内定を承諾した後に辞退を考えたら、何へ同意したかと入社に向けて何が進んでいるかを確かめます。承諾前の辞退文をそのまま使わず、これまでの返答と手続きを伝えて企業へ連絡しましょう。
承諾メールを送った直後と契約書や機器の受領まで進んだ入社直前では確認する資料が異なります。入社日や次の手続きの期限を見ながら、連絡を先送りしないことが必要です。
この記事では2つの架空例で連絡と確認事項を示します。辞退の可否や費用負担を一律に決めず、争点がある場合は資料をそろえて相談へつなげます。
承諾した内容と企業の返答を読み返す
まず内定通知と提示条件、承諾メールや契約書、企業からの返答を集めます。誰へいつ何を伝えたかを通話も含めて時系列に残してください。書面を出していないという理由だけで、合意がないと判断しないことが必要です。
厚生労働省の労働条件の明示に関する説明でも、労働契約は口頭でも成立することと、内容をできる限り書面で確認することを案内しています。自分のやり取りがどう扱われるかを判断しきれない場合は、その記録を相談先へ見せて確認します。
| 確認する資料 | 分けて残すこと |
|---|---|
| 内定通知・条件書面 | 入社日、雇用期間、仕事、その他の条件 |
| 承諾時の記録 | 伝えた日時、相手、文面又は通話の要約 |
| その後の返答 | 企業の受領連絡、求められた手続きと期限 |
| 進んだ入社準備 | 提出済みの物、受領した物、予約や手配の有無 |
まだ承諾していないと確認できた場合は承諾前の内定を辞退する連絡方法が対象です。承諾済みの経緯を省いて同じ文面を送るのは避けましょう。
承諾メールを送った直後の例
次の日時と状況はすべて架空です。候補者は10月20日に12月1日入社の提示条件へ承諾メールを送り、企業から受領の返答を受けました。10月26日に家庭の事情が変わり、入社を見直したいと考えています。機器などの受領はなく、次の提出期限は11月5日です。
候補者は通知と送信メール、企業の返答を保存し、採用窓口へ連絡します。
件名:入社の辞退についてのご相談/氏名
採用ご担当者様
10月20日に12月1日入社の条件について承諾のご連絡をいたしましたが、その後事情が変わり、入社を辞退したくご連絡いたしました。一度承諾をお伝えした後の申し出となり、申し訳ございません。
現時点で貴社から機器等は受け取っておらず、11月5日が次の書類提出期限と認識しております。今後の手続きと確認が必要な事項をご案内いただけますでしょうか。必要であればお電話で経緯をご説明いたします。
この例は送信だけで手続きが終わることを示すものではありません。企業の返答を確認し、求められた対応を記録します。「事情が変わった」という説明はこの架空候補者の状況です。自分の理由でなければ使わず、詳しく開示しない場合も事実を作らないでください。
入社直前で書類や機器の受領が進んでいる例
別の架空例では、候補者が12月1日入社の契約書を提出し、貸与パソコンを受領しています。11月26日に入社を辞退したいと考えました。既に初日の案内も届いています。
この場合は契約や承諾の記録に加え、パソコンの受領記録と初日の案内をそろえます。入社日が近いため、メール送信だけで終えず会社指定の連絡方法を優先します。案内された電話などの方法で採用窓口へ至急連絡し、担当者と受領を確認しましょう。
12月1日の入社について、一度承諾した後ですが辞退を申し出たくご連絡しました。契約書は提出済みで、貸与パソコンを受領しています。入社日が近い状況での連絡となり申し訳ございません。手続きの担当者と受領した機器の返却方法を確認させていただけますでしょうか。
返却先や配送方法は会社へ確認し、自己判断で別の住所へ送ったり、機器のデータを消したりしないでください。入社前の予約や登録があれば、その停止を誰が行うかも尋ねます。提出書類の取り扱いを確認したい場合は会社の案内に沿って問い合わせます。
紹介会社が窓口の場合も合意の経緯を省かない
紹介会社を通じて応募した場合は、これまで調整していた担当者へ結論と現在の手続き状況を伝えます。自分から企業へも連絡する必要があるかを確かめ、担当者が企業へ何を共有するかをそろえます。
企業へ伝わったことと手続きの完了は分けて記録します。入社日までに返答がない場合は、担当者へ進捗と次の確認時刻を尋ねましょう。連絡がつかないという理由で、初日の予定も自動的になくなったと判断しないでください。
費用や義務の説明で迷う場合は資料をそろえて相談する
辞退を伝えた後に当初の入社予定へ戻れるとは決めつけないでください。意思がまだ定まらない場合は、未確認事項と次に回答できる時点を企業へ伝え、保留が認められたかを確認します。
「辞退できない」「一定額を支払う必要がある」と言われた場合は、説明の根拠となる契約条項や費用の内訳を確認します。言われた額が当然に必要とも、絶対に支払わなくてよいとも、一般記事の文面だけでは判断できません。
請求や新しい合意書への署名を求められ、意味が分からない場合は、文書と回答期限を残して公的窓口や法律の専門家へ相談します。返答をせず放置するのではなく、内容を確認して相談中であることと、いつ次の連絡ができるかを伝える方法があります。
厚生労働省の総合労働相談コーナーは募集・採用を含む労働問題を扱い、無料の面談・電話相談に対応しています。相談時には合意の記録に加え、辞退を伝えた内容、企業の回答、次の期限を示しましょう。
承諾後の辞退は結論を伝える連絡と進んだ手続きを整理する作業の両方が必要です。返答を受けたら、返却や提出物など残っている手続きを担当者と確認してください。




