退職後の健康保険には任意継続、国民健康保険、家族の健康保険の被扶養者になる方法があります。加入条件と申請期限を確かめ、保険料だけでなく実際に加入できるかも確認して3つを比べましょう。
本人に加えて家族の加入先も変わる場合は世帯全体の負担と必要書類を確認します。退職日と現在の保険者を伝え、各窓口に同じ期間の見積りを依頼すると比較できます。
この記事では扶養の認定が未確定の架空例を使い、問い合わせの順序と回答後の選び方を示します。
退職後の加入先を条件から確かめる
ここでは会社の健康保険を離れ、次の会社の健康保険へすぐ加入しない人を主に扱います。退職しても別の勤務先で健康保険への加入対象になる場合などは、その加入状況を先に確かめてください。
協会けんぽの退職後の健康保険の案内を基に3つの候補を整理します。健康保険組合などに入っている人は現在の保険者の案内も確認しましょう。
| 候補 | 主な条件・申請先 | 保険料と家族について聞くこと |
|---|---|---|
| 任意継続 | 協会けんぽでは退職日まで継続2か月以上の被保険者期間等が必要。居住地の支部へ申出 | 会社負担がなくなった後の額と家族の扶養認定 |
| 国民健康保険 | ほかの医療保険に入らない場合等に住所地の市区町村へ届出 | 前年所得・加入人数等に基づく世帯の見積りと軽減・減免の対象 |
| 家族の健康保険の被扶養者 | 家族の勤務先を通じて保険者へ認定を確認 | 収入・生計維持等の条件と認定日。認定されると被扶養者本人の保険料負担はない |
国保には会社の健康保険と同じ被扶養者の仕組みがないため、自分だけの金額を見て家族分を忘れないようにします。家族が加入する健康保険で被扶養者になる(扶養に入る)条件は「今は働いていない」という事実だけでは確認できません。
期限と必要書類を見積りより先に控える
協会けんぽの任意継続は退職日の翌日から20日以内に申出書を提出します。20日目が土日祝日の場合は翌営業日となり、郵送は期限内の必着です。加入条件と一緒に提出先・必要な添付書類を支部へ確かめてください。
国保の届出については新宿区の案内に事実発生から14日以内の届出と資格喪失証明書等が示されています。必要な証明や電子申請の条件は自分の市区町村で確認します。書類がまだ届かない場合も期限前に状況を伝え、用意できる資料と手続きの進め方を尋ねましょう。
扶養の認定を待つ間に任意継続の期限を過ぎると希望しても選べなくなるおそれがあります。扶養の認定結果が分かる予定日を確認し、それまで任意継続や国保の申請を待てるか各窓口へ尋ねます。
協会けんぽの初回の申出期限を過ぎた場合は任意継続を選べる前提にせず、国保に加入できるかを住所地の市区町村へ、扶養に入れるかを家族側の保険者へそれぞれ確認してください。
同じ期間と家族の範囲で保険料を比べる
任意継続の保険料は会社が負担していた分も本人負担になります。ただし標準報酬月額の上限や保険料率、年齢等で変わるため、給与明細の健康保険料を単純に2倍した額を確定額にしないでください。
国保は前年所得や加入人数等によって額が決まり、自治体による違いもあります。任意継続と国保には同じ加入予定期間と家族構成を伝え、介護保険料等を含む範囲もそろえて見積りを取ります。減免などを申請する場合はその結果が未確定の段階と承認後を分けましょう。
扶養認定で確認される収入には給与だけでなく失業給付等も関わります。関東信越厚生局のQ&Aも今後1年間の見込みを保険者が確認すると説明しています。退職前の年収だけで自分が対象かを決めず、退職後の給付や就業予定を伝えてください。
扶養に入れるか未確認の例で照会順を決める
次は架空例です。40歳の本人が11月30日に退職し、当面は求職活動をします。配偶者の健康保険に入ることを希望していますが、失業給付の予定を含む収入条件はまだ保険者へ確認できていません。
- 配偶者の勤務先へ退職日と今後の給付・収入の予定を伝え、必要資料と認定日を確認する
- 現在の保険者へ任意継続の加入条件、家族の範囲、保険料と申出期限を確認する
- 住所地の市区町村へ国保の加入手続きと同じ期間の見積りを依頼する
- 扶養の認定結果が分かる予定日を控え、その日が任意継続や国保の申請期限より後になる可能性があれば、各窓口へ申請の進め方を相談する
この段階では扶養を「認定未確定」として扱い、保険料0円と決めて費用比較を終えません。認定できると回答された場合は適用日まで確認し、認定されない場合は利用可能な制度の負担と条件を比べて手続きを進めます。
問い合わせには次のように状況をまとめられます。
退職日は11月30日です。12月1日以降の扶養認定を確認したいです。求職活動と失業給付の申請を予定しています。認定に必要な資料と収入の見方、認定日を教えてください。ほかの加入手続きの期限があるため、回答の見込みも確認したいです。
決定後は取得日と次の切替えも記録する
加入先が決まったら受付控えを保管し、資格取得日と納付方法を記録します。
協会けんぽの任意継続に加入している人が再就職して別の健康保険の資格を取得した場合は、資格喪失申出書をすみやかに提出します。国保や家族の扶養への変更を検討し、本人の申出で任意継続をやめる場合は変更先の加入条件を確認したうえで希望する資格喪失月の前月中に申出書を提出します。協会けんぽが申出書を受理した月の翌月1日に資格を失う扱いです。再就職による資格喪失と本人の申出による任意の資格喪失では提出時期が異なります。健康保険組合などの加入者は現在の保険者へ条件と資格喪失日を確認してください。
国保への加入後に再就職先の健康保険へ入った場合や家族の被扶養者に認定された場合は、脱退の届出と必要書類を住所地の市区町村へ確認します。新宿区では14日以内の届出を案内していますが、期限や必要書類、手続方法は自分の市区町村の案内で確かめてください。
家族の健康保険の被扶養者に認定された後、別の健康保険に加入する勤務先へ就職した場合や、今後の収入見込み・生計維持の状況が変わった場合は、家族の勤務先または保険者へ連絡します。被扶養者の資格を失う条件に当たるか、当たる場合はいつ資格を失うか、必要書類と次の健康保険の資格取得日を確認してください。協会けんぽの手続きは日本年金機構の被扶養者に異動があったときの案内を確認し、家族が協会けんぽ以外の健康保険に加入している場合は家族の勤務先または保険者へ手続きを尋ねます。
保険の選択と年金の加入手続きは別です。健康保険を決めた後も年金の加入手続きが必要かを確認してください。




