保育所・認定こども園・小規模保育・企業主導型保育・認可外保育施設・学童保育を、誰が認可し、国・自治体・保護者・事業主のお金がどの経路で施設に届くかで整理します。公立・社会福祉法人・株式会社の施設数、会社の例、こども誰でも通園制度と障害児の通所支援、待機児童と定員の空きの変化、配置基準と処遇改善の仕組みまで、保育士・学童指導員・調理・看護・施設長・本部の求人を見比べるときの確認点が分かる内容です。

保育・子育て支援の求人には、保育所や認定こども園の保育士、保育補助、園長(施設長)、給食をつくる調理職、子どもの健康を見る看護職、小学生の放課後を預かる学童保育の指導員があります。保育所を何か所も運営する会社には、新しい園の開設や運営の管理をする本部の仕事もあります。

同じ「保育園」でも、国の基準を満たして認可された施設か、認可を受けずに届け出た施設かで、収入の入り方や職員の配置の決まりが違います。運営するのが市区町村か、社会福祉法人か、株式会社かでも働き方は変わります。この記事では、施設の種類と認可、お金の流れ、運営主体、学童保育と地域の子育て支援、需要の変化、仕事と人手を順に見ます。

幼稚園の経営(学校法人や私学助成)は「学校の業界地図|学校法人と公立学校は、誰が設置し、誰のお金で、誰が働いているのか」で扱います。障害福祉のサービス全体と介護施設は「介護・福祉の業界地図|介護保険と障害福祉のサービスは、誰が払い、どの事業者がどう担うのか」で扱います。保育士の派遣は「人材派遣の業界地図|派遣会社は、誰を雇い、どこで働かせ、何で稼ぐのか」、職業紹介は「人材紹介・求人サービスの業界地図|求職者と企業を、誰が、どの対価でつなぐのか」で扱います。保育所の給食を受託する会社は「給食の業界地図|給食会社は、社員食堂・病院・介護施設・学校との契約で、どう採算を取るのか」で扱います。

児童福祉施設には、保育所のほかに乳児院や児童養護施設などもありますが、この記事は子どもが通って利用する保育と子育て支援を扱います。習い事や幼児教室そのものの市場(民間の有料サービス)は、この記事では扱いません。学習塾は「学習塾の業界地図|塾・予備校・映像授業は、誰にお金をもらい、教室と講師をどう回すのか」で扱います。家事代行の仕事や、個別の園の推薦・入園の助言も扱いません。

保育の施設は、認可・認定・確認・届出で種類が分かれる

保育の施設は、どの法律で、誰の許可や届出を受けて始めるかで種類が分かれます。まず押さえたいのは、市町村の役割です。児童福祉法は、市町村は保育を必要とする子どもを保育所で保育しなければならないと定めています(第24条第1項、義務)。保育所が足りないおそれがあるときなどは、市町村が利用の調整を行うものとされています(同条第3項)。

保育所は、保育を必要とする乳児・幼児を毎日通わせて保育する施設で、利用定員は20人以上です(第39条)。国・都道府県・市町村以外の者は、都道府県知事(指定都市・中核市は市長)の認可を受けて保育所を設置できます(第35条第4項)。設置する者の法人格は限られておらず、株式会社も申請できます。ただし、社会福祉法人と学校法人以外の申請者には、経済的な基礎や経営者の社会的な信望、幹部職員の社会福祉事業の知識や経験の審査が加わります(第35条第5項)。知事は基準を満たせば認可するものとされ、地域の必要な定員の総数にすでに達している場合などは、認可しないことができます(第35条第8項)。

定員がもっと小さい保育は「地域型保育」と呼ばれます。市町村は自ら行うことができ、市町村以外が行うときは市町村長の認可を受けます(第34条の15)。定員5人以下の家庭的保育、6〜19人の小規模保育、子どもの家で保育する居宅訪問型保育、会社や病院などが従業員の子どもなどを預かる事業所内保育の4つです。原則は0〜2歳が対象ですが、2026年4月からは3〜5歳だけを預かる小規模保育(満3歳以上限定小規模保育事業)も始められるようになりました。

認定こども園は、教育と保育を一体で行う施設で、認定こども園法で4つの型に分かれます。幼保連携型は学校であり児童福祉施設でもあり、設置できるのは国・地方公共団体・学校法人・社会福祉法人だけです(第12条)。株式会社は設置できません。国・地方公共団体以外が設置するときは、都道府県知事(指定都市・中核市は市長)の認可を受けます(第17条)。市町村が設置するときは知事への届出です(第16条)。幼稚園型・保育所型・地方裁量型は、もとの幼稚園や保育所などの設置者が、知事などの認定を受けます(第3条)。こちらの条文には設置者の限定がないので、株式会社が設置した保育所が保育所型の認定を受けることもありえます。「株式会社は保育所を運営できない」「こども園はどの法人でもつくれる」のどちらも、言い切ると誤りになります。

認可とは別に、「確認」という手続きもあります。子ども・子育て支援法の給付の対象になるには、利用定員を定めて市町村長の確認を受けます(第31条・第43条)。認可が施設をつくって運営する許可、確認がお金を受け取る対象になる手続きです。確認を受けた施設は、正当な理由なく利用の申込みを断ってはなりません(第33条)。ただし私立の保育所は市町村が利用を調整するため、この規定は適用されません。

保育の施設の種類と、始める手続き・お金の入り方・設置できる者

認可・認定・確認・届出のどれで始めるかで、お金の入り方が変わる。数は調査ごとに日付と定義が違うので、足さない。

出典:児童福祉法、子ども・子育て支援法、認定こども園法(第3条・第12条・第16条・第17条)、こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和8年4月1日)」「保育政策関係資料集 令和8年4月」「令和7年 放課後児童健全育成事業の実施状況」、厚生労働省「令和6年社会福祉施設等調査」。

認可を受けない施設もあります。企業主導型保育は、会社が従業員のためなどにつくる認可外の保育施設に、国が助成する仕組みです(子ども・子育て支援法第59条の2)。認可外保育施設は、事業を始めてから1か月以内に知事に届け出なければなりません(児童福祉法第59条の2、義務)。少数の乳幼児だけを預かる施設など、内閣府令で定めるものは除かれます。

数の物差しは施設の種類ごとに違います。こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ」では、2026年4月1日の保育所等は40,046か所で、保育所(保育所型認定こども園を含む)22,967、幼保連携型認定こども園7,737、幼稚園型・地方裁量型の認定こども園1,861、地域型保育7,481です。2026年の熊本地震の影響で熊本県のデータが確定していないため、この取りまとめの値はすべて暫定値です。企業主導型保育はこの「保育所等」に含まれません。保育政策関係資料集によると、企業主導型保育は令和6年度に4,361施設・103,763人分の助成が決まり(2025年3月31日時点)、認可外保育施設の届出は令和5年度に19,971か所でした。届出のうち6,949はベビーシッター、8,333は事業所内保育施設です。認可外保育施設に通う子どもは21万8,752人で、病院の中の保育施設に通う3万5,667人も含みます。こども家庭庁などは、ベビーシッターや家事支援サービスを含む認可外保育施設の利用費について、所得税の措置を令和9年度の税制改正要望として出しています(2026年8月。要望の段階で、決まった制度ではありません)。

お金の流れ:公定価格を、私立保育所には委託費、こども園などには給付で払う

認可された保育の収入の基準は、「公定価格」です。子どもの年齢の区分、保育の必要な時間、地域などを考えて国が定める基準で計算した費用の額のことです(子ども・子育て支援法第27条第3項)。市町村が施設に払う給付の額は、この公定価格から保護者の保育料を引いた額です。保育料は、政令で定める額を限度に、世帯の所得などを考えて市町村が決めます。

医療・介護・保育に公費が届く仕組みを見渡すには、医薬品・医療・介護の業界地図で確かめられます。

払い方は、施設の種類で2つに分かれます。認定こども園と地域型保育には、市町村が施設型給付・地域型保育給付を、保護者に代わって施設に直接払う仕組みです(第27条第5項・第29条第5項、法定代理受領)。保護者は施設と契約し、保育料は施設が受け取ります。

私立の保育所は違います。市町村には保育の実施の義務があるため、当分の間、私立の保育所には施設型給付ではなく、市町村が公定価格に当たる額を「委託費」として払います(附則第6条)。利用の契約は市町村と保護者の間で結ばれ、保育料も市町村が集めます。施設型給付の仕組みには、私立保育所についてこの特例があるということです。なお、施設型給付は、市町村長の確認を受けた幼稚園にも払われます(第27条第1項・第31条第1項第2号)。

私立保育所には委託費、こども園と地域型保育には給付が届く

負担する人から市町村を通って施設に届くまで。私立保育所と、認定こども園・地域型保育では、契約の相手と保育料を集める人が違う。下の帯は私立保育所の運営費のうち0〜2歳児の分の負担割合(令和7年度予算)。

ほかの経路:公立保育所は市町村の一般財源(国・都道府県の負担なし)。企業主導型保育は、国が公募で決めた実施団体から助成され、財源は全額事業主拠出金。無償化の費用は国1/2・都道府県1/4・市町村1/4で、公立の施設は市町村が全額。

出典:子ども・子育て支援法(第27条・第29条・第65条〜第69条・附則第6条)、同法施行令(第24条の2)、児童福祉法第24条、こども家庭庁「保育政策関係資料集 令和8年4月」(私立保育所の費用負担の考え方、企業主導型保育事業、幼児教育・保育の無償化)。

私立保育所の運営費を誰が負担するかは、法律で決まっています。資料集によると、財源はおおむね保育料が2、公費が8です。0〜2歳児の分には、会社などが納める事業主拠出金を、費用の11/50を超えない範囲であてます(第66条の3。2025年4月からで、それまでは1/5)。拠出金は、厚生年金の適用事業主などに納付の義務があり(第69条)、児童手当や延長保育、学童保育、病児保育、企業主導型保育の費用にもあてられます。残りは国が1/2、都道府県と市町村が1/4ずつ負担します。0〜2歳児の分(保育料を除いた部分)の令和7年度予算での負担割合は、事業主拠出金20.86%、国39.57%、都道府県19.785%、市町村19.785%です(20.86%は子ども・子育て支援法施行令で定める拠出金の割合)。3〜5歳児の分には拠出金をあてず、国1/2・都道府県1/4・市町村1/4です。

公立の保育所の運営費は、2004年度から市町村の一般財源で賄われ、国と都道府県の負担はありません。企業主導型保育は、国が公募で決めた民間の団体を通じて助成され、その財源は全額が事業主拠出金です。令和8年度の予算は2,411億円です。

保護者の負担は、2019年10月からの無償化で変わりました。3〜5歳は、幼稚園・保育所・認定こども園・地域型保育・企業主導型保育の利用料が無償で、0〜2歳は住民税が非課税の世帯が対象です。認可外保育施設は、保育の必要性の認定を受けた3〜5歳で月3.7万円まで、0〜2歳の非課税世帯で月4.2万円までです。認可外の施設が対象になるには、届出をして国の基準を満たす必要があります(基準を満たさない施設の経過措置は2030年3月末まで)。幼稚園の預かり保育も月1.13万円まで対象になります。費用は国1/2・都道府県1/4・市町村1/4で、公立の施設は市町村が全額を負担します。給食の食材料費などは対象外です。

お金を受け取る側には、報告の義務もあります。確認を受けた施設と地域型保育の事業者は、事業年度が終わってから5か月以内に、施設ごとの収益や費用などの経営情報を知事に報告しなければなりません(第58条第2項、義務)。知事が分析の結果を公表するのは努力義務です(第4項)。2026年7月からは、報告期限から3か月以上たっても報告していない施設は、公定価格の基本分単価が5%減らされます(令和8年度 公定価格・基準等の見直し事項)。

誰が運営しているか:社会福祉法人・市区町村・会社

運営主体の内訳は、厚生労働省の社会福祉施設等調査で分かります。2024年10月1日の保育所21,755のうち、市区町村などが経営する公営が6,049、社会福祉法人が11,162、営利法人(会社)が3,443、その他の法人が955でした。この「公営」は経営主体の分類で、市区町村が建てた施設を民間に運営させる公設民営は、運営する法人の側(私営)に入ります。会社の3,443にも、公設民営の保育所が含まれえます。この調査は10月1日の数で、前の章の取りまとめ(4月1日)とは数え方も日付も違うため、並べて足したり引いたりはしません。

地域型保育の事業所7,448では、会社が3,508で、社会福祉法人の1,293より多くなります。そのうち小規模保育A型の5,281では、会社が2,852です。定員の大きい保育所は社会福祉法人、小さな地域型保育は会社が多い、という違いが見えます。

保育所は社会福祉法人、地域型保育は会社、学童は公立民営が多い

保育所と地域型保育は経営主体別(2024年10月1日)、学童保育は設置と運営の組み合わせ別(2025年5月1日)の数。3本は調査も分類も違うので、並べて足さない。帯の長さは、それぞれの合計に対する数の大きさ。

保育所・地域型保育の「公営」は経営主体の分類で、市区町村が建てて民間に運営させる公設民営は、会社・社会福祉法人などの側に入る。地域型保育の「医療法人・公益法人・その他」は、合計から4つの区分を引いて本記事で計算した数。保育所の数は10月1日の調査の値で、取りまとめ(4月1日)の22,967とは定義と日付が違う。

出典:厚生労働省「令和6年社会福祉施設等調査」第5表(保育所等数・地域型保育事業所数,経営主体別)、こども家庭庁「令和7年 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況」。

社会福祉法人は、社会福祉事業を行うために設立された法人です(社会福祉法第22条)。届け出た計算書類などを公表する義務があります(第59条の2)。保育所の認可審査では、社会福祉法人・学校法人には児童福祉法第35条第5項の経済的基礎・社会的信望・幹部職員要件は適用されませんが、欠格事由に加え、施設の設備・運営基準などの認可要件が審査されます。同じ社会福祉法人が保育所と介護施設の両方を運営する例もあり、介護の側は「介護・福祉の業界地図」で扱います。

株式会社の例として、上場している3社の開示を見ます。決算の期も、事業の分け方も違うため、会社どうしの数字は比べません(3社とも日本基準)。

JPホールディングスは、2026年3月期(2025年4月〜2026年3月)の連結売上高が433億25百万円、営業利益が65億33百万円です。「子育て支援事業」を主要な事業としていて、事業の区分ごとの数字は開示していません。2026年3月末の運営施設は345で、保育園203、こども園6、学童クラブ118、児童館16、交流館2です(2026年4月1日には357施設)。会社は、売上が増えた要因として、処遇改善・単価変更による12億66百万円と、新規施設の受託による6億49百万円を挙げています。グループには、保育園向けの給食を請け負う会社、保育園での英語・体操などの教室の請負や保育所等訪問支援事業を行う会社、人材紹介・派遣の会社があります。会社は、学童クラブと児童館を200施設に増やす方針を示しています。

グローバルキッズCOMPANYは、2025年9月期(2024年10月〜2025年9月)の連結売上高が269億97百万円、営業利益が8億58百万円で、子育て支援事業の単一セグメントです。期末の209施設のうち認可保育所が168で、東京都136、神奈川県30、千葉県2でした。主要な顧客として横浜市への売上41億21百万円を開示しています。同じ短信は、2025年7月に保育所24・学童14など46施設を運営するアソシエ・アカデミーを完全子会社にしたこと(この期の損益には含まれません)と、千葉県内の認可保育所2施設と横浜市の小規模保育1施設を、社会福祉法人すくすくどろんこの会へ2026年4月1日付で譲渡する予定を書いていました(2025年11月時点の説明)。会社は、中長期で収支が見込める首都圏の保育所に経営資源を集める判断だと説明しています。

ライクは、人材サービス・介護と並ぶ報告セグメントとして子育て支援サービス事業を持ち、子会社のライクキッズが担っています。この事業は、認可保育園や学童クラブなどを運営する「公的保育サービス」と、病院・企業・大学などが設置する保育施設の運営を受託する「受託保育サービス」でできています。2026年5月期(2025年6月〜2026年5月)の外部顧客への売上高は358億14百万円、セグメント利益(営業利益ベースで、全社費用を引く前)は19億17百万円でした。会社は、増収の理由に公定価格の上昇と認可保育園の充足の状況、前の期の分の補助金をこの期に計上したこと(会社の呼び方は「期ズレ補助金」)を、減益の理由に処遇改善と採用強化による人件費の増加、食材費、DX投資を挙げています。

学童保育と、地域の子育て支援・障害児の通所支援

学童保育(放課後児童クラブ)は、保護者が働いているなどで昼間家にいない小学生に、放課後の遊びと生活の場を用意する事業です(児童福祉法第6条の3第2項)。市町村は自ら行うことができ、市町村以外の者は、あらかじめ市町村長に届け出れば行えます(第34条の8)。保育所と違い、認可ではなく届出の仕組みです。

こども家庭庁の調査では、2025年5月1日のクラブは25,928か所、登録している子どもは157万645人でした。設置と運営の組み合わせで見ると、市区町村が設置して自ら運営する公立公営が5,800、市区町村が設置して民間が運営する公立民営が13,543、民間が設置して運営する民立民営が6,585です。公立民営の運営主体では、株式会社が4,299で、前の年の3,554から745増えました。社会福祉法人は3,126、運営委員会・保護者会は2,362、NPO法人は1,681です。民立民営では、社会福祉法人2,086、NPO法人1,208、保護者会1,157、株式会社664でした。会社が自ら設置して運営する学童は、この民立民営の株式会社に入ります。クラブの約51%は小学校の中(余裕教室か敷地内の専用施設)にあります。

学童保育は、市町村が行う「地域子ども・子育て支援事業」の1つです(子ども・子育て支援法第59条)。同じ事業には、延長保育、一時預かり、病児保育、地域子育て支援拠点、子育て援助活動支援(ファミリー・サポート・センター)、利用者支援、乳児家庭全戸訪問、産後ケアなどが並びます。JPホールディングスのように、学童クラブや児童館の運営を自治体から受託する会社もあります。

こども誰でも通園制度は、2025年度に地域子ども・子育て支援事業に位置づけられ、2026年度からは子ども・子育て支援法に基づく給付として全自治体で実施されることになりました。保育所などに通っていない0歳6か月〜2歳の子どもを、親が働いているかどうかを問わず受け入れる制度で、資料集では月10時間までとされています。法律では、給付の額は1時間当たりの基準額に利用時間を掛けた額で、上限は内閣府令で定める時間です(第30条の12以下)。市町村以外の者がこの事業(乳児等通園支援事業)を行うには市町村長の認可を受け(児童福祉法第34条の15)、給付の対象になるための市町村長の確認を受けることができます(子ども・子育て支援法第54条の2)。

障害のある子どもが通う支援も、保育の現場とつながっています。児童福祉法の障害児通所支援には、児童発達支援、放課後等デイサービス、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問支援があります(第6条の2の2)。事業者は事業所ごとに都道府県知事(指定都市・中核市などは市長)の指定を受け、市町村が、費用の額から家計に応じた負担(上限は1割)を引いた障害児通所給付費を支給します(第21条の5の3・第21条の5の15)。社会福祉施設等調査の概況によると、2024年10月1日の事業所は、児童発達支援14,855(前年比10.8%増)、放課後等デイサービス22,643(7.2%増)、保育所等訪問支援3,257(20.6%増)でした(複数の事業を行う事業所はそれぞれに数えます)。

障害福祉のサービス全体と介護施設の仕組みは、介護・福祉の業界地図で確かめられます。

障害福祉全体の費用と報酬は「介護・福祉の業界地図」で扱います。

保育所の側でも、障害のある子どもや医療的ケアが必要な子どもの受け入れを支える見直しが入りました。2026年4月からは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの専門職を、条件付きで1人に限り、保育士の数に入れられます(児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第33条第3項)。

需要の変化:待機児童は少し増え、定員の空きは地方で大きい

保育を使う子どもは減り始めています。取りまとめ(2026年4月1日、暫定値)では、保育所等の利用定員は301万6,417人で前の年より1万2,865人減り、利用している子どもは264万6,756人で3万1,661人減りました。申し込んだ人は272万9,681人です。2025年4月の保育所等の利用率は55.7%、25〜44歳の女性の就業率は83.6%、共働きの世帯の割合は79.7%でした。

待機児童は2,435人で、前の年の2,254人から181人増え、増加に転じました。一方で、ピークの2017年の2万6,081人の10分の1以下です。待機児童の96.0%が3歳未満で、1・2歳児が2,117人を占めます。75.5%は首都圏・近畿圏の7都府県と指定都市・中核市の「都市部」にいて、東京都は1,113人(前の年は339人)でした。全国1,741市区町村の89.1%は待機児童が0人です。解消できなかった理由として、自治体は、申込者が想定以上に増えたことや利用定員の不足、保育人材の確保が難しいこと、需要の地域の偏りを挙げています。入園できたら復職すると確認できない育児休業中の人や、ほかに通える園があるのに特定の園だけを希望する人などは、待機児童に数えません(2026年4月は計61,448人)。

待機児童はピークの10分の1以下、定員の空きは過疎地域で広がる

保育所等の待機児童と定員充足率(各年4月1日)、利用の規模、学童保育の登録児童(各年5月1日)。2026年の保育所等の値は、熊本県のデータ未確定による暫定値。学童は別の調査。

出典:こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和8年4月1日)」(暫定値)、同「令和7年 放課後児童健全育成事業の実施状況」(確報)、同「令和8年度 放課後児童クラブの実施状況(速報値)」。棒の長さは本記事で計算。

定員に対して実際に使われている割合(定員充足率)は、全国で87.7%です。2022年の89.7%から毎年下がっています。ただし地域の差が大きく、都市部は90.9%、過疎地域は72.7%(2021年は81.3%)です。「保育所が余っている」とひとまとめにはできず、待機児童は都市部と1・2歳児に集まり、人口の少ない地域では定員の空きが広がっている、という2つの動きが同時に起きています。市区町村の計画を集計すると、2025年4月から2029年4月までの5年間で、申し込む人は約9.5万人減り、利用定員は約3千人分増える見込みです。

制度も人口の減少に合わせて変わっています。2025年度には公定価格の定員の区分が細かくされ、2026年度には、過疎地の小さな保育所(利用定員20人で利用が15人以下)の体制を支える加算と、1章で見た3〜5歳だけの小規模保育ができました。

学童保育は逆に、使う子どもが増えています。2026年5月1日の速報値では、登録している子どもは160万2,037人で、前の年より3万1,392人増えました。クラブに申し込んで登録できなかった子どもは1万4,713人で、前の年の1万6,330人から減りました。東京都2,550人、埼玉県1,370人、兵庫県1,341人が多い地域です。この待機児童は、保育所の待機児童とは別の調査の数です。

仕事と人手:配置基準・保育士・処遇改善

保育所の職員の数は、2つの決まりで決まります。1つは、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(国の省令)が定める最低基準です。都道府県は、職員の数についてはこの基準に従って条例を定め(児童福祉法第45条)、施設はそれを守らなければなりません(同条第5項、義務)。もう1つは、公定価格の加算です。最低基準より多く職員を置いた施設に、上乗せの費用が払われます。

子どもの年齢最低基準(保育士1人が受け持つ子ども)経過措置公定価格の加算
0歳おおむね3人なし—
1歳おおむね6人なし保育士1人に子ども5人にすると加算(1歳児配置改善加算)
2歳おおむね6人なし—
3歳おおむね15人2028年3月31日までは20人も可—
4歳以上おおむね25人当分の間は30人も可—

経過措置は、保育士の配置の状況から保育の提供に支障が出るおそれがあるときに使えるものです。保育所には、保育士・嘱託医・調理員を置かなければなりません(第33条第1項)。保育士は1か所に2人を下回れません。調理の業務を全部委託する施設は、調理員を置かないことができます。保育所の給食を受託する会社の仕事は「給食の業界地図」で扱います。3歳児を15人に1人以上で配置している保育所は、2025年7月に97.1%でした(幼稚園・認定こども園を含む全体では97.2%)。

保育士は、都道府県の保育士登録簿に登録した人です(児童福祉法第18条の18)。保育士でない人が保育士と名乗ることは禁じられていますが(第18条の23、名称独占)、保育の仕事そのものを保育士だけに限る規定ではありません。ただし、保育所の配置基準は保育士の数で数えるため、保育士の資格は求人の条件の中心になります。保育士の資格は、指定保育士養成施設の卒業か保育士試験の合格などで得られます(第18条の6)。

資料集によると、2024年10月1日の登録者は約190.5万人で、社会福祉施設などで働く人は約67.5万人、働いていない人は約123万人です。働く人の数は常勤に換算していない人数で、児童養護施設などで働く保育士も含みます。保育士の有効求人倍率は2025年10月に3.10倍で、全職種の1.20倍を大きく上回ります。倍率は月によって変わり、2024年4月は2.42倍(全職種1.18倍)でした。JPホールディングスやライクのように、グループに人材紹介・派遣の会社を持つ例もあり、その仕組みは「人材派遣の業界地図」で扱います。国の資料は、保育士の平均賃金が全産業の平均を下回ると書いています。

保育士を雇う派遣会社と勤務先の関係は、人材派遣の業界地図で確かめられます。

処遇改善は、公定価格を通して行われます。2024年の人事院勧告に合わせて、公定価格の人件費が10.7%改定されました(2024年度の補正予算で措置し、2025年度の公定価格にも反映)。さらに2025年の人事院勧告に合わせた5.3%の改定が、2025年度の補正予算で措置され、2026年度も続いています。どちらも公定価格上の人件費の改定率で、一人ひとりの給料が同じ率で上がったことを示す数字ではありません。どう配分するかは施設によります。2025年度には、処遇改善のための加算が1つにまとめられました。2026年度には、ICTの導入を支える保育ICT推進加算もできています。

求人の職種名は、会社によって違います。採用ページで確かめた例を並べます。

会社採用の区分職種の名前(採用ページの表記)
ライクキッズ新卒採用保育士(ミライクル保育士〔総合職保育士〕、一般保育士)、学童指導員
グローバルキッズ中途採用保育士、調理職、看護職、施設長・主任、学童指導員(いずれも正社員)

グローバルキッズの採用ページは、施設長(園長)と主任が、施設の運営や行政・保護者への対応を担うと説明しています。ライクの決算短信によると、2026年5月期の新卒の入社は250人で、保育士166人、学童指導員51人、栄養士33人でした。

学童保育では、放課後児童支援員が中心になります。2025年5月1日のクラブの職員は21万2,867人で、そのうち支援員が11万8,562人(認定資格研修を修了した人が11万2,599人)、補助員が8万8,178人です。支援員の主な資格は、保育士が22.7%、教員免許が21.1%、高校卒業などで2年以上児童福祉の仕事をした人が36.3%でした。保育士の資格がなくても、支援員になる道があります。

求人を見るときの確認点

保育・子育て支援の求人を比べるときは、次の点を確かめると、仕事の中身と、施設の収入がどの制度や契約に支えられているかを把握しやすくなります。

  • 施設の種類:認可保育所・認定こども園(どの型か)・小規模保育・企業主導型・認可外・学童保育のどれか。定員は何人か
  • 運営主体:市区町村・社会福祉法人・会社のどれか。公設民営で、自治体から運営を任された施設か
  • 収入の入り方:委託費・給付の公定価格で運営する施設か、企業主導型の助成や病院・企業からの受託か
  • 配置:最低基準どおりか、1歳児の配置改善などの加算を取って職員を厚くしているか。処遇改善の加算をどう配分しているか
  • 併設する事業:学童保育・一時預かり・こども誰でも通園制度・障害のある子どもの支援を一緒に行うか
  • 立地:待機児童が残る都市部か、定員の空きが広がる人口の少ない地域か