完成車メーカー、部品会社、販売会社、整備事業者の役割とお金の流れを整理。求人で製品、顧客、担当工程、制度変化の影響を確認できます。

自動車業界と聞くと、まず完成車メーカーの名前が浮かびます。ただし、メーカーの売上や販売台数を並べるだけでは、部品メーカーやディーラーで働く人が誰からお金を受け取るのかは分かりません。米国の関税が、どの部署の仕事を変えるのかも見えてきません。

この記事では、車が作られて売られ、使われてから直されるまでの流れを、会社の役割とお金の動きで追います。次に国内の生産・販売・部品出荷の規模を定義ごとに確かめ、完成車メーカーを製品・地域・資本関係で比べます。最後に、最近の変化が届く工程と、求人票で確かめることをまとめます。

部品の種類ごとの会社比較や、車検・整備工場の詳しい仕組みは、それぞれの詳細記事に任せます。ここでは完成車を中心にした取引の関係を扱います。

自動車は「作る・売る・直す」の流れとお金で読む

1台の車には、部品メーカー、完成車メーカー、販売会社、整備事業者が順に関わります。お金は逆向きに流れます。購入者が払った車両代は、販売会社とメーカーを通って部品メーカーへ届きます。車を買った後に払う整備代は、販売会社の工場や整備工場が受け取ります。整備事業者が補修部品を仕入れる支払いは、これとは別の取引です。

車は部品から整備まで4種類の会社を通る。車両代は逆向きに流れ、整備代は整備事業者が受け取る

モノの流れ(上)とお金の流れ(下)を分けて、誰が誰から受け取るかを読む。下段は、購入者・使用者が払うお金の行き先を示す。

モノとサービスの流れ →
部品メーカー小さな部品の会社がユニットの会社へ納め、ユニットを完成車メーカーへ納める
完成車メーカー開発・調達・組立。型式指定を受けて量産する
販売会社メーカーと特約販売店契約を結び、車を仕入れて売る
購入者個人・法人。商用車は運送会社など
整備事業者ディーラーの工場と、専業・兼業の工場が車検・点検・修理を行う
← 車両代の流れ(整備代は購入後に別に払う)
部品代完成車メーカーや他の部品メーカーから受け取る
卸売の車両代販売会社から受け取る
車両代購入者から受け取る。ローン・リースはメーカー系の金融会社も関わる
支払う側車両代、ローンの返済、整備代を払う
整備代車の使用者から受け取る。補修部品の仕入れは、整備事業者が別の取引で払う
メーカー系の販売金融:トヨタの金融事業の営業利益は8,517億円、自動車事業は2兆7,770億円(2026年3月期)。メーカーの収益は、車を卸す取引だけでは決まらない。
出典:日本自動車部品工業会「自動車部品出荷動向調査結果」(2024年度)、国土交通省「自動車整備事業場の規模」の定義、トヨタ自動車 2026年3月期決算短信。卸値や販売会社の利益配分は公開資料で確認できないため、図に示していません。部品出荷額のうち補修用は8.2%ですが、二輪向けも含みます。補修向け出荷額の51.2%を二輪の海外補修向けが占めます。四輪の補修用は総出荷額の4.0%です。整備事業者の仕入れは、この図とは別の取引です。

部品の流れは、部品メーカー同士の取引から始まります。日本自動車部品工業会(JAPIA)の会員のうち回答した293社の2024年度の部品出荷額は、20兆7,070億円でした。納める先で分けると、56.1%が国内の自動車メーカーの組立工場向け、11.4%が海外の組立向けの直接輸出、13.2%が国内の部品メーカー向けです。部品メーカー同士の取引が1割を超えることから、部品が何段階かの会社を経て完成車メーカーへ届くことが分かります。用途で分けた別の集計では、補修用が8.2%です。この割合には二輪向けも含まれ、補修向け出荷額の51.2%を二輪の海外補修向けが占めます。四輪の補修用は総出荷額の4.0%です。

完成車メーカーから先は、販売会社が担います。国土交通省の資料では、メーカーまたは国内の一手卸売会社と特約販売店契約を結んだ会社を「ディーラー」と定義しています。メーカーが販売会社に車を卸し、販売会社が購入者に売る形です。卸値や販売会社の利益の配分は、公開資料では確認できません。

車の代金をローンやリースで払う購入者には、メーカー系の金融会社がお金を貸します。トヨタの2026年3月期の決算では、金融事業の営業利益が8,517億円ありました。自動車事業の2兆7,770億円と比べても小さくありません。メーカーの収益は、車を作って卸す取引だけでは決まらないことが分かります。

4種類の会社は、顧客も対価の受け取り方も違います。次の表は、公開資料で確かめられる範囲で、会社群ごとの顧客、主な対価、競合と補完の相手、自社で担う工程を並べたものです。

会社群主な顧客主な対価競合と補完の相手自社で担う工程
完成車メーカー販売会社(卸)。金融子会社はローン・リースの利用者車両の卸売代金、販売金融の収入競合は他の完成車メーカー。部品メーカーと販売会社が補完開発、調達、組立、型式指定の取得
部品メーカー完成車メーカー、他の部品メーカー、補修用の流通部品代競合は同じ部品を作る会社。直接取引する会員は平均7.09社のメーカーと取引部品の開発・試作・量産
販売会社(ディーラー)個人・法人の購入者、車の使用者車両代、整備代競合は同じ地域の販売会社と整備工場。メーカーとは特約販売店契約で結びつく販売、納車、自社工場での整備
整備事業者(専業・兼業)車の使用者整備代競合はディーラーの工場と他の整備工場車検・点検・修理

ディーラーは販売と整備の両方で対価を受け取るため、整備では専業・兼業の工場と同じ顧客を取り合います。この二層の構造は、後の節で数字とあわせて確かめます。

国内の規模は台数と金額を定義ごとに読む

自動車業界の規模を一つの数字で示すことはできません。台数と金額、暦年と年度、国内と海外が混ざるためです。次の図の数字は、それぞれ定義が違うので足し合わせません。

国内の規模を示す6つの数字は、単位と範囲が違うので足し合わせない

台数は暦年、金額は年度。部品と整備は業界団体の調査範囲の数字。

国内生産841万台乗用車・トラック・バス2025年(1〜12月)、JAMA
国内の新車販売457万台登録車290万台+軽167万台2025年、輸入車を含む
輸出417万台国内生産の約半分2025年、会員1社分を含まない
日系メーカーの海外生産1,636万台国内生産の約2倍2025年、JAMA
部品出荷額20.7兆円うち国内の組立向け56.1%2024年度、JAPIA会員の回答293社
総整備売上高6.66兆円うちディーラー3.05兆円2025年6月末の調査(主に2024年度の実績)、日整連
生産と販売は同じ車を別の段階で数えた台数。部品出荷額は完成車の価格に含まれる部分がある。合計して「市場規模」にはしない
出典:日本自動車工業会「日本の自動車工業2026」・四輪車統計、日本自動車部品工業会「自動車部品出荷動向調査結果」、日本自動車整備振興会連合会「令和7年度 自動車特定整備業実態調査結果の概要」(事業場の2割を対象、有効回答率40%)。整備売上は主に2024年度の実績です。

日本自動車工業会(JAMA)の統計によると、2025年の国内生産は841万台、国内の新車販売は457万台でした。新車販売の内訳は、登録車290万台と軽自動車167万台です。輸出は417万台ですが、2017年12月以降は会員1社の分を含みません。

日系メーカーが海外の工場で作った車は、2025年に1,636万台ありました。国内生産のおよそ2倍です。そのため、国内の工場で働く人の仕事と、海外の工場を支える本社の仕事は、別のものとして考える必要があります。

働く人の数でも、部品の比重が分かります。JAMAの推計では、自動車の製造部門で働く87.7万人のうち、完成車(二輪を含む)は20.8万人、部品は64.4万人です。販売・整備は100.9万人で、そのうち整備が22.0万人です。JAMAが示す「自動車関連就業人口557万人」には運輸の279.3万人も含まれるので、自動車会社で働く人の数とは読み替えません。

完成車メーカーは製品・地域・資本関係で分かれる

国内の完成車メーカーは、作る車の種類、売る地域、資本関係の3点で位置が分かれます。同じ「国内メーカー」でも、関税や為替の影響を受ける場所と、開発や部品調達を一緒に行う相手が違います。

完成車メーカーを主な製品で並べ、確かめた資本関係を印で示す

列は主な製品の区分。◆はこの記事で一次資料を確かめたトヨタとの資本関係。◆のない会社に資本関係がないという意味ではない。各社の下段は販売の中心。

登録車が中心の乗用車メーカー
トヨタ自動車登録車商用車日本は連結販売の約2割
本田技研工業登録車軽二輪北米が連結売上台数の約6割
日産自動車登録車軽小型商用世界各地
マツダ登録車米国がグローバル販売の約3割
SUBARU登録車海外が連結販売の約9割◆トヨタが株式の21.46%を保有(2026年3月末)
三菱自動車工業登録車軽世界各地
軽自動車が中心のメーカー
スズキ軽(2025年度シェア33.0%)小型車二輪インドが世界販売の約56%
ダイハツ工業軽小型車非上場◆トヨタの完全子会社(2016年8月〜)
トラック・バスのメーカー(2グループ)
ARCHION2026年4月発足。日野自動車と三菱ふそうトラック・バスを傘下に置く
トラック・バス◆Daimler Truckとトヨタがそれぞれ25%(2026年8月の発表)
いすゞ自動車UDトラックスを含むグループ
トラックピックアップ海外が連結販売の約86%
タグの色:緑=登録車・小型車・二輪、黄=軽自動車、青=商用車。箱の大きさと並び順は規模や順位を表しません。比率は各社の2026年3月期の決算資料の台数から計算しました(定義は各社で異なります)。
出典:各社の2026年3月期決算資料、ダイハツ工業「主要事項」、SUBARU「株式基本情報」(2026年3月31日)、Daimler Truck プレスリリース(2026年4月1日、2026年8月19日)、スズキ決算説明資料。

製品では、まず登録車と軽自動車と商用車に分かれます。軽自動車は国内の規格で、スズキとダイハツが中心です。スズキは2025年度の軽自動車販売で1位、シェア33.0%でした。ダイハツは2016年8月からトヨタの完全子会社です。

トラック・バスは2つのグループに分かれました。2026年4月には、日野自動車と三菱ふそうトラック・バスを傘下に置くARCHIONが発足しています。Daimler Truckは2026年8月に持分を25%まで下げ、トヨタと同じ水準になったと発表しました。もう一方はいすゞ自動車で、UDトラックスを含むグループです。

地域では、販売の中心が会社ごとに大きく違います。次の表には、国内に本社を置いて四輪車を量産し、2026年3月期の通期決算を公表している8社を載せました。ダイハツは単独の決算資料を確認できず、ARCHIONは発足したばかりのため外しています。台数は卸か小売か、グループ会社を含むかが会社ごとに違うため、順位には使えません。会社名のリンク先は、数字を確かめた各社の決算資料です。

会社主な製品販売の中心売上(2026年3月期・会計基準)台数(各社の定義)
トヨタ自動車登録車・商用車。軽はダイハツ日本は連結販売の約2割営業収益50兆6,849億円(IFRS)連結販売959.5万台(日野の10.4万台を含む)
本田技研工業登録車・軽・二輪北米(連結271.1万台のうち160.5万台)売上収益21兆7,966億円(IFRS)四輪の連結売上台数271.1万台
日産自動車登録車・軽・小型商用車世界各地売上高12兆79億円(2026年度第1四半期の参考資料にある前年度実績)小売の台数を公表(中国・台湾は1〜12月の集計)
スズキ軽・小型車・二輪インド(世界販売332.0万台のうち186.2万台)売上収益6兆2,929億円(IFRS)四輪世界販売332.0万台
マツダ登録車米国(グローバル122.3万台のうち39.5万台)売上高4兆9,181億円(日本基準)グローバル販売122.3万台
SUBARU登録車海外(連結89.6万台のうち79.3万台)売上収益4兆7,850億円(IFRS)連結販売89.6万台
三菱自動車工業登録車・軽・ピックアップ世界各地売上高2兆8,965億円(日本基準)グローバル販売79.7万台
いすゞ自動車トラック・ピックアップ海外(連結56.6万台のうち48.4万台)売上収益3兆4,790億円(IFRS)連結販売56.6万台

トヨタも日本は連結販売の約2割で、どの会社も海外の販売が大きな割合を占めます。スズキはインド、ホンダとマツダは北米・米国の比重が大きく、SUBARUは海外が約9割です。ただし、販売地域の比率だけでは、米国の関税が利益にどれだけ響くかは分かりません。米国で売る車をどの国の工場で作るか、部品の原産地、価格への上乗せの仕方で変わるためです。影響額は、各社が決算資料で開示した数字で確かめます。

資本関係では、トヨタを中心とするまとまりがあります。ダイハツは完全子会社で、SUBARUの株式の21.46%をトヨタが持っています。日野は2026年3月までトヨタの連結子会社でしたが、ARCHIONへ移りました。ここに挙げたのは、この記事で一次資料を確かめた関係だけです。ほかの会社の間にも資本関係はあります。また、資本関係があることと、開発の分担や車の相互供給(OEM)を行うことは、別々に確かめる必要があります。応募先の親会社と主要株主は、決算資料や有価証券報告書で確かめられます。

部品メーカーは複数の完成車メーカーと取引する

部品メーカーは、特定のメーカーの系列だけで仕事をしているとは限りません。JAPIAの調査では、完成車メーカーと直接取引する会員は、平均で7.09社のメーカーと取引しています。

大手の部品メーカーは、完成車メーカーに近い規模を持ちます。2026年3月期の売上収益は、デンソーが7兆5,399億円、アイシンが5兆1,177億円でした(いずれもIFRS・連結)。住友電気工業の売上高は5兆1,101億円ですが、自動車以外の事業も含む全社の数字です。部品メーカーの規模を比べるときは、自動車向けの売上がどれだけかを決算資料のセグメント情報で確かめます。

部品メーカーの資本関係も動いています。Astemoは日立とホンダが40%ずつ持っていましたが、2026年10月1日にホンダが日立から21%相当の株式を取得し、ホンダが61.0%を持つ連結子会社になりました。豊田自動織機は、2026年6月1日に上場を廃止しました。

部品メーカーで働く人は、自動車の製造部門で働く人の約4分の3を占めます。部品メーカーの営業や技術者は、複数の完成車メーカーの開発日程と品質基準に合わせて、仕様書・見積・試作品をそろえます。

販売・整備はメーカー系と独立系の二層になっている

販売会社には、メーカーが自ら持つ会社と、地域の資本や上場会社が営む会社があります。トヨタは2018年、東京の販売会社4社を2019年4月にトヨタが100%出資する1社へ統合すると発表しました。現在、トヨタモビリティ東京が運営する店舗の一例が虎ノ門店です。都内には、ほかの販売会社が運営するトヨタの店舗もあります。一方で、上場する販売会社グループもあります。VTホールディングスの2026年3月期の売上収益は3,887億円でした。

整備では、事業場の数と売上の大きさが逆になります。日本自動車整備振興会連合会(日整連)の2025年度の実態調査によると、2025年6月末の整備事業場9万2,251のうち、整備を専業とする事業場が5万6,834(約62%)、ディーラーの事業場は1万6,176(約18%)です。一方、総整備売上高6兆6,592億円のうち、ディーラーが3兆493億円(45.8%)、専業が2兆5,488億円(38.3%)でした。ディーラーは事業場の2割弱で、整備売上の4割強を占めます。この調査は事業場の2割を対象にしたもの(有効回答率40%)で、売上は各事業場の2025年6月に最も近い決算期、つまり主に2024年度の実績です。

ディーラーの整備は、自社が売ったメーカーの車を中心に扱います。新車販売、保険、ローンと同じ窓口で顧客とつながっている点が、専業の工場との違いです。

関税・認証・電動化・再編が届く工程を読む

ここ数年の変化は、業界全体に一様に効くわけではありません。次の表は、変化ごとに、それがどの工程のどの成果物を変えるかを整理したものです。

4つの変化が届く工程と成果物

変化そのものより、自分の担当工程のどの書類や判断が変わるかを読む。

変化
届く工程
変わる成果物・判断
米国の関税2025年9月から、日本製の自動車・部品は通常の税率と合わせて15%(通常の税率が15%未満の品目)
販売、生産管理、調達
米国向けの価格、どの工場から出すか、部品の原産地の管理。影響の大きさは生産地・原産地・価格対応で会社ごとに違う
型式指定の制度改正2024年の不正公表を受け、2025年3月に改正
認証・試験、品質保証、生産
試験の記録、内部統制の報告、量産車の試験と結果報告
電動化乗用車は2035年までに新車を電動車100%(政府目標、HVを含む)
開発、設備投資、調達
どの駆動方式にいつ投資するか、電池・半導体の調達、電動化の技術者の配置
ソフトウェア定義車両(SDV)2030年に世界販売で日系シェア3割が目標
開発(完成車・部品)
販売後に更新できるソフトウェアの設計、ソフトウェア技術者の採用・育成
出典:米国連邦官報(2025年9月16日)、国土交通省 報道発表(2024年1月・6月、2025年3月)、経済産業省「グリーン成長戦略 自動車・蓄電池産業」、経済産業省 報道発表(2024年9月20日)。各社への影響の大きさは会社ごとに異なり、この図は勝ち負けや将来の業績を示しません。

米国は2025年9月16日以降に通関する日本製の自動車と部品について、通常の関税と追加関税の合計を15%としました(通常の税率が15%未満の品目)。影響額を開示した例では、トヨタは2026年3月期の営業利益に対し、関税の影響を約1.4兆円の減益要因として示しています。マツダは関税負担の大きいメキシコ製の車の生産を抑え、いすゞは160億円の減益要因を挙げました。こうした会社では、販売価格をどうするか、どの工場から米国へ出すか、部品の原産地をどう管理するかが、販売・生産管理・調達の仕事に関わります。

認証では、2024年に国土交通省が型式指定申請の不正を公表しました。ダイハツは46車種で不正があり、トラック3車種の型式指定の取消し手続きに進みました。2024年6月には、トヨタなど5社も不正を報告しています。2025年3月の制度改正で、申請者は内部統制の体制を報告し、型式指定の後も量産車の試験と結果報告を行うことになりました。試験の記録と品質保証の書類が、これまで以上に問われます。

電動化について、政府は乗用車の新車販売を2035年までに電動車100%にする目標を掲げています。ここでいう電動車にはハイブリッド車も含まれます。トヨタとレクサスの2026年3月期の小売のうち、電動車は48.1%でした。一方、ホンダは2026年3月期に四輪事業で1兆4,111億円の営業損失を計上し、全社でも営業損失となりました。どの技術にいつ投資するかの判断は、会社ごとに分かれています。

車の機能をソフトウェアで更新できるようにする「ソフトウェア定義車両(SDV)」も進んでいます。経済産業省と国土交通省は、2030年にSDVの世界販売で日系シェア3割を目標に掲げ、ソフトウェア人材の確保を喫緊の課題としています。部品メーカーでも、デンソーの新卒採用には「モビリティソフトエンジニア」の区分があり、ソフトウェアの技術者を職種として募集しています。

求人票では会社の位置・担当工程・成果物を確認する

同じ「自動車業界の営業職」でも、完成車メーカー、部品メーカー、販売会社では、相手もお金の受け取り方も違います。次の表は、会社の位置ごとに、仕事の相手と成果物を整理したものです。

会社の位置主な相手職種の例成果物の例
完成車メーカー販売会社、部品メーカー、認証の当局事務職、技術職、技能職(トヨタの2022年度入社の区分)車両の仕様、試験の記録、生産計画、販売計画
部品メーカー完成車メーカー、他の部品メーカーソフトウェア、電動化、半導体、生産技術、技術系の営業(デンソーの新卒区分)部品の仕様書、見積、試作品、量産の品質記録
販売会社購入者、メーカー、金融会社新車・中古車の営業、整備、保険・ローンの手続き見積、契約、納車の手配、整備の記録
整備事業者車の使用者、販売会社整備士、受付点検・整備の記録、見積

求人票では、次の4点を確かめます。

  • 会社の位置:完成車、部品、販売、整備のどれか。親会社や主要株主はどこか
  • 主な相手:どのメーカー、どの地域の顧客と取引するか。複数のメーカーと取引するか
  • 担当工程:開発、調達、生産、品質、販売、整備のどこを担うか
  • 変化との関係:関税、認証、電動化、ソフトウェアのうち、担当業務に関わるものはどれか

この4点を求人票で埋めておくと、面接で仕事内容を具体的に質問しやすくなります。

部品メーカーの取引、品目と電動化による変化は、自動車部品の業界地図で確かめられます。

購入後の車を支える整備工場の収入、車検と整備士の仕事は、自動車整備の業界地図で確かめられます。