ドラッグストアや調剤薬局の求人には、処方箋の薬を調剤する薬剤師、市販薬の相談に乗る登録販売者、店の売上と人を管理する店長、薬局の窓口に立つ医療事務、本部の商品や出店の担当まで幅があります。同じ「ドラッグストア」でも、売上の6割以上が食品の会社もあれば、店の多くに調剤薬局を併設する会社もあります。会社が物販と調剤のどちらで売上をつくっているかで、配属される店も、毎日の仕事の中身も変わります。
この記事では、医薬品・化粧品・食品・日用品を売るドラッグストアと、処方箋にもとづいて薬を調剤する薬局を扱います。店の型、始めるための許可と販売できる人、物販の売上の構成、調剤の収入の内訳と報酬改定、統合と出店、制度の変化と仕事を順に確かめます。数字は国の統計と各社の決算短信から取り、期と定義を添えます。
「小売・ECの業界地図」では、ドラッグストアを小売の業態の1つとして示しています。この記事は、その中のドラッグストアと、調剤薬局を深めます。医療費全体の中の調剤の大きさと、診療報酬の決まり方は「医療提供の業界地図」と「医薬品・医療・介護の業界地図」で扱っています。薬価の決まり方と医薬品をつくる会社は「医薬品の業界地図」、卸の取引と利益は「医薬品卸の業界地図」で扱います。

税の計算や、どの薬を選ぶかの助言はしません。
ドラッグストアと調剤薬局は、物販と調剤の組み合わせで4つの型に分かれる
ドラッグストアと調剤薬局は、2つの売上の組み合わせで見分けられます。1つは、医薬品・化粧品・食品・日用品を店頭で売る物販です。もう1つは、医師の処方箋にもとづいて薬を調剤し、費用の多くを公的な医療保険に請求する調剤です。
物販と調剤の組み合わせで、店は4つの型に分かれる
この記事では、次の4つの型で整理します。型の名前はこの記事での分け方で、法律や統計の区分ではありません。
- 食品強化型:食品が売上の大きな部分を占める。コスモス薬品の2026年5月期は、商品分類別売上高のうち一般食品が62.9%です(会社公表。決算短信)。決算短信の売上区分に、調剤はありません
- 物販型:化粧品と医薬品の比重が大きい。マツキヨココカラ&カンパニーの2026年3月期は、小売の商品別の外部顧客への売上の合計のうち、医薬品が約34.8%、化粧品が約34.2%、食品が約8.8%です(計算値。決算短信)。国内3,618店のうち調剤薬局が1,112店ありますが、商品別の区分に調剤はなく、調剤の売上が「医薬品」に入っているかどうかも決算短信からは分かりません。このため、ほかの会社の「医薬品」の割合とは比べられません
- 調剤併設型:物販の店に調剤薬局を併設する。ツルハホールディングスの2026年2月期は、品目別販売実績のうち調剤が16.4%、食品が27.1%です(会社公表。決算短信)。この期は、2025年12月に経営統合したウエルシアホールディングスの3か月分だけを含む数字です
- 調剤専業:処方箋の調剤が中心の薬局。アインホールディングスの2026年4月期は、売上高のうちファーマシー事業(調剤薬局など)の外部顧客への売上高が約85.9%です(計算値。決算短信)。物販は、コスメの店などのリテール事業として別に持っています。個人や小さな会社が営む薬局も、この型の例です
決算期と、各社が売上を分ける区分は会社ごとに違います。この記事では、各社の割合を会社どうしの大きさや順位の比較には使いません。
薬局と店舗販売業:始めるための許可と、薬剤師・登録販売者が売れる範囲
医薬品を売る店は、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)の許可を受けて営業します。調剤ができるかどうかで、許可の種類が分かれます。
薬局は、所在地の都道府県知事(保健所を置く市や特別区では市長・区長)の許可を受けなければ開設できません(第4条第1項)。許可は6年ごとに更新します(同第4項)。保険で調剤する薬局は「保険薬局」と呼ばれます(保険の指定の手続きは、この記事では扱いません)。薬剤師法では、薬剤師でない人は、販売や授与の目的で調剤してはいけません(第19条)。調剤した薬剤師は、患者などに必要な情報を提供し、薬学的な知見にもとづく指導をしなければなりません(第25条の2第1項。義務)。薬剤師は、在宅での一部の業務などを除き、薬局以外の場所で販売や授与の目的の調剤をしてはいけません(第22条)。
ドラッグストアの売り場の多くは、店舗販売業の許可で営業します。店舗販売業は、要指導医薬品と一般用医薬品(市販薬)を店舗で売る許可で(第25条第1号)、店舗ごとに都道府県知事などが与えます(第26条第1項)。店舗販売業の許可だけでは、調剤はできません。ドラッグストアが調剤をするときは、薬局の許可を受けた調剤薬局を店に併設します。
店舗販売業の店には、実際に店を管理する店舗管理者が要ります。店舗管理者は、省令の定めにより薬剤師か登録販売者でなければなりません(第28条第2項)。店舗管理者は、原則として、ほかの場所で薬事の実務に就けません(同第4項)。店舗管理者は法律上の役割で、会社の役職の「店長」と同じ人とは限りません。
市販薬は、使うときに注意が要る度合いなどで区分され、区分ごとに売れる人と、説明の決まりが違います。
どの医薬品を、誰が売れるのか。説明の決まりは区分で強さが違う
一般用医薬品は、第一類・第二類・第三類に分かれます(第36条の7第1項)。店は、第一類医薬品を薬剤師に売らせ、第二類と第三類は薬剤師か登録販売者に売らせなければなりません(第36条の9)。後で説明する要指導医薬品も、売れるのは薬剤師だけです。登録販売者は、要指導医薬品と第一類医薬品を売れません。
売るときの説明(情報提供)の決まりは、区分ごとに強さが違います(第36条の10)。条文で義務を負うのは店(薬局開設者・店舗販売業者)で、薬剤師や登録販売者に情報を提供させる、という形です。
- 第一類:店は、薬剤師に書面などで必要な情報を提供させなければならない(義務)。買う人が説明は要らないと示し、適正に使われると認められる場合は除く
- 第二類:薬剤師か登録販売者に必要な情報を提供させるよう努めなければならない(努力義務)
- 第三類:売るときの情報提供の規定はない
- 相談があったとき:区分にかかわらず、店は、薬剤師か登録販売者に必要な情報を提供させなければならない(義務)
要指導医薬品は、一般用医薬品とは別の区分です。薬剤師が対面などで情報を提供し、指導する必要があるとして、国が指定した薬です(第4条第5項)。売れるのは薬剤師だけで(第36条の5)、店は、薬剤師に対面などで書面を用いて情報を提供させ、指導させなければなりません(第36条の6。義務)。
2026年5月からは、指定濫用防止医薬品の販売制度が始まっています(厚生労働省 医薬品の販売制度)。要指導医薬品・一般用医薬品などのうち、濫用すると中枢神経系の興奮や抑制、幻覚を生じるおそれがあるとして国が指定した薬です。第一類などの区分とは別の区分ではなく、区分に重ねてかかる指定で、誰が売れるかは元の区分で決まります。売るときは、店は薬剤師か登録販売者に書面などで情報を提供させなければなりません。省令で決める数量を超える販売と、省令で決める年齢未満の人への販売は、一定の年齢以上の人に対面などで情報を提供する場合などを除いて禁止されています(第36条の11)。書面での説明と、数量や年齢の確認は、売り場の薬剤師と登録販売者が担います。
物販は何で売上をつくるのか:統計の商品構成と、会社ごとの違い
ドラッグストアの売上の大きさは、経済産業省の商業動態統計で分かります。この統計のドラッグストアは、ドラッグストアを50店舗以上持つ企業か、ドラッグストアの年間販売額が100億円以上の企業が対象です。小さなチェーンや個人の店、調剤専業の薬局は入りません。
2025年(暦年)の販売額は9兆4,129億円で、前年の105.5%でした。対象企業の店舗数は20,373店です。商品別では、食品が3兆2,081億円で最も大きく、前年の109.1%に伸びました。
ドラッグストアの販売額の3分の1は食品。調剤医薬品は約1割
- 食品 3兆2,081億円(34.1%)
- 家庭用品・日用消耗品・ペット用品 1兆2,658億円(13.4%)
- ビューティケア(化粧品・小物)1兆2,399億円(13.2%)
- OTC医薬品 1兆401億円(11.0%)
- 調剤医薬品 9,781億円(10.4%)
- トイレタリー 7,464億円(7.9%)
- ヘルスケア用品(衛生用品)・介護・ベビー 5,162億円(5.5%)
- 健康食品 2,938億円(3.1%)
- その他 1,246億円(1.3%)
商品別の構成比(計算値)は、食品が約34.1%、家庭用品・日用消耗品・ペット用品が約13.4%、ビューティケア(化粧品など)が約13.2%、OTC医薬品が約11.0%、調剤医薬品が約10.4%です。統計の「食品」には、菓子、米、飲料、日配品、加工品、酒類、冷凍食品などが入ります。
この統計の「調剤医薬品」9,781億円は、対象のドラッグストア企業が調剤した分だけです。調剤専業のチェーンや個人の薬局の調剤は入らないため、調剤の市場全体の大きさではありません。調剤の市場の大きさは、次の章の厚生労働省の統計で見ます。2つの数字は集計の対象が違うので、足したり引いたりしません。
統計の構成は、対象企業を合わせた姿です。会社ごとの構成は大きく違います。コスモス薬品は一般食品が62.9%(会社公表)、マツキヨココカラ&カンパニーは食品が約8.8%(計算値)です。ツルハホールディングスは、品目別で雑貨が24.0%、食品が27.1%、化粧品が12.8%、医薬品が10.0%、調剤が16.4%です(会社公表)。割合の分母(売上高か、小売の商品別の売上の合計か)と区分の定義は会社ごとに違うため、会社どうしの割合は比べられません。決算短信には商品ごとの利益率が出ていないため、この記事では、どの商品で利益を出しているかは書きません。
マツキヨココカラ&カンパニーは、事業内容にフランチャイズ事業の展開とフランチャイジーへの商品の供給を含めています。ほかの薬局の経営を支える「調剤サポートプログラム」には313店舗が加盟しています(2026年3月期の決算短信)。物販の会社でも、自社の店で売る以外の稼ぎ方を持つことがあります。
市販薬の売り場には、税の制度も関わります。セルフメディケーション税制(租税特別措置法第41条の17)は、医療用の薬との代替性が特に高い市販薬などを買い、健康の保持増進の取組をしている人が、選べば医療費控除の特例を受けられる制度です。対象は、購入費のうち1万2千円を超える部分で、上限は8万8千円です。現行の条文では、対象の期間は2026年12月31日までです。2027年1月1日施行予定の改正後の条文では、薬局製造販売医薬品が対象に加わり、期間が区分ごとに決まります。医療用の薬との代替性が特に高い区分は期限の定めがなくなり(2017年1月1日以後の期間)、それ以外の区分は2031年12月31日までになります。どの薬が対象になるかは、政令と告示で決まります。
調剤は何で稼ぐのか:処方箋1枚の収入の内訳と、2026年の報酬改定
保険で調剤したときの薬局の収入は、国が決めた点数(調剤報酬)で計算します。1点は10円です。調剤の費用には患者の一部負担金も含まれ、残りは保険から支払われます。保険の支払いの仕組みの全体は「医療提供の業界地図」で扱っています。
調剤の市場の大きさは、厚生労働省の最近の調剤医療費(電算処理分)の動向で分かります。令和6年度(2024年4月〜2025年3月)の調剤医療費は8兆4,008億円、処方箋の枚数は8億9,634万枚で、処方箋1枚当たりは9,372円です。調剤医療費は、患者の負担分を含みます。電算処理で集計した分で、処方箋の枚数・医療費とも全体の約99%にあたります。国民医療費の中の薬局の調剤の医療費は集計の方法が違い、「医療提供の業界地図」で扱っています。
調剤医療費の約7割は薬の代金。薬局の仕事への報酬(技術料)は約3割
調剤医療費は、大きく技術料と薬剤料に分かれます。令和6年度の技術料は2兆3,251億円で、全体の約27.7%(計算値)です。処方箋1枚当たりの技術料は2,594円でした。
- 技術料:薬局と薬剤師の仕事への報酬。調剤基本料(7,678億円)、薬剤調製料(3,979億円)、加算料(591億円)からなる調剤技術料と、服薬の指導などを評価する薬学管理料(1兆1,002億円)に分かれる
- 薬剤料:調剤した薬の代金で、6兆592億円(約72.1%、計算値)。国が決めた薬価で計算する
- 特定保険医療材料料:165億円
薬剤料は、薬局の売上の大部分を占めますが、薬局の利益ではありません。薬局は卸から薬を仕入れ、その仕入れの価格は多くの場合、薬価より低くなります。仕入れの取引と卸の利益は「医薬品卸の業界地図」、薬価の決まり方は「医薬品の業界地図」で扱います。2026年4月の薬価改定は、医療費ベースで0.86%の引き下げでした。
技術料には、2026年6月に施行された令和8年度の調剤報酬改定が効きます。調剤の改定率は+0.08%です。これは国が調剤に配分した率で、1つ1つの薬局の収入の増減ではありません。主な変更は次のとおりです。
- 調剤基本料:薬局の区分ごとに点数があり、たとえば調剤基本料1は45点から47点、2は29点から30点に上がった。同じグループの店舗数で区分する調剤基本料3の一部では、「同一グループ300店舗以上」の区分がなくなった
- 新しく開く薬局:都市部(特別区と政令指定都市。半径500m以内に他の保険薬局がない場所は除く)で、処方箋の受付が月600回超1,800回以下で、処方箋集中率(特定の医療機関からの処方箋の割合)が85%を超える薬局は、調剤基本料が1(47点)ではなく2(30点)になった。2026年5月31日までに開設した薬局(受付が引き続き1,800回以下のもの)には、当面適用しない
- 門前薬局等立地依存減算:2026年6月1日以降に開設した薬局のうち、処方箋集中率が85%を超え、都市部で大きな病院の近くや周囲50mに薬局が密集した場所にあるか、医療機関と同じ敷地・建物の中にある薬局は、調剤基本料から15点を差し引く。2026年5月31日に保険薬局の指定を受けていた薬局には、当面適用しない
- 加算:地域支援体制加算と後発医薬品調剤体制加算を統合し、「地域支援・医薬品供給対応体制加算」を新設した
- 薬学管理料:かかりつけ薬剤師指導料と、かかりつけ薬剤師包括管理料を廃止し、電話などでのフォローアップや残薬の調整のための訪問など、実際の業務への評価に切り替えた
- 賃上げ:調剤ベースアップ評価料(処方箋の受付1回につき4点、2027年6月以降は2倍)を新設した。国が令和8年度と9年度のそれぞれに想定する、薬局の対象の職員のベースアップ3.2%(事務職員などは5.7%)の実現を支えるための点数で、実際の賃上げ率は会社ごとに違う
点数と算定の要件は、告示と通知で決まります。改定で個々の薬局の収入がどれだけ変わるかは、この記事では計算していません。
再編と出店:企業統合、調剤薬局の買収、門前から地域へ
ドラッグストアと調剤薬局では、2025年から2026年にかけて、会社どうしの統合と、調剤薬局の買収が続きました。各社の店舗数は、それぞれの期末の時点の数字です。
- ツルハホールディングス:2025年12月1日に、ウエルシアホールディングス、イオンと経営統合し、ウエルシアHDほか17社を新たに連結しました。2026年2月末の国内の直営店は5,676店で、うち調剤薬局が3,319店です。当期の新規出店は117店、閉店は90店で、子会社化などで2,991店が増えました
- アインホールディングス:2025年8月に「さくら薬局グループ」がグループに入り、M&Aを含めて902店を出店しました。2026年4月末の薬局は2,137店です。2026年4月期の売上高は6,478億円で、前期は4,568億円でした。さくら薬局グループは2025年8月からの分が入っています
- スギホールディングス:2026年2月期に、旧I&Hを含む72店の調剤薬局を取得し、期末の店舗は2,321店です(決算短信)。2026年4月の決算短信では、持分法適用会社のセキ薬品を同年9月1日付で連結子会社にする予定としていました。調剤室と待合室の拡張、訪問調剤の体制、処方箋を送るアプリなどにも取り組んだとしています
- マツキヨココカラ&カンパニー:新生堂薬局を子会社にし、2026年3月期の第3四半期から「アンドカンパニー事業」の区分を設けました
- コスモス薬品:2026年5月期に105店を出店し、6店を閉じて、期末は1,708店です
調剤薬局の立地にも、変化の圧力がかかっています。特定の病院や診療所の近くにあり、処方箋の多くをその医療機関から受ける薬局は、門前薬局と呼ばれます。厚生労働省が保険薬局の厚生局への届出から集計したところでは、処方箋集中率(1つの医療機関からの処方箋が占める割合)が95%以上の薬局の割合は、2015年の14.0%から2024年の17.3%に上がりました。85%以上は32.5%から39.3%です。令和8年度の改定は、多くの医療機関の処方箋を受ける薬局(面分業)を進めるとして、一部の調剤基本料を引き上げ、門前薬局等立地依存減算を設けました。
調剤の比重を高める会社では、出店や買収のたびに、調剤の体制づくりと薬剤師の配置が仕事になります。薬局の数が増えるほど、店を回る管理職や本部の仕事も増えます。
2027年5月に施行予定の制度:受け渡しの店、調剤業務の委託、健康増進支援薬局
2025年に成立した薬機法の改正には、薬局の機能を強める項目があります。このうち次の3つは、2026年10月31日時点で施行されていません(未施行)。e-Govの改正後の条文では、施行日は2027年5月20日です。対象の業務や要件の細部は、政令と省令で決まります。
- 登録受渡店舗:薬局や店舗販売業の許可を持たない店が、薬局やドラッグストアが売った一般用医薬品を、委託を受けて客に引き渡す(受渡し)ための制度です。店舗ごとに都道府県知事の登録を受け、6年ごとに更新します(改正後の第29条の5)。店には登録受渡店舗責任者を置きます(第29条の8)。薬局が受渡しを委託するときも、あらかじめ都道府県知事の許可が要ります(改正後の第4条第5項)。売り場に並べるときは、委託した薬局やドラッグストアが管理に必要なことを指示し、受渡しの店はその指示にもとづく場合だけ陳列できます(第57条の2)
- 特定調剤業務の委託:薬局が、調剤の業務のうち定型的な業務として政令で決める「特定調剤業務」を、要件を備えたほかの薬局に委託できるようになります(第9条の5)。委託するときも、委託を受けるときも、あらかじめ都道府県知事の許可が要ります(改正後の第4条第5項)。委託できる、という規定で、義務ではありません
- 健康増進支援薬局:都道府県知事の認定を受けた薬局が、この名前を名乗れる制度です。認定は1年ごとに更新します(第6条の4)
登録受渡店舗の条文に、特定の業態の名前はありません。コンビニなどで市販薬を受け取れる店がどう広がるかは、施行と政省令を待つ段階です。コンビニ側の動きは「コンビニの業界地図」で扱っています。
施行されれば、薬局やドラッグストアの側には、受渡しの店への指示や管理、調剤業務を委託する・受ける体制づくりといった仕事が加わる可能性があります。
薬剤師・登録販売者・店長・医療事務:店の型ごとの仕事の違い
同じ職種でも、店の型によって仕事の比重が変わります。物販の比重が大きい店では、売場と商品、市販薬の相談が中心になります。調剤の比重が大きい店では、処方箋の調剤と服薬の指導、保険の請求が中心になります。
店の型によって、同じ職種でも仕事の重心が変わる
採用の職種名は、会社ごとに違います。ツルハドラッグの採用ページでは、新卒は「総合職&管理栄養士」(店舗の接客販売、発注、在庫・売場・売上の管理など店舗運営全般)と「薬剤師職」(調剤、服薬指導、一般用医薬品の相談対応)、キャリア採用は「薬剤師職」と「登録販売者」です。社員紹介には「店舗運営部スーパーバイザー」「調剤運営部スーパーバイザー」という役職名があります(ツルハドラッグ 採用情報)。アインホールディングスの採用ページでは、ファーマシー事業の職種として「薬剤師」と「メディカル・アソシエイト(医療事務)」、リテール事業として「AINZ&TULPE」の販売職や「AYURA」の美容部員を挙げ、本部は「本部採用(アイングループ)」の区分です(アインホールディングス 採用情報)。登録販売者を新卒の独立した職種として募集するかどうかは、会社ごとに違います。
仕事の区分は、この記事での整理です。実際の募集の区分名と仕事の範囲は、会社ごとに募集要項で確かめます。
| 仕事 | 主な相手 | 主な仕事の例 | 制度や変化との関係 |
|---|---|---|---|
| 薬剤師 | 患者、医療機関、市販薬の客 | 調剤、服薬の指導、第一類医薬品の販売と説明、在宅や訪問の調剤 | 調剤は薬剤師だけができる(薬剤師法第19条)。調剤したときの情報提供と指導は義務(第25条の2)。令和8年度改定で、かかりつけの評価が実際の業務の評価に変わった |
| 登録販売者 | 市販薬の客 | 第二類・第三類医薬品の販売と相談、指定濫用防止医薬品の確認と説明、店舗管理者(要件を満たした場合) | 要指導医薬品と第一類医薬品は売れない。相談時の情報提供は義務。指定濫用防止医薬品の販売制度(2026年5月) |
| 店長・スーパーバイザー | 店のスタッフ、本部 | 売上・在庫・売場の管理、シフト、出店と統合後の店の立ち上げ | 店舗管理者を誰が担うか。2027年の受渡しの委託が始まった場合の管理 |
| 医療事務 | 患者、保険者 | 薬局の受付と会計、調剤報酬の請求にかかわる事務 | 調剤ベースアップ評価料(国が事務職員などに想定するベースアップ5.7%を支える点数。実際の賃上げ率は会社ごとに違う) |
| 本部 | 店、メーカー、卸 | 商品の仕入れと売場づくり、出店と買収した店の統合、調剤の体制づくり | 統合・買収、門前薬局等立地依存減算と立地の見直し |
求人票では、次の4点を確かめます。
- 店の型:配属される店が、物販中心の店か、調剤薬局を併設した店か、調剤専業の薬局か。会社の決算短信で、売上のうち調剤と食品がどれくらいかを見ると、会社の重心が分かる(調剤を区分していない会社もある)
- 資格と役割:薬剤師か登録販売者か。登録販売者なら、店舗管理者を任される前提の募集か
- 調剤の中身:処方箋を受ける医療機関が特定の病院に集中しているか、在宅・訪問の調剤があるか
- 会社の再編:統合や買収の直後の会社では、店の名前や仕組み、配属の範囲が変わることがある
ドラッグストアが小売の中でどこにいるかは「小売・ECの業界地図」、病院や薬局で薬が使われる場面と医療費の全体は「医療提供の業界地図」、薬をつくる会社は「医薬品の業界地図」で確かめられます。
ビューティケア商品のメーカー側の製造・ブランド・販路を見る場合は、化粧品の業界地図で確かめられます。
家庭用品・日用消耗品のメーカー側の品目・工場・流通を見る場合は、日用品・トイレタリーの業界地図で確かめられます。


