転職回数が多く、職務経歴書が長くなる場合は、会社を省く前に、時系列と説明の配分を見直します。全社の会社名・在籍期間・担当業務を追える形にしながら、応募先に関係する経験を詳しく書く方法です。

この記事では、5社の経験を持つ架空の人を例に、会社ごとの時系列で書く方法と、共通する経験を先にまとめる方法を比較します。どちらの方法でも、在籍した5社と期間は残します。短期離職の事情や空白期間の説明自体は別に整理し、ここでは読みやすい構成に絞ります。

まず全社の職歴を1枚の一覧にする

ハローワークの応募書類の案内は、職務経歴書で具体的な職務経験や能力を伝えることを案内しています。社数の多さを隠すことより、経験が読み取れることを目指しましょう。応募先の指定様式や入力欄がある場合は、その指示を優先します。

最初に会社名、雇用形態、入退社年月、担当業務を一覧にします。この一覧を基準にすると、本文を並べ替えても会社や期間が抜けにくくなります。

受発注を含む営業事務の求人へ応募する人の架空例です。会社名・年月・担当業務は説明用で、実際の経歴ではありません。

在籍期間会社・雇用形態担当業務
2015年4月〜2017年3月A社・正社員店舗での接客、在庫確認、発注補助
2017年4月〜2019年6月B社・正社員電話受注、受注入力、出荷部門への連絡
2019年7月〜2020年6月C社・契約社員請求書発行、入金照合、取引先情報の更新
2020年8月〜2023年3月D社・正社員見積書作成、納期照会、営業資料の更新
2023年4月〜現在E社・正社員受発注、出荷日程の調整、後任への業務引き継ぎ

C社とD社の間には非就業期間があります。年月を詰めたり、前後の会社の在籍期間に含めたりしません。「現在」と記した在籍期間は提出時点に合わせて更新してください。

方法1:会社ごとの時系列で関係する経験を厚く書く

仕事の変遷を説明しやすい場合は、古い会社から、または新しい会社から順に並べます。どちらを選んでも途中で順番を変えず、会社ごとの見出しと期間をそろえます。

先ほどの5社について、直近の職歴から書く例を示します。短くした会社も、会社名・期間・主な業務は残します。

E社(正社員) 2023年4月〜現在

営業事務として受発注、出荷日程の調整、業務引き継ぎを担当。受注内容の変更時は営業担当と出荷部門へ確認し、変更後の出荷予定を顧客へ連絡。後任向けには受注登録から出荷確認までの手順書を更新した。

D社(正社員) 2020年8月〜2023年3月

見積書作成、納期照会、営業資料の更新を担当。見積条件が不足している案件は営業担当へ確認し、回答を得てから見積書を作成した。

C社(契約社員) 2019年7月〜2020年6月

請求書発行、入金照合、取引先情報の更新を担当。

B社(正社員) 2017年4月〜2019年6月

電話受注、受注入力、出荷部門への連絡を担当。

A社(正社員) 2015年4月〜2017年3月

店舗での接客、在庫確認、発注補助を担当。

応募職種に近いE社・D社へ説明を配分し、他社を同じ分量で繰り返していません。短い在籍期間を隠すために薄くするのではなく、担当業務が重なる場合や、応募先で伝える必要性を考えて簡潔にします。

方法2:共通する経験を先にまとめ、全社の時系列を添える

同じ業務を複数社で経験している場合は、冒頭で経験を分野別にまとめると、何ができる人かをつかみやすくなります。ただし、分野別の説明だけにせず、全社の時系列も付けます。

同じ5社の経歴を使う場合、冒頭を次のように構成できます。

職務要約

店舗での接客・発注補助を経て、電話受注、受注入力、請求書発行、見積書作成などに従事。現在はE社で受発注と出荷日程の調整、業務引き継ぎを担当している。

応募職種に関連する経験

受注・出荷連絡:B社で電話受注と入力、E社で受発注と出荷日程の調整を担当。変更があった際は営業担当と出荷部門に確認し、回答内容を顧客へ連絡した。

書類作成・照合:C社で請求書発行と入金照合、D社で見積書作成を担当。見積条件が不明な場合は営業担当へ確認してから作成した。

引き継ぎ:E社で後任向けの手順書を更新。受注登録から出荷確認までの手順を記載した。

この後に、次の全社の時系列を添えると、1つの完成した構成になります。

在籍期間会社・雇用形態担当業務
2015年4月〜2017年3月A社・正社員店舗での接客、在庫確認、発注補助
2017年4月〜2019年6月B社・正社員電話受注、受注入力、出荷部門への連絡
2019年7月〜2020年6月C社・契約社員請求書発行、入金照合、取引先情報の更新
2020年8月〜2023年3月D社・正社員見積書作成、納期照会、営業資料の更新
2023年4月〜現在E社・正社員受発注、出荷日程の調整、後任への業務引き継ぎ

経験の出所がB社なのかE社なのかを残すことで、別の会社の経験を1つの在籍期間の実績に見せずに済みます。

通算年数を添える場合は、複数の業務を兼務した期間や重複を確認してください。「5社すべてで営業事務を担当」といった、元の事実にないまとめ方はしません。

どちらの構成が合うかを読み手の確認順で選ぶ

構成向いている場面提出前に確かめること
会社ごとの時系列職種や担当範囲の変化を順に説明したい応募先に関係する経験が、長い沿革の中に埋もれていないか
分野別の経験+全社の時系列同じ業務を複数社で経験し、強みをまとめたい各経験の会社と期間をたどれるか、全社が残っているか

構成を変えても、履歴書と職務経歴書の事実は同じです。会社を省く、在籍期間を連結する、派遣先を雇用主として書くなど、見た目を整えるために経歴を変えないでください。

枚数を減らしたい場合は、会社名より先に重複した業務説明を見直します。「受注入力」「見積書作成」を各社で何行も繰り返しているなら、担当範囲の違いだけを残せないか確認します。応募先指定の枚数・様式があれば、その中で必要な情報を残しましょう。

最後に、履歴書と1社ずつ照合する

提出前は、会社数を数えたうえで、会社名・入退社年月・雇用形態・主な担当業務を履歴書や応募フォームと照合します。分野別にまとめた箇所は、その経験の出所を指で追えるか確かめてください。

説明の詳しさは変えても、事実はそろえます。書類の基本構成へ戻る場合は職務経歴書の書き方、職務要約と自己PRの重複を整理したい場合は自己PRの書き方が参考になります。

先に知っておきたい職務経歴書の全体構成を確認する会社ごとの経験を書類全体の中へ配置します。
あわせて読みたい履歴書の職歴欄をそろえる全社の会社名と年月を別の書類とも照合します。
次のステップ自己PRを作る並べた職歴から、応募先に関係する強みを選びます。