「海運」の求人には、荷主と運賃を交渉する営業、船の動きを組み立てる運航管理、船の保守や修繕を見る船舶管理、船に乗る航海士まで幅があります。同じ海運会社でも、外国との間で鉄鉱石やLNGを運ぶのか、国内の港どうしで石油製品やセメントを運ぶのか、フェリーでトラックと旅客を運ぶのかで、相手も、守る法律も、利益の振れ方も変わります。
この記事では、船で貨物や旅客を運ぶ事業を扱います。外航の船の種類と運ぶもの、長期契約と市況による利益の違い、内航のオペレーター(荷主と運送の契約を結ぶ会社)とオーナー(船を持つ会社)の関係、フェリーと離島航路、海技士の資格と船員の働き方、営業・運航管理・船舶管理・海上職の仕事を順に確かめます。
運輸・物流の中での海運の位置、輸出入の重さに占める海上輸送の割合、外航・内航の事業者数と営業収入、海上運送法と内航海運業法の手続きの一覧は、「運輸・物流の業界地図|人と物を、誰が運び、預かり、手配し、場所を貸すのか」で整理しています。日本郵船・商船三井・川崎汽船がコンテナ船の事業を共同出資のOcean Network Express(ONE)にまとめ、その利益が「持分法による投資利益」として経常利益に入る仕組みも、全体地図で説明しているため、この記事では繰り返しません。
港での荷役やターミナルの運営は「港湾の業界地図」、自ら船を持たずに海上輸送を手配する海上フォワーダー(NVOCC)や通関、海運会社の物流子会社は「国際物流・フォワーダーの業界地図」で扱います。船会社が港のターミナルに出資する関係も港湾の地図で書きます。船の建造と舶用機器は「造船・舶用工業の業界地図」、運ぶエネルギー資源の開発と調達は「石油・天然ガスの業界地図」、クルーズ旅行の販売は「旅行の業界地図」、トラックからフェリーや船へ荷物を移すモーダルシフトのトラック側は「トラック輸送・宅配・郵便の業界地図」で扱います。
海運は外航・内航・フェリーに分かれ、船の種類で運ぶものが違う
外航は、日本と外国の間や、外国の港どうしで貨物を運ぶ事業です。国の統計では、日本の外航海運事業者が運航する2,000総トン以上の外航商船を「我が国商船隊」と呼びます。日本の船籍の船だけでなく、海外の子会社などから借りた外国籍の船(用船)も含み、日本に寄らない外国どうしの輸送(三国間輸送)も数えます。海事レポート2025 第1章は、外航海運は主に、海運会社(オペレーター)が船主(オーナー)から船を借りて、荷主に運送のサービスを提供する取引の形だと説明しています。
海運と陸上輸送をつなぐ流れは、運ぶ・預かる・手配する会社の全体像から確認できます。 運輸・物流業界の地図
港から先の陸上輸送を見ると、海上運送とトラック輸送の契約・仕事の違いを確かめられます。 トラック輸送・宅配・郵便の業界地図
船の種類で、運ぶものと契約の形が変わる
数字で見る海事2025によると、2024年6月末の我が国商船隊は2,277隻です。最も多いのは鉄鉱石や石炭などをばら積みで運ぶばら積船の742隻で、自動車専用船332隻、フルコンテナ船259隻、一般貨物船229隻、化学薬品船144隻、LPG船125隻が続きます。LNG船は50隻です。令和8年版 交通政策白書によると、2,277隻のうち日本の船籍の船(日本船舶)は323隻で、残りの1,954隻は外国の船籍です。
運ぶものと相手は、船の種類で変わります。NSユナイテッド海運は、外航では製鉄原料を中心にばら積みで運び、LPGの輸送と船の貸し出しも行っています(日本郵船の公開買付けの発表)。川崎汽船は、LNG船・LPG船のほか、発電用の石炭を運ぶ電力炭船を、エネルギー資源の事業に入れています(2026年3月期決算短信)。コンテナ船は、決まった航路を決まった日程で回り、多くの荷主の貨物をコンテナに入れて運びます。船会社から見た顧客には、荷主のほか、荷主から輸送を引き受けて船の枠を手配するフォワーダーもいます。
内航では、2025年3月31日時点で5,146隻の船が動いています。2023年度の輸送量(トンキロ。重さと距離を掛けた物差し)で見ると、石油製品が20.9%、石灰石などが19.2%、製造工業品(パルプ・食料工業品など)が14.6%、鉄鋼などが10.7%、セメントが10.5%です。海事レポート2025 第2章は、内航海運が鉄鋼・石油製品・セメントなどの産業基礎物資の輸送の約8割を担うと説明しています(本文の概数で、基準の年度と物差しは書かれていません)。
長期契約と市況で、同じ会社の中でも利益の振れ方が違う
外航の運賃や用船料には、その時々の需要と船の数で決まる「市況」で動く部分と、何年も先まで条件を決める長期の契約で決まる部分があります。どちらの比重が大きいかは、船の種類と会社の方針で変わります。各社の事業別利益が、前の期からどう変わったかを見ます。
コンテナ船を含む事業は大きく減り、エネルギーの事業は一過性の要因で増減が分かれた
3社の数字は、そのまま比べられません。日本郵船と川崎汽船は経常利益ベースのセグメント利益(事業の区分ごとの利益)を百万円単位で、商船三井は短信の概況の表にある事業ごとの経常損益を億円単位で示しています。事業の区分の名前と範囲も会社ごとに違います。図は会社ごとに別の目盛りにしており、ここで比べるのは、同じ会社の中の事業どうしと、前の期と今の期だけです。
最も大きく減ったのは、コンテナ船を含む事業です。日本郵船の定期船事業は274,366百万円から49,793百万円に、川崎汽船の製品物流事業(自動車船・物流・近海内航・コンテナ船)は293,624百万円から90,877百万円になりました。このうち持分法による投資利益は、日本郵船の定期船事業で249,060百万円から20,178百万円、川崎汽船の製品物流事業で201,967百万円から16,103百万円です(日本郵船 2026年3月期決算短信、川崎汽船の同短信)。日本郵船の定期船事業では、持分法による投資利益の減少(228,882百万円)が、セグメント利益の減少(224,573百万円)とほぼ同じ大きさです。川崎汽船の製品物流事業でも、減少の9割強が持分法による投資利益の減少です(いずれも計算値)。商船三井のコンテナ船は2,176億円から266億円になりました(商船三井 2026年3月期決算短信)。
LNG船などのエネルギー輸送について、会社は長期の契約を利益の支えに挙げています。日本郵船は、LNG船が「安定的な収益を生む中長期契約に支えられて順調に推移」したと説明しています。川崎汽船は、LNG船・LPG船・電力炭船・大型原油船などが中長期の傭船契約(船を貸し出す契約)のもとで順調に稼働したと説明し、商船三井も、FPSO(海上で石油・ガスを生産・貯蔵する設備)やLNG船の長期の貸船契約で安定した利益を確保したとしています。
ただし、エネルギー事業の利益の増減は、長期の契約だけでは決まりません。日本郵船のエネルギー事業(46,172百万円→54,418百万円)には、市況で動く大型原油タンカーなどと、新しいFPSOの稼働開始にともなう一過性の利益が入っています。川崎汽船のエネルギー資源事業(4,913百万円→9,676百万円)の増益は、前の期に生じた一過性の要因がなくなったことなどによると説明されています。商船三井のエネルギー事業(1,021億円→555億円)の減益は、前の期にあった株式の再評価による一過性の利益がなくなったことや、ケミカル船の市況の軟化などによるものです。同じ「エネルギー」の事業の中にも、長期の契約の船と市況で動く船が混ざっています。
市況が上がっても、利益が増えるとは限りません。日本郵船は、ドライバルク(ばら積み)の各船型の市況が前の年度を上回った一方、円高などの影響を受けたと説明し、ドライバルク事業のセグメント利益は18,104百万円から9,574百万円に減りました。川崎汽船は、ドライバルクの市況の影響を受ける範囲を管理しつつ、中長期の契約を積み上げて安定した収益を増やす方針を示しています。
中東の情勢も市況に表れています。日本郵船の2026年3月期の短信は、大型原油タンカー(VLCC)、大型LPG船(VLGC)、石油製品タンカーの市況が前の年度を上回ったと説明しています。要因として、VLCCでは中東情勢でホルムズ海峡が事実上封鎖された影響など、VLGCでは中東地域からのLPG輸出が実質的に止まって長距離の輸送が増えたこと、石油製品タンカーでは原油価格の上昇の波及を挙げています。これは2026年3月期の決算での会社の説明で、この先の市況を示すものではありません。
鉄鋼原料を中心に運ぶNSユナイテッド海運では、2026年4〜9月の中間期の外航海運事業のセグメント利益(営業利益ベース)が15,866百万円で、前の年の同じ期間の7,217百万円から増えました。会社は、ケープ型(大型のばら積船)の市況が、鉄鉱石・ボーキサイトの輸送需要と、ギニアのシマンドゥ鉱山からの出荷の拡大で前の年を上回ったと説明しています。内航海運事業は2,092百万円から1,832百万円でした(2027年3月期 第2四半期決算短信)。期も利益の段階も違うため、大手3社の数字とは並べません。
内航海運は、荷主と契約するオペレーターと、船を持つオーナーに分かれる
内航海運では、荷主と運送の契約を結ぶ会社と、船を持って船員を雇う会社が分かれることがあります。海事レポート2025は、この二層の関係を次のように示しています。荷主はオペレーターと運送の契約を結んで運賃を払い、オペレーターはオーナーと定期用船契約を結んで、船と船員をまとめて借り、用船料を払います。船舶管理業者は、複数のオーナーから船員の雇用や配乗(どの船に誰を乗せるか)の管理などを引き受けます。
内航は、荷主と契約するオペレーターと、船と船員を持つオーナーに分かれる
休止を含む(休止は登録163・届出85)。届出の事業者と、使う船が1隻以下の登録事業者で約7割
純資産の比率39%
うち船が48%、純資産の比率13%
第9条 契約のとき、対価などを書いた書面を交付
第12条 オペレーターは、船員の労働時間を考えた運航計画など過労防止の措置
第29条 荷主は、事業者が法令を守れるよう必要な配慮をする
第30条 違反が荷主の指示によるときなど、国は荷主に勧告でき、勧告したら公表
事業者の大半は小さな会社です。2025年4月1日時点の内航海運業者は、国の登録を受けた事業者が1,916(うち休止163)、届出の事業者が1,023(同85)です。登録と届出は使う船の大きさで分かれます(線引きは全体地図の表にあります)。届出の事業者と、使う船が1隻以下の登録事業者を合わせると、全事業者の約7割になります(数字で見る海事2025)。事業者の総数と中小企業の割合は、全体地図の表で示しています。
オペレーターとオーナーでは、財務の形も違います。内航海運業の収益が70%以上の事業者の2023年度の1社平均では、オペレーターの資産は2,533百万円で、純資産の比率は39%です。オーナーの資産は822百万円で、そのうち船が48%を占め、純資産の比率は13%です。オーナーは、資産の多くを船に投じ、自己資本の割合が低い形です。1社平均の値で、個々の会社の財務を表すものではありません。
海事レポート2025は、内航海運業者の大半が中小企業で、寡占化した荷主企業への専属化・系列化が固定化した業界構造だと説明しています。2021年の海事産業強化法で内航海運業法が改正され、2022年4月に施行されました。契約の書面、船員の労働時間を考えた運航計画、荷主への勧告と公表の制度などが加わっています。制度は、義務・責務・「できる」規定で強さが違います。
| 条文 | 対象 | 内容 | 強さ |
|---|---|---|---|
| 内航海運業法 第9条 | 内航海運業者 | 契約を結ぶとき、役務の対価などを書いた書面を交付する | 義務 |
| 内航海運業法 第12条 | 内航運送をする内航海運業者(オペレーター) | 船員の労働時間を考慮した適切な運航計画の作成など、過労を防ぐ措置を講じる | 義務 |
| 内航海運業法 第29条 | 荷主 | 内航運送をする事業者が法令を守って事業を行えるよう、必要な配慮をする | 荷主の配慮の責務 |
| 内航海運業法 第30条 | 国土交通大臣 | 過労防止の措置(第12条)の違反などで事業者に命令や処分をするとき、その違反が荷主の指示によるなど主に荷主に原因があり、事業者への命令だけでは再発を防げないなら、荷主にも再発防止の措置を勧告でき、勧告したときは公表する | 「できる」規定(勧告は大臣の判断) |
| 船員法 第67条の2 | 船舶所有者(オーナーなど) | 労務管理責任者を選任する。責任者は、労働時間の短縮などが必要なときに船舶所有者へ意見を述べる。船舶所有者は、運航計画の変更が必要と認めるときは、オペレーターに意見を述べなければならない | 選任と、オペレーターへの意見は義務 |
第29条は、荷主に配慮を求める責務の規定です。第30条の勧告は、国が「できる」と定めたもので、勧告するかどうかは国の判断です。船員の労働時間については、船員法で、労務管理責任者が船舶所有者に意見を述べ、船舶所有者が必要に応じてオペレーターに運航計画の変更の意見を述べます。荷主には配慮の責務と勧告の仕組みがある、という形でつながっています。
運賃と用船料そのものについて、海事レポート2025は、2025年度に適正な運賃・用船料の「標準的な考え方」を策定してガイドラインに反映する予定だとしています。
フェリーはトラックと人を運び、離島航路は補助で支えられる
長距離フェリーは、トラックと旅客を一緒に運びます。数字で見る海事2025によると、長距離フェリーは12航路で、2024年度の輸送人員は2,616千人(前の年度から10.8%増)、車両の航送台数は、乗用車なども含めて8トントラックに換算すると1,717千台です。長距離フェリー8社の会社の損益を集計すると、2024年度の営業収入は178,245百万円、営業損益は16,462百万円の黒字で、2023年度の161,050百万円・7,983百万円から増えました。2024年度の値は速報値です。
1社の例では、商船三井のフェリー・内航RORO船(トラックや車両を自走で積み降ろす貨物船)の事業は、2026年3月期に増益でした。商船三井さんふらわあで便数の減少や荷量の減少があった一方、関西の航路を中心とした旅客の好調と、貨物運賃の改定が利益を押し上げたと会社は説明しています。翌期も、トラックドライバーの労働時間の規制強化にともなう物流の受け皿の需要で、安定した利益を見込むとしています(商船三井の決算短信)。トラック側から見たモーダルシフトは、トラック輸送・宅配・郵便の業界地図で扱います。
旅客船の航路には、採算の厳しいものも多くあります。数字で見る海事2025の航路ごとの損益の集計では、2023年度の一般旅客定期航路484航路の営業収入は277,270百万円で、経常損益は680百万円の赤字でした。これは航路の損益を足した値で、長距離フェリー8社の会社の損益とは集計の単位が違います。
島に住む人の足になる離島航路は、2025年4月時点で272航路あり、そのうち127航路が国の補助の対象です。運航の欠損を補う運航費補助などの2025年度の予算は約70.5億円です(海事レポート2025 第2章)。
フェリーや旅客船の会社には、法律で決まった役割があります。一般旅客定期航路事業者は、安全管理規程を国に届け出て、安全統括管理者と、船ごとの運航管理者を選ばなければなりません(海上運送法第10条の3〜第10条の6)。どちらも資格者証を持つ人から選びます。運航管理者は運航計画をつくり、従業者を配置し、船を止めるよう指示することもあります。
船員と海技士:資格、年齢、働き方の制度
船舶職員は、船で船長・航海士・機関長・機関士・通信長・通信士の職務を行う人です(船舶職員及び小型船舶操縦者法第2条)。求人の職種名ではなく、法律の上の役割の名前です。船舶職員になるには、海技士の免許が要ります。海技試験に合格し、登録された講習を修了すると免許を受けられます(船舶職員及び小型船舶操縦者法第4条)。資格は、海技士(航海)と海技士(機関)がそれぞれ一級〜六級、海技士(通信)が一級〜三級、海技士(電子通信)が一級〜四級です(第5条)。船舶所有者は、船の用途・航行する区域・大きさ・機関の出力などに応じて政令が決める基準に従って、海技士を乗り組ませます。20歳未満の人を船長や機関長にすることはできません(第18条)。
どの船にどの級が要るかは、船の大きさや航行する区域などに応じて政令で決まっています。海事レポート2025 第5章は、内航船員に必要な4級海技士の資格を取る養成機関として、海上技術学校(2校)と海上技術短期大学校(5校)を挙げています。
船員の人数と年齢は、出典ごとに数えている範囲が違います。
| 出典 | 数えているもの | 値 | 読むときの注意 |
|---|---|---|---|
| 令和8年版 交通政策白書 | 内航船員 | 約2.9万人(2024年) | 概数 |
| 海事レポート2025(海事局調べ) | 内航貨物・内航旅客の船舶所有者に雇われる船員の年齢構成 | 50歳以上43.6%、30歳未満20.2%(5,794人)(2024年10月1日) | 外国人と内航旅客を含む。30歳未満は2019年の5,448人(19.2%)から増えた |
| 海事レポート2025 | 外航の日本人船員 | 2,095人(2024年) | 日本人だけの数。ほぼ横ばい |
外航の船に乗る船員の多くは日本人ではありません。交通政策白書は、我が国商船隊の船員の大半はフィリピン人をはじめとするアジアの船員だと説明しています。海事レポート2025によると、内航と外航の日本人船員約3万人のうち、女性は945人です。
働き方のルールは、陸上の労働基準法とは別の船員法で決まっています。船員の労働時間は1日8時間以内、1週間は基準となる期間の平均で40時間以内が原則です(船員法第60条)。人命や船・積荷の安全のための緊急の作業などには例外があります(第68条)。海事レポート2025によると、2022年4月から、船舶所有者による労務管理責任者の選任と労働時間の把握が始まり、2023年4月からは、航海当直の引継ぎなども労働時間の規制の対象になりました。
2026年10月31日時点で未確定の動き:GHG規制と公開買付け
国際海運の温室効果ガス(GHG)の規制は、まだ決まっていません。国土交通省の発表(2026年5月、IMOの第84回海洋環境保護委員会)によると、2050年までに国際海運からのGHG排出ゼロを目指す新たな国際ルール(条約の改正案)は、2025年10月の国際海事機関(IMO)の臨時会合で、採択の審議を1年間中断することが決まりました。2026年12月初旬の採択の審議に向けて、9月と11月に作業部会が開かれます。日本は、各国の懸念を踏まえて、LNG燃料船を規制に適合する船に含めることや、複数の船の間で排出を相殺できるようにすることなどの修正案を出しています。採択の審議は12月初旬の予定で、2026年10月31日時点ではまだ開かれていません。採択されるか、いつから適用されるかは、この記事では予想しません。
会社の側では、日本郵船が2026年7月31日に、NSユナイテッド海運の株式の公開買付けを発表しました(日本郵船の発表)。NSユナイテッド海運は日本郵船の持分法適用関連会社で、公開買付けの目的は、連結子会社にし、株主を日本郵船と日本製鉄だけにすることです。買付価格は1株10,600円で、開始は2026年11月下旬〜12月下旬頃を目指すとしています。国内外の競争当局の手続きで、時期は変わり得ます。日本製鉄は、この公開買付けには応募せず、NSユナイテッド海運が自社の株を買い取る公開買付けに応募することで合意しています。全株を取得できなければ、残りの株を取得する手続き(スクイーズアウト)を行い、その場合は上場廃止となる見込みだと説明しています。2026年10月31日時点では、公開買付けは始まっていません。成立するかどうかは、この記事では予想しません。
営業・運航管理・船舶管理・海上職で、相手と仕事が違う
| 仕事 | 主な相手 | この記事で見た関わり | 関係する変化 |
|---|---|---|---|
| 営業 | 荷主、フォワーダー | 運賃・用船料の契約。長期の契約か、市況で動く契約か | 市況の変動、内航の書面交付と「標準的な考え方」 |
| 運航管理 | 船、オーナー、船員 | 船の動きと運航計画。内航のオペレーターには、船員の労働時間を考えた運航計画が義務 | 船員の働き方の制度、中東情勢などの航路の変化 |
| 船舶管理(就航船管理) | 船、船員、オーナー | 動いている船の保守や管理。内航では船舶管理業者がオーナーから船員の配乗管理などを受託 | GHG規制の審議(LNG燃料船の扱い) |
| 海上職 | 船上の乗組員、陸上の運航管理 | 海技士の免許が必要。船員法の労働時間と労務管理責任者 | 船員の高齢化と若手の確保 |
| フェリーの運航管理者 | 船、旅客、トラック事業者 | 法律で選任が決まった役割。運航計画、従業者の配置、船を止める指示 | トラックの労働時間の規制による貨物の需要 |
求人票では、次の4点を確かめます。
- 外航か、内航か、フェリーか:守る法律と、相手(荷主、オーナー、旅客)が変わる
- どの船の事業の求人か:コンテナ船、ばら積船、LNG船など。長期の契約が中心か、市況で動くかで、事業の利益の振れ方が変わる
- 内航なら、オペレーターの側か、オーナーや船舶管理の側か:荷主と交渉するか、船と船員を管理するか
- 海上職なら、必要な海技士の資格と級、養成の区分(船員教育機関の卒業か、自社養成か)
船の建造や舶用機器の会社の仕事は造船・舶用工業の業界地図、港の荷役は港湾の業界地図、海上輸送を手配するフォワーダーの仕事は国際物流・フォワーダーの業界地図で確かめられます。


