでも働ける能力があり、仕事を探していても職業に就けない「失業の状態」が必要とされています。手続き前に次の就職が内定・決定している場合などは扱いが異なります。
被保険者期間は原則として離職前2年間に通算12か月以上が必要です。倒産・解雇等や一定のやむを得ない離職理由では、離職前1年間に6か月以上となる場合があります。期間は単なる在籍月数ではなく、賃金支払基礎日数等を使って確認するため、離職票を基に窓口で判定を受けてください。
病気や出産等ですぐ働けない場合は、現在の状態を隠して申告せず受給期間の延長などを相談します。原則の受給期間は離職日の翌日から1年間で、継続30日以上働けない等の条件を満たすと延長の対象になる場合があります。給付日数が増える制度とは区別してください。
必要書類を用意して求職申込みを行う
手続き先は住居所を管轄するハローワークです。離職票-1・2、個人番号と本人の確認書類、本人名義の預金通帳等を用意します。写真は通常の案内に沿って準備し、マイナンバーカードの提示によって省略できる場合なども管轄の案内で確認しましょう。複数の離職票がある場合は短期間のものも伝えます。
離職票を提出して求職申込みを行い、受給資格の決定を受けます。説明会や失業認定日の案内が渡されるので、参加・来所の日時と持参物を控えてください。離職票が未着の場合は会社への照会と並行して窓口へ相談できます。
待期・給付制限・認定・振込を分ける
基本手当には受給資格決定後の失業している日を通算した7日間の待期があります。さらに正当な理由のない自己都合離職などでは給付制限があり、2025年4月1日以降の離職は原則1か月です。過去5年間の受給資格決定の状況等による3か月の制限や、一定の教育訓練による解除など例外もあります。
次は、ほかの例外がなく7日間の待期後に原則1か月の給付制限がある人の説明用の順序です。日付を入金予定へ置き換えないでください。
| 段階 | 何をするか | 支払いとの関係 |
|---|---|---|
| 求職申込み・受給資格決定 | 書類提出と就職意思・状況の確認 | この日が自動的な振込日にはならない |
| 7日間の待期 | 失業状態の確認。働いた場合は申告 | 待期中の基本手当は支給されない |
| 給付制限 | 指定された案内に従い求職活動と申告を続ける | 制限期間の対象日は基本手当が支給されない |
| 失業認定 | 原則4週間に1回、指定日に活動と就労等を申告 | 認定された支給対象日数を確認 |
| 振込 | 登録した本人名義口座で確認 | 認定と同時ではなく、通常は認定後おおむね1週間程度 |
制限がない人や例外が適用される人もいるため、会社の記載だけで開始日を決めず資格決定時の案内を確認します。生活費の予定には審査・認定後の時間も見込み、未決定の給付を確定した入金として使わないようにしましょう。
賃金日額から基本手当日額を計算する
原則として離職直前6か月の賃金合計を180で割ったものが賃金日額です。賞与などを除く範囲もあるため、手取り額や直近1か月だけで計算しません。基本手当日額には年齢別の計算式と上限・下限があります。
次は離職時35歳で、計算対象となる6か月の賃金が各15万円、合計90万円という架空例です。厚生労働省の2026年8月1日以降の計算式を使います。
- 賃金日額:900,000円÷180=5,000円
- 30歳以上45歳未満で賃金日額3,203円以上5,480円未満の式:基本手当日額=賃金日額×80%
- 基本手当日額:5,000円×80%=4,000円
計算式は1円未満を切り捨てます。この例では端数がなく、日額4,000円は同年齢区分の下限2,562円・上限8,270円の間にあります。上限下限も含む現行額は基本手当の変更案内で確認できます。金額は毎年改定され得るため、実際には支給対象日の適用額と受給資格者証等を確かめてください。
所定給付日数と受給期間を区別する
ハローワークの案内では、所定給付日数は年齢・被保険者期間・離職理由等で決まります。上の架空例で、通常の自己都合離職、算定される被保険者期間が3年、所定給付日数が90日と確認された前提なら、日額4,000円×90日=36万円です。
これは90日分すべてが支給対象と認定されると仮定した合計で、一括で36万円が振り込まれる意味ではありません。所定給付日数は受けられる日数、受給期間はその給付を受けられる期限です。手続きが遅れると期限までに全日数を受け切れない場合があります。
求職活動・仕事・就職決定を正確に申告する
認定までに行う求職活動は受給資格者の案内で回数と対象を確認します。応募や職業相談等の記録を残し、単なる求人閲覧だけを実績として扱わないでください。
アルバイトや手伝い、内職・自営準備などをした場合も、収入の有無だけで判断せず行った日・時間・内容・収入を申告します。仕事の状態により不支給や減額、就職扱いとなる場合があるためです。
受給手続き後に就職が決まったら、就職日と次回認定日の前後関係を伝えて窓口へ連絡します。原則として就職日前日に申告する場合等があり、採用証明書の依頼も必要です。手続き前から内定していた場合は基本手当や再就職手当を受ける前提にせず、その時点を含めて相談してください。




