「医療」「介護」「製薬」と書かれた求人は、病院の医療事務や看護、介護施設の介護職から、保育所の運営、製薬会社や医療機器メーカー、医薬品卸の仕事まで幅があります。同じ「医療・福祉」でも、自分の会社が薬や機器をつくるのか、運ぶのか、患者や利用者に直接サービスを提供するのかで、仕事の相手も成果物も変わります。
このうち医療・介護・保育には共通点があります。お金の多くが保険料と税から出て、公定価格を通って流れることです。病院の収入は診療報酬、薬の値段は薬価、介護事業所の収入は介護報酬、保育所の収入は国が定める基準の額で決まります。この記事では、会社や事業者を4つの役割に分けて地図にし、お金の流れ、大きさを測る物差し、誰が経営できるか、制度の変化が届く仕事を順に比べます。
扱う範囲は、医療(病院・診療所・歯科診療所・薬局・訪問看護)、介護保険のサービス、保育所など、健診、医薬品・医療機器の製造と流通、創薬と臨床検査の受託です。病院や介護施設の給食の受託、医療・介護の民間保険、治療や健康効果についての助言は扱いません。障害福祉のサービスは「介護・福祉の業界地図」で扱います。
この記事は、次にどの地図を読むかを決めるための全体図です。
患者へ医療を提供する側は「医療提供の業界地図」、介護保険と障害福祉は「介護・福祉の業界地図」、薬と機器をつくる側は「医薬品の業界地図」「医療機器の業界地図」で確認できます。薬局とドラッグストアの仕事は「ドラッグストア・調剤薬局の業界地図」で確認できます。
つくる・支える・届ける・提供するで見ると、求人の会社がどこにいるか分かる
医薬品・医療・介護の会社や事業者は、役割で4つに分けられます。薬や機器を「つくる」、製薬会社や医療機関の仕事の一部を引き受けて「支える」、薬や機器を医療機関や患者に「届ける」、患者・利用者・子どもに直接サービスを「提供する」です。役割は上流・下流の格付けではなく、会社の大きさも表しません。1つのグループが複数の役割を持つこともあります。
医薬品・医療・介護は、つくる・支える・届ける・提供するの4つの役割に分けられる
- H.U.グループホールディングス:支える(検査・関連サービス事業)とつくる(臨床検査薬事業)
- SOMPOホールディングス:保険の事業と、提供する(介護事業)を同じグループで開示
- JPホールディングス:保育園のほか、学童クラブ・児童館も運営

支えるのは、製薬会社から臨床試験(治験)の運営や薬の製造を引き受ける会社(CRO・SMO・CDMOと呼ばれます)と、医療機関から血液などの検査を引き受ける会社です。H.U.グループホールディングスは、医療機関から検査を引き受ける検査・関連サービス事業と、臨床検査薬をつくる臨床検査薬事業を、別々の報告セグメントとして開示しています(2026年3月期決算短信)。1つのグループが「支える」と「つくる」の両方にいる例です。
届けるのは、医薬品卸と薬局です。卸はメーカーから薬を仕入れ、病院・診療所・薬局に納めます。薬局は、医師の処方箋にもとづいて薬を調剤し、その費用を保険に請求します。卸のメディパルホールディングスでは、医療用医薬品等卸売事業の2026年3月期の売上高が2兆4,661億円、営業利益が242億92百万円です(決算短信)。卸がどう利益を出すかは「医薬品卸の業界地図」、薬局どうしの違いは「ドラッグストア・調剤薬局の業界地図」で扱います。

提供するのは、病院・診療所・訪問看護などの医療、介護保険の介護サービス、保育所などの保育、健診の事業者です。この役割は、法律と収入の決まり方が分野ごとに違うため、図では医療・介護・保育・健診の4行に分けました。経営する主体も、医療法人、社会福祉法人、国・自治体の法人、株式会社などに分かれます。国立病院機構は、全国140の病院を1つの独立行政法人として運営しています(令和7年度事業報告書)。病院・診療所の中の仕事は「医療提供の業界地図」、介護サービスの種類と事業者は「介護・福祉の業界地図」で扱います。
お金は、保険料・税・自己負担から、公定価格を通って流れる
この分野のお金は、多くの場合、サービスを使う本人だけでなく、保険料を払う人と、税を使う国・自治体からも出ています。払われたお金は、保険者(保険を運営する団体)や自治体を通り、国が決めた基準の価格で、病院・薬局・介護事業所・保育所に支払われます。下の図は、払う人から事業者、さらにメーカーと卸までの流れを、分野ごとに並べたものです。箱の大きさは金額を表していません。
お金は、保険料・税・自己負担から、保険者や自治体と公定価格を通って事業者に届く
医療では、患者が窓口で一部負担金を払い、残りを保険者が医療機関や薬局に払います。健康保険法では、一部負担金は70歳になる月までは費用の3割、その後は2割(一定以上の報酬がある人は3割)です(健康保険法 第74条)。75歳以上の人と小学校に入る前の子どもの負担の割合は、この記事では確かめていません。医療機関が請求できる費用の額は、厚生労働大臣が定める基準で計算します(第76条第2項)。この基準が診療報酬です。保険者は請求を審査して払い、審査と支払の事務は、条文の名前で「医療情報基盤・診療報酬審査支払機構」と国民健康保険団体連合会(国保連)に任せることができます(第76条第5項)。

医療に使われたお金の大きさは、国民医療費で分かります。厚生労働省の令和6年度国民医療費の概況によると、2024年度の国民医療費は48兆8,100億円です。財源で分けると、保険料が24兆5,671億円(50.3%)、国と地方の公費が18兆2,678億円(37.4%)、患者負担などのその他が5兆9,752億円(12.2%)で、そのうち患者負担は5兆7,411億円(11.8%)です。保険料の内訳は、事業主が21.9%、被保険者(保険に入っている本人)が28.5%です。公表値はそれぞれ四捨五入しているため、内訳を足した50.4%は保険料の50.3%と一致しません。
同じ国民医療費を行き先の種類で分けると、病院・診療所の入院が37.6%、入院以外(外来など)が33.9%、歯科が7.0%、薬局調剤が17.6%、訪問看護が1.4%です。薬局調剤の17.6%は、薬局が受け取る調剤の技術料なども含む薬局の医療費で、薬の代金だけの割合ではありません。国民医療費には、薬の代金(薬剤費)だけを取り出した内訳は出ていません。
薬と医療機器のお金は、医療機関と薬局を経由してメーカーと卸に届きます。医療機関や薬局は、使った薬の代金を、国が決めた価格(薬価)で保険に請求します。医療材料の一部にも、国が決めた価格(材料価格)があります。薬そのものは卸から仕入れ、卸はメーカーから仕入れます。つまり、薬価の改定は、薬局や病院の収入を通して、卸とメーカーの売上に届きます。武田薬品工業やテルモのように売上の多くを海外で得る会社では、国内の薬価や材料価格がかかわるのは日本の売上の部分です。

介護では、保険者は市町村です。厚生労働省の介護保険制度の概要によると、令和7年度予算の介護給付費13.2兆円の財源は、保険料が50%、公費が50%です。保険料の50%のうち、40〜64歳の第2号被保険者が負担する割合は、2024〜2026年度は27%と政令で決まっています(介護保険の国庫負担金の算定等に関する政令第5条)。残りの23%が65歳以上の第1号被保険者の保険料で、厚生労働省の「介護保険制度の概要」も令和7年度予算の財源をこの割合で示しています。第2号の割合は、全国の第1号と第2号の人数の見込みをもとに、3年ごとに政令で決め直されます(介護保険法第125条第2項)。調整交付金の割合は市町村ごとに違うため、市町村ごとの第1号の割合は23%と同じとは限りません。公費の内訳は、国が25%(定率分20%と調整交付金5%)、都道府県と市町村がそれぞれ12.5%で、施設などの給付では国の定率分が15%、都道府県が17.5%です(介護保険法 第121条〜第124条)。利用者は原則1割(所得によって2割・3割)を事業者に払い、残りの介護報酬は、市町村から委託を受けた国保連が審査して支払います(第176条)。

保育では、市町村が、確認を受けた保育所や認定こども園などの教育・保育について、施設型給付費を支給します。その額は、子どもの区分や地域などを考えて国が定める基準で計算した費用の額(いわゆる公定価格)から、市町村が決める保護者の負担額を差し引いた額です(子ども・子育て支援法 第27条)。
健診のうち、会社が働く人に受けさせる健康診断は、会社(事業者)に実施の義務があります(労働安全衛生法 第66条)。健診の費用は、国民医療費には含まれません。
大きさは、物差しによって違う数字になる
医薬品・医療・介護の大きさを示す数字は、何を数えるかで変わります。医療機関で使われた費用、介護サービスの費用、工場から出荷された薬や機器の金額、施設の数、働く人の数は、範囲も年も数え方も違います。足し合わせて「医療・介護の市場は○兆円」とすることも、大小を比べることもできません。
同じ「医療・介護」の大きさが、物差しによって違う数字になる
医療では、2024年度の国民医療費48兆8,100億円が、医療機関などで保険の診療などに使われた費用の大きさです。保険がきかない診療や健診は入りません。介護保険が始まった2000年4月に介護保険へ移った費用も、国民医療費には含まれません。
介護では、同じ年度の数字が2つあります。厚生労働省の令和7年度介護給付費等実態統計では、2025年5月から2026年4月に審査された介護サービスの費用額は12兆2,208億円で、前の年度より2.4%増えました。この費用額は、保険給付と公費に、利用者の負担を加えた実績の額です。市区町村が利用者に直接払う福祉用具の購入費や住宅改修費は入っていません。一方、前の章の13.2兆円は、令和7年度の予算の介護給付費です。実績と予算、利用者負担を含むかどうかが違うため、同じ物差しの数字として並べません。
医薬品と医療機器では、厚生労働省の令和6年薬事工業生産動態統計年報が、2024年の暦年の金額を示しています。医薬品の国内生産金額は10兆2,485億円、国内出荷金額は12兆8,160億円です。医療機器は、年報の本文で、国内生産金額が2兆6,642億円、輸入金額が3兆4,542億円、輸出金額が1兆1,445億円です。公表のページには、医療機器の輸入金額と国内出荷金額について、年報の本文と違う値が載っています。この記事と「医療機器の業界地図」は、年報の本文の値を使います。これは工場から出荷された金額の物差しで、医療機関で使われた費用(国民医療費)とは別のものです。厚生労働省は、この統計の輸出入の数字は、最終の製造工程がどこかで区分するため、貿易の実態の把握には適さないと注記しています。
保育では、こども家庭庁の保育所等関連状況取りまとめによると、2026年4月1日の保育所等は40,046か所、利用している子どもは264万6,756人です。保育所等には、保育所のほか、認定こども園、小規模保育、事業所内保育などが入ります。2026年の熊本地震の影響で熊本県のデータが確定していないため、どちらも暫定値です。
働く人の数では、総務省の労働力調査で、2025年平均の「医療,福祉」の就業者は947万人です。前の年より25万人増え、就業者が最も増えた産業でした。この大分類の内訳は、総務省のサービス産業動態統計調査の事業従事者数(2026年8月、速報)で見ることができます。医療業が432.7万人、社会保険・社会福祉・介護事業が450.8万人、保健衛生が13.4万人です。社会保険・社会福祉・介護事業には、保育などの児童福祉と障害者福祉も含まれるため、介護で働く人だけの数ではありません。介護保険のサービスで働く介護職員は、2024年10月1日時点で212.6万人です(厚生労働省 介護職員数の推移)。調査と定義がそれぞれ違うため、数字どうしを引き算したり足したりはしません。
求人や会社案内で「市場規模○兆円」という数字を見たら、医療機関で使われた費用か、工場から出荷された金額か、予算か実績か、利用者の負担を含むか、いつの数字かを確かめます。
誰が経営できるかは、事業の種類で違う
この分野では、事業を始めるための手続きと、経営できる主体が、事業の種類ごとに法律で決まっています。株式会社が経営できる事業もあれば、法律が開設者や設置する者を限っている事業もあります。下の図は、主な事業ごとに、始めるための手続きと、経営の主体についての決まり、実際に多い主体を並べたものです。
事業を始める手続きと、経営できる主体は、事業の種類で違う
病院を開設するには、都道府県知事などの許可が要ります(医療法 第7条第1項)。営利を目的として病院や診療所を開設しようとする人には、知事などは許可を与えないことが「できる」と定められています(第7条第7項)。一律に禁じる条文ではなく、許可を与えないことができるという規定です。この規定は許可が要る場合のもので、診療所で許可が要るのは、医師・歯科医師でない人が開設する場合です。病院を開設する主体で最も多いのは医療法人で、医療法人は剰余金を配当できません(第54条)。厚生労働省の令和7年医療施設調査では、2025年10月1日の病院8,001のうち、医療法人が5,585(69.8%)、日本赤十字社や自治体などの公的医療機関が1,175(14.7%)、国立病院機構などの国が317(4.0%)です。
診療所は、臨床研修などを修了した医師・歯科医師が開設する場合、許可ではなく、開設した後10日以内の届出で始められます(第8条)。2025年10月1日の一般診療所10万5,521のうち、医療法人が45.8%、個人が36.3%です。
介護は、サービスの種類で決まりが大きく違います。訪問介護などの居宅サービスは、事業所ごとに都道府県知事の指定を受けて始めます(介護保険法第70条)。申請する者の条件は都道府県の条例で定めます。厚生労働省の令和6年介護サービス施設・事業所調査では、2024年10月1日の訪問介護の事業所の73.2%を、営利法人(会社)が経営しています。SOMPOホールディングスは、損害保険・生命保険と並ぶ報告セグメントの1つに「介護事業」を置いています(2027年3月期第1四半期決算短信)。
一方、介護老人保健施設と介護医療院は都道府県知事の許可制で、開設者が地方公共団体・医療法人・社会福祉法人などでなければ、許可を与えることができません(介護保険法第94条・第107条)。特別養護老人ホームを設置できるのは、都道府県、届出をした市町村・地方独立行政法人、知事の認可を受けた社会福祉法人で(老人福祉法 第15条)、株式会社はこの条文の設置する者に含まれません。同じ調査では、特別養護老人ホームの95.7%を社会福祉法人が開設しています。「介護は株式会社でもできる」と一括りにはできません。
保育所は、国・都道府県・市町村以外が設置する場合、都道府県知事の認可が要ります(児童福祉法 第35条第4項)。株式会社も申請でき、社会福祉法人と学校法人以外の申請者には、経済的な基礎や経営する人の社会的な信望などの審査が加わります(第35条第5項)。JPホールディングスは、保育園・学童クラブ・児童館などの子育て支援施設を全国で357施設運営しています(2026年4月1日、2026年3月期決算資料)。
医薬品・医療機器のメーカーは、製造販売業の許可を厚生労働大臣から受けます(薬機法 第12条・第23条の2)。薬局は都道府県知事などの開設許可(第4条)、医薬品卸は営業所ごとに都道府県知事の卸売販売業の許可を受けます(第34条)。これらの事業の経営主体の内訳は、この記事では確かめていません。
報酬改定・薬価改定・薬の供給不安・人手は、どの仕事に届くか
この分野では、国が決める価格の改定と、薬の供給や人手の変化が、役割ごとに違う仕事に届いています。下の表は、主な変化と、それが届く仕事、詳しく読む地図を並べたものです。採用数の増減や、仕事がなくなるかどうかは予測していません。
| 変化 | 時期 | 届く役割と仕事 | 詳しく読む地図 |
|---|---|---|---|
| 診療報酬の本体の引き上げと、賃上げ分の措置 | 2026年6月施行 | 提供する(医療):看護補助者や事務職員などの処遇、医療機関の経営 | 医療提供の業界地図 |
| 薬価の0.86%引き下げ | 2026年4月施行 | つくる・届ける:製薬会社と卸の売上、薬局の収入 | 医薬品の業界地図、医薬品卸の業界地図 |
| 限定出荷・供給停止の薬が全体の12% | 2026年8月の調査 | つくる・届ける:薬の生産と品質の確保、卸と薬局の在庫の調整 | 医薬品の業界地図、医薬品卸の業界地図 |
| 介護報酬の期中改定(処遇改善加算の拡大) | 2026年6月施行 | 提供する(介護):介護職員などの処遇、加算の取得と配分にかかわる事業所の運営 | 介護・福祉の業界地図 |
| 2027年度の介護報酬改定の議論 | 2026年10月時点で議論中 | 提供する(介護):サービスごとの報酬 | 介護・福祉の業界地図 |
| 「医療,福祉」の就業者の増加 | 2025年平均 | すべての提供する役割:人の確保 | 医療提供・介護・福祉・保育の各地図 |
診療報酬は、2026年度の改定で、本体(薬価・材料価格を除く部分)を2026年度と2027年度の平均で3.09%引き上げることになりました。2026年度は2.41%で、2026年6月1日に施行されています。このうち賃上げにあてる分は2年度平均で1.70%で、2026年度と2027年度にそれぞれ3.2%分のベースアップ(基本給の引き上げ)の実現を支援し、看護補助者と事務職員についてはそれぞれ5.7%とする措置です(厚生労働省 令和8年度診療報酬改定について)。改定率は国の予算の決定で、個々の病院の収入や、一人ひとりの給与が同じ率で上がることを示す数字ではありません。病院の中の仕事への影響は「医療提供の業界地図」で扱います。
薬価は、同じ改定で0.86%引き下げられ、2026年4月1日に施行されました。医療材料の価格は0.01%の引き下げで、6月に施行されています(厚生労働省 主な制度変更(令和8年4月))。国は、2027年度の薬価改定も実施するとしています。製薬会社と卸の営業や収益への影響は、「医薬品の業界地図」と「医薬品卸の業界地図」で扱います。
薬の供給では、出荷を限ったり止めたりしている医療用の薬が続いています。厚生労働省の医療用医薬品供給状況報告によると、2026年8月の調査で、限定出荷か供給停止の品目は1,855品目で、全体の12%です。限定出荷の966品目のうち613品目(63%)、供給停止の889品目のうち518品目(58%)が後発品(ジェネリック医薬品)です。これは品目の数の割合で、出荷量や金額の割合ではありません。供給停止の品目には、薬価の収載を取りやめる手続き中の品目も含まれます。薬の生産と品質を確保する仕事や、卸と薬局で在庫をやりくりする仕事に関わる変化です。
介護報酬は、次の2027年度の改定を待たずに、2026年6月に期中の改定が行われました。改定率は2.03%で、処遇改善加算(介護職員などの賃金の改善にあてる上乗せの報酬)の対象を、介護職員から介護従事者に広げました。介護職員については、定期昇給を含めて最大で月1.9万円の改善を見込む措置です(厚生労働省 令和8年度介護報酬改定について)。加算は事業所が取得して配分する仕組みで、全員の給与が同じ額だけ上がるわけではありません。2027年度の介護報酬改定は、2026年10月19日の第271回介護給付費分科会でも訪問介護や居宅介護支援などのサービスごとの論点を議論している段階で、改定率は決まっていません。詳しくは「介護・福祉の業界地図」で扱います。
人の数では、「医療,福祉」の就業者は2025年に25万人増えました。病院・介護・保育のどの職場の人手がどう変わっているかは、職種ごとに統計が違うため、それぞれの地図で確かめます。
求人票では、役割・払う人・経営主体を確かめる
同じ「医療・福祉」の求人でも、役割によって、主な相手と、収入の決まり方が違います。
| 役割 | お金を払う人 | 収入の決まり方 | 次に読む地図 |
|---|---|---|---|
| つくる(医薬品) | 卸を通じて医療機関・薬局、海外の顧客 | 国内は薬価が基準。海外の売上もある | 医薬品の業界地図 |
| つくる(医療機器・診断薬) | 国内外の医療機関など | 国内は材料価格や診療報酬がかかわる | 医療機器の業界地図 |
| 支える | 製薬会社、医療機関 | 受託の契約 | 本記事の対象外 |
| 届ける | 医療機関・薬局(卸)、保険者と患者(薬局) | 卸は仕入れと納入の取引、薬局は調剤の報酬と薬価 | 医薬品卸の業界地図、ドラッグストア・調剤薬局の業界地図 |
| 提供する(医療) | 保険者、患者 | 診療報酬 | 医療提供の業界地図 |
| 提供する(介護) | 市町村(保険者)、利用者 | 介護報酬 | 介護・福祉の業界地図 |
| 提供する(保育) | 市町村、保護者 | 国が定める基準の額(公定価格) | 本記事の対象外 |
| 提供する(健診) | 会社(事業者)など | 健診機関との契約 | 本記事の対象外 |
職種の名前は、会社や法人によって違います。この記事では、製薬・医療機器・卸の会社の採用職種名は確かめていません。病院・介護の職種と採用の入口は、「医療提供の業界地図」「介護・福祉の業界地図」で、確認できた採用ページをもとに扱います。
求人票では、次の4点を確かめます。
- 役割:応募先は、つくる・支える・届ける・提供するのどれか。グループの会社なら、募集する部門がどの事業に属するか
- 払う人:収入の元は、保険者や自治体を通った公的なお金か、製薬会社や医療機関との契約か、海外の顧客か
- 価格の決まり方:診療報酬・薬価・介護報酬・保育の公定価格の改定が、収入に直接かかわるか
- 経営主体:医療法人・社会福祉法人・国や自治体の法人・株式会社のどれか。その事業を誰が経営できるかは法律で決まっている
この4点が分かったら、次はその分野の業界地図で、事業者ごとの違いと仕事の流れを確かめます。
保育所の種類、運営主体と公費が届く仕組みは、保育・子育て支援の業界地図で確かめられます。

