作品や課題を求められた選考では、指定された提出物を確かめてから準備します。過去作品は応募職種に近い経験と本人の担当が伝わるものを選び、新しい課題は指示・作業範囲・検証結果をそろえて説明しましょう。
この記事では過去作品を選ぶ例と独自に作った小課題の架空実演を示します。実在企業の試験問題や解答ではありません。提出期限や権利、AI利用の条件を確認し、完成物と口頭説明を一致させるために使えます。
過去作品か、新しく取り組む課題かを確認する
サイボウズのプロダクトデザイナー募集ではポートフォリオへ担当範囲の記載を求めています。メルカリの選考案内には一部職種の技術課題が示されています。作品や課題はすべての応募で必要なものではなく、職種と会社の案内によって変わります。
届いた案内で、提出物、形式、容量、期限、公開URLの扱い、発表や実演の有無を確認します。期限は日付だけでなく時刻や時差も確かめてください。指示が曖昧なら、提出する範囲に影響する点から採用担当者へ尋ねます。
AIや外部ツールを使う場合は、利用可否、使える範囲、申告方法を先に確認します。会社が日常業務でAIを使っていても、選考課題での利用許可と同じとは限りません。機密や個人情報を外部サービスへ入力してよいかも別に確認します。許可を確かめられない部分は入力せず、自分で進めた作業と道具に任せた作業を説明できるようにします。
過去作品は応募職種と担当の説明で選ぶ
作品集へすべての案件を並べるより、応募職種で求められる仕事を説明できる作品を選びます。見た目だけでなく、課題、本人の担当、判断、制約、結果を示せるかが基準です。
次は架空の作品選びです。Fさんはチームで業務画面を改善する職種へ応募し、3つの候補から主に説明する作品を選びます。
| 候補作品 | 本人の担当 | 選ぶ際の判断 |
|---|---|---|
| 業務画面の改善 | 利用者への聞き取り、画面構成、試作、テスト | 求人の仕事に近く、判断と検証を説明できるので主作品にする |
| 大規模サイト | バナー2点だけ制作 | 全体を自分の実績として見せず、必要なら担当部分だけ補足する |
| 非公開の顧客案件 | 要件整理から納品まで | 提出の許可が未確認なので今回は使わない |
主作品の説明は「申請状況を見つけにくいという課題に対し、本人が一覧の構成を試作。エンジニアが実装し、チームで表示確認を行った。試作では社内協力者3名に目的の申請を探してもらい、迷った箇所を修正。公開後の利用時間は未測定」とまとめます。これはすべて架空です。テストの人数と条件、他者の担当、未測定の効果を残すことで、できたことを必要以上に大きく見せずに説明できます。
自分の作品では実際の担当と許可された資料へ置き換えます。共同制作や前職の著作物は、氏名やロゴを消すだけで提出できると判断しないでください。
新規課題は指示と持ち時間から作業を決める
新しい課題では、まず求められている出力と評価対象の範囲を読みます。指定された時間、使用データ、形式、提出後の利用範囲、質問できる期間を確かめ、作業を収める範囲を決めましょう。曖昧な点は確認し、回答が得られず仮定を置く場合は提出物に明記します。
以下は本記事独自の架空小課題です。「6件の会議室予約を開始時刻順に並べ、時刻が同じなら部屋名の順で表示する。作業時間は60分。データは架空。実装コードの提出は不要で、表示案と確認結果を1ページにする」とします。
入力は「B室10時、A室9時、B室9時、A室10時、C室11時、A室11時」の6件です。Fさん一人が表示ルールの整理、並べ替え、見直しを行う想定で、外部の協力やAIは使わない設定にします。
| 時間の配分 | 実施すること |
|---|---|
| 最初の10分 | 同時刻の部屋順、重複予約の扱いを読む。重複判定は指定外として限界へ記す |
| 次の25分 | 予約一覧の表示案と並び順を作る |
| 次の15分 | 入力6件がすべて残るか、時刻と部屋名の順を照合する |
| 最後の10分 | 仮定・確認結果・未対応を1ページにまとめる |
並べ替えた完成例は「9時A室、9時B室、10時A室、10時B室、11時A室、11時C室」です。入力と出力はともに6件で、各時刻の部屋名はA→BまたはA→Cになっています。件数だけで確認を終えず、各入力が1回ずつ残ることも照合します。
この実演の完成メモは「担当:全作業を本人が実施。仮定:時刻は同一日、部屋名は文字順。検証:6件の欠落・重複なし、時刻順と同時刻の部屋順を照合。限界:日付違い、予約の衝突、空データは未検証」です。実際の課題では指定時間と要件、自分が行った検証へ置き換え、未検証の処理を動作確認済みと書かないようにします。
発表と質疑では担当・根拠・限界を短く説明する
発表がある場合は案内された持ち時間に合わせ、課題、担当、判断、検証、限界の順で説明します。先ほどの例なら「開始時刻を主に、同じ時刻は部屋名で並べました。6件を1回ずつ表示できたことを元データと照合しました。日付をまたぐ並べ替えは試していません」と短く伝えられます。
「入力が100件ならどう確認するか」と聞かれた場合は「今回は6件の手作業照合までです。大量データでは並べ替え処理と件数・重複の確認を自動化し、同時刻や日付違いも試す必要があります」と、実施済みと今後の案を分けます。検証していない結果をその場で実施済みにしません。
実演するならファイルやURLを実際に開き、アクセス権、画面共有、通信できない場合の代替資料を確かめます。AIを使用した場合は許可条件に沿って利用箇所を示し、出力を本人がどう確認したか説明します。
提出前に権利・指定・説明を照合する
最後に提出ファイルを開き、指定された形式と期限、表示、リンク先、閲覧権限を確認します。秘密情報や他者の素材が混じっていないか、共同制作の担当が本文と口頭説明で一致しているかも見直してください。利用範囲が不明な課題や、実際の業務に使うような依頼が含まれる場合は、提出前に用途と取扱いを質問します。
情報の扱いは転職活動で守秘義務を守るための確認、送信時の確認は応募書類の提出方法と送信前チェックで詳しく整理できます。作品やAI出力の見た目を整えても経験や検証済みの範囲は増えません。実際の担当と確認結果を示せる提出物を仕上げましょう。



