退職願や退職届を用意するときは、会社指定の書式と提出先を確認し、自分が伝える意思に合った本文を書きます。提出日と退職する日を区別し、控えと提出の経緯を残しましょう。
書面の名前が同じでも、本文の意味やそれまでのやり取りは異なる場合があります。名前だけで撤回の可否などを判断せず、相談か確定した意思の通知かを自分でも確かめます。
この記事では指定書式がある場合とない場合を分け、架空の短い記載例と提出前の確認を示します。
名前だけでなく何を伝える書面なのかを確認する
退職願は退職について会社の承諾を求める申込み、退職届は退職の意思を伝える通知として使われることがあります。ただし実際の扱いは書面名だけでは決まりません。
厚生労働省の退職に関する説明でも、文書の表題だけでなく記載内容や当事者の言動から判断される点を説明しています。自分の書面がどの意思を示すか分からなければ、これまでのやり取りも含めて確認してください。
会社から合意書など別の文書を求められることもあります。退職日の確認以外に費用の負担や権利に関する条項があれば、単なる日付の確認だと思って署名せず、内容を読みます。分からない条項や同意できない内容は担当者へ尋ね、必要なら専門家へ相談します。
会社指定の書式がある場合
人事などの窓口へ、書式の入手先と提出先、期限、提出方法を確認します。直属の上司へ渡すのか、人事システムから申請するのかも会社によって異なります。
指定欄へ入れる情報は、正式な所属名と氏名、提出する日付、退職する日付などです。「日付」が何を指すか曖昧なら、推測せず記入要領を確認します。既に相談した希望日が変わっていないかも見直しましょう。
架空例として、人事から「12月31日退職の手続き用として指定書式を11月16日に提出してください」と案内された場合、提出日は11月16日、退職日は12月31日として別々に記入します。会社指定の文面を読み、自分の意思や確認できた日付と一致することを確かめて提出します。
指定がない場合の短い記載例
ここに示す会社名と氏名、日付はすべて架空です。自分の会社の指定があればそちらを確認し、実際の意思や経緯に合わない例をそのまま使わないでください。
退職を願い出る文面の例
候補者が12月31日を希望日として退職を願い出る設定です。会社から承諾の返答を得たことを示す例ではありません。
退職願
私儀、このたび一身上の都合により、2026年12月31日をもって退職いたしたくお願い申し上げます。
2026年11月16日
営業部 見本 花子
株式会社サンプル 代表取締役 架空 太郎 様
退職する意思を伝える文面の例
別の設定として、本人が12月31日に退職する意思を伝えるための文面です。提出による個別の法的な効果や日付の適否を保証するものではありません。
退職届
私儀、このたび一身上の都合により、2026年12月31日をもって退職いたします。
2026年11月16日
営業部 見本 花子
株式会社サンプル 代表取締役 架空 太郎 様
宛先と所属、氏名は会社で確認した正式な表記へ置き換えます。「一身上の都合」もこの例の自己都合退職に合わせた表現です。会社都合や勧奨を受けた経緯があるなど、実際の事情と違う場合に当てはめないでください。
退職時期は契約期間や申出の経緯によって確認が必要です。書面を作った日から希望日まで一定の日数があるというだけで、すべての条件が整ったとは考えないようにしましょう。
提出する内容と受け取られた経緯を残す
提出前には次の点を見直します。
- 書面名と本文が自分の伝える意思に合っているか
- 提出日と希望・確認済みの退職日を取り違えていないか
- 宛先と所属、氏名が正式な表記か
- 会社の指定する署名や押印、提出方法を確認したか
提出する書面の控えと提出日時・相手・方法を残します。メールなら送信した添付ファイルと送信記録、人事システムなら完了画面や受付通知など、自分が確認できるものを保存します。送信したことと会社側の返答は分け、返答があればその内容も残しましょう。
受け取ってもらえない、日付を別のものへ変えるよう求められた場合は、その説明と自分の返答を記録します。控えを書き換えて元の内容が分からなくなるより、元の書面と変更を求められた経緯を別々に保存します。
内容や提出方法で話が進まない場合
会社の手続きに迷ったら人事へ確認し、意思表示の扱いや義務など個別の判断が必要な場合は公的窓口や法律の専門家へ相談します。厚生労働省の総合労働相談コーナーは労働問題の相談と、内容に応じた窓口の案内を行っています。
相談時には文面だけでなく、退職を話した日と相手、会社の返答、契約と規則も示します。撤回を考えている場合も、書面名だけを根拠に取り下げられると判断しないでください。
提出後は日程や引き継ぎ、受取・返却が必要な物の確認へ進みます。全体の手続きは退職から入社までに必要な手続きを選ぶ方法で整理できます。書面を出す作業では、自分が何を伝えたかとその経緯を後から確認できる状態にしておきましょう。



