退職後の年金は自分と配偶者の加入状況を確認し、次の会社で厚生年金に入るまでの期間に必要な届出を選びます。自営業へ移る場合と短い空白の後に再就職する場合を分けて考えましょう。
同じ月に再就職して国民年金保険料を納付する必要がなくなる場合でも、加入手続きが必要なことがあります。納付額だけで手続きを省かず、退職日と次の加入日を窓口へ伝えて確かめます。
この記事では本人と配偶者の区分を整理する例と負担が難しい場合の申請先を示します。
現在の加入区分と退職後の予定を確認する
会社員等が厚生年金へ加入している場合は国民年金の第2号被保険者に当たります。退職後に厚生年金へ入らない期間が生じると、自分の年齢や配偶者の状況によって必要な届出が変わります。
日本年金機構の退職時の案内では、次の会社へしばらく入らない場合や自営業になる場合の第1号への手続きと、厚生年金加入者である配偶者に扶養される場合の第3号への手続きを説明しています。
| 状況 | 主に確認する区分・手続き | 最初の確認先 |
|---|---|---|
| 国内居住の20歳以上60歳未満で退職後は自営業等。第3号の条件には当たらない | 国民年金第1号への加入 | 住所地の市区町村・年金事務所 |
| 厚生年金に加入する配偶者に扶養され、第3号の条件を満たす | 国民年金第3号への変更 | 配偶者の勤務先 |
| 次の会社で厚生年金へ加入する | 会社の資格取得手続きと空白期間の確認 | 次の会社・空白期間は年金の窓口 |
第3号には年齢や国内居住、扶養の条件があります。健康保険の任意継続を選んでも厚生年金へ引き続き加入するわけではありません。保険の名称だけで年金の届出まで済んだと判断しないでください。
第1号への届出先と必要なものをそろえる
国民年金加入手続きの案内では、第1号の届出期限は退職日の翌日から14日以内、窓口は住所地の市区町村としています。電子申請も利用できます。
基礎年金番号通知書や年金手帳等、またはマイナンバーによる確認に必要なものを用意します。退職直後は資格喪失日を証明できる離職票等が必要になる場合もあるため、手元の書類名を伝えて窓口へ確認してください。期限内に書類がそろわないときも先に相談し、到着を待つだけにしないようにします。
自営業へ移る場合は配偶者の区分も見る
架空例Aでは45歳の本人が11月30日に会社を退職し、12月1日から自営業へ移ります。国内居住で厚生年金には入らず、同居する43歳の配偶者は本人に扶養される第3号被保険者です。
この前提では本人だけでなく配偶者も第3号から第1号への手続きが必要になることを窓口へ確認します。2人分の年齢・基礎年金番号・資格喪失日を伝え、必要書類と申請方法を確かめましょう。本人の退職届出だけで配偶者の変更まで終わるとは扱いません。
第1号では各人の保険料が生じます。今後の収入がまだ分からない場合も、加入の手続きと負担が難しい場合の相談を分けて進めてください。
同月に再就職する場合も空白期間を確認する
架空例Bでは35歳の本人が11月30日に退職し、12月16日から次の会社で厚生年金へ加入します。配偶者はおらず、国内居住で12月1日から15日は第1号となる前提です。
| 期間 | 加入状況の確認 | 行うこと |
|---|---|---|
| 11月30日まで | 前職の厚生年金 | 喪失日を会社へ確認 |
| 12月1日から15日 | 国民年金第1号 | 取得の届出を確認・申請 |
| 12月16日以降 | 次の会社の厚生年金 | 取得日と月末までの加入を会社へ確認 |
日本年金機構の同月再就職の例では、月末以降も第2号である場合にその月の国民年金保険料を納付する必要がなくても、第1号の資格取得手続きは必要としています。この架空例でも、12月分の負担と12月1日の届出を別々に確認します。再就職後すぐに退職した場合などは扱いが変わるため、実際の日付を窓口へ伝えてください。
負担が難しい場合は未納にする前に申請を相談する
保険料の免除・納付猶予の案内は、収入減少や失業で負担が難しい場合の制度を示しています。免除では本人・配偶者・世帯主、納付猶予では原則20歳以上50歳未満の本人・配偶者の所得などを審査します。退職したことだけで自動的に免除されるわけではありません。
失業等による特例を申請する場合は、離職票や受給資格者証等の確認資料を準備します。市区町村の国民年金窓口や年金事務所へ対象期間と必要資料を尋ねてください。電子申請も案内されています。
11月30日に退職し、12月から第1号になる予定です。収入が減るため免除や猶予を相談したいです。配偶者の状況と失業を確認する資料を伝えるので、申請する期間と必要な添付書類を教えてください。
免除・猶予は将来の年金額への反映が納付済みの場合と異なり、一部免除では残額の納付も必要です。申請後の承認内容まで確認して保管しましょう。企業型DCなどの資産移換は公的年金の加入届とは別の手続きなので、会社の制度がある場合は担当先を分けて確認します。




