「ゼネコン」の求人には、工事現場で工程・品質・安全を管理する施工管理、建物を設計する設計職、工事を取ってくる営業、見積や契約、経理を担う事務まで幅があります。同じゼネコンでも、建物の工事が中心の会社か、道路やトンネルなどの土木工事も大きい会社か、海外や不動産開発を手がけるか、マンションなど特定の建物に絞っているかで、配属される現場も仕事の中身も変わります。
この記事では、発注者から工事を直接請け負い(元請け)、専門工事の会社を下請として束ねて工事を完成させる総合建設会社を扱います。工事が誰から誰へ流れるか、建設業法が元請に求める体制、会社の型の違い、利益が上下する仕組み、新築と改修、施工管理の仕事と資格、求人票で確かめることを順に見ていきます。
建設業の許可の区分や、建設のお金の大きさ、ゼネコン・設備・住宅・設計・プラントの役割の違いは、「建設・住宅・プラントの業界地図」で整理しています。この記事は、そのうち元請けして束ねる会社の中を深めます。電気・空調などの設備工事の会社の比較は「電気工事・空調設備工事の業界地図」、ハウスメーカーなど住宅の請負は「住宅建設の業界地図」、建物の設計事務所と建設コンサルタントは「建設コンサルタント・設計事務所の業界地図」で扱います。

年収や、工事1件あたりの下請の段数は示しません。
ゼネコンは、工事を元請けし、専門工事の会社を束ねて完成させる
ゼネコンは、英語のゼネラル・コントラクター(総合請負業者)を略した業界の呼び名です。建物や土木の工事を、発注者から元請として請け負います。そのうえで、基礎・鉄骨・内装・電気・空調などの専門工事の会社に、工事の一部を下請として任せ、全体の工程・品質・安全・原価を管理して工事を完成させます。「ゼネコン」は法律や統計の区分ではありません。
建設業法は、元請・下請などの名前にかかわらず、建設工事の完成を請け負う営業を建設業としています(第2条)。注文者から直接請け負う会社を「元請負人」、元請負人から請け負う会社を「下請負人」と呼びます。どちらになるかは工事ごとの立場で、同じ会社が、ある工事では元請、別の工事では下請になることもあります。
工事は発注者から元請のゼネコンへ、そこから専門工事の会社へと流れ、元請が体制をまとめる
- 監理技術者を置く:下請代金の合計5,000万円(建築工事業8,000万円)以上の工事義務
- 施工体制台帳を作り現場に備え置く:下請代金5,000万円(建築一式8,000万円)以上義務
- 下請が法令に違反しないよう指導する努力義務
- 是正されない違反を許可行政庁などに通報する義務
- 請け負った工事に主任技術者を置く義務
- 国・自治体の工事のほか、事務所・病院・共同住宅・工場など多くの建物の工事で、請負代金4,500万円(建築一式9,000万円)以上なら技術者は専任。一定の条件で兼務を認める義務
工事の流れは、発注者から始まります。発注者は、国や自治体、企業、デベロッパー(不動産開発会社)などです。建物の工事では、設計を設計事務所に頼み、施工をゼネコンに頼む形と、設計と施工をまとめてゼネコンに頼む形(設計施工)があります。発注者がゼネコンを選ぶときは、複数の会社を比べる競争の形と、1社を選んで頼む特命の形があります。どの形がどれだけ多いかを示す統計は、この記事では確かめていません。
建物の設計者には、もう1つの役割があります。建築士法の「工事監理」は、建築士が自らの責任で工事を設計図書と照合し、そのとおりに行われているかを確かめることです(第2条第8項)。名前が似ていますが、ゼネコンが現場に置く「監理技術者」(次の章)とは別のものです。工事監理は設計の側から、監理技術者は施工する側から、工事にかかわります。
ゼネコンの下には、一次下請、そのまた下請と、複数の段の会社が入ることがあります。1つの工事に何段の下請が入るかは工事ごとに違い、段数を示す公的な統計は見つかっていません。この記事では段数の数字は示しません。
建物の工事では、ゼネコンは電気・空調・給排水などの設備工事を設備工事の会社に任せ、建築の工程と合わせて取りまとめます。この取りまとめにかかわる職種として、鹿島建設の新卒採用の職種一覧には「設備 技術系」「設備 設計系」、竹中工務店のキャリア採用サイトの社員紹介には「設備施工管理」「設備設計」の表記があります。設備工事の会社は、ゼネコンの下請として入るほか、発注者から直接請け負うこともあります。その違いと設備工事の会社の比較は、「電気工事・空調設備工事の業界地図」で扱います。
元請には、施工の体制を整える義務がある
工事を束ねる元請には、建設業法でいくつかの決まりがかかります。多くの下請を使う大きな工事では、元請の決まりが重くなります。下の表は、元請と施工管理の仕事にかかわる主な決まりです。金額は建設業法施行令の現行の値です。
| 決まり | 誰に | 内容 | 強さ |
|---|---|---|---|
| 主任技術者(第26条第1項) | 工事を請け負う建設業者(元請・下請とも) | 請け負った工事に主任技術者を置く | 義務 |
| 監理技術者(第26条第2項、施行令第2条) | 元請の特定建設業者 | 下請契約の代金の合計が5,000万円(建築工事業は8,000万円)以上の工事では、主任技術者に代えて監理技術者を置く。特定建設業の許可が要る額と同じ | 義務 |
| 技術者の専任(第26条第3項、施行令第27条) | 公共性のある施設や多くの人が使う施設の重要な工事を請け負う建設業者 | 国・自治体が注文者の工事のほか、学校・病院・事務所・共同住宅・ホテル・百貨店・工場・倉庫など民間の多くの建物の工事で、請負代金4,500万円(建築一式工事は9,000万円)以上なら、技術者を工事現場ごとに専任で置く。一定の条件で兼務を認める | 義務 |
| 施工体制台帳(第24条の8、施行令第7条の4) | 元請の特定建設業者 | 下請代金が5,000万円(建築一式工事は8,000万円)以上の工事で、施工体制台帳を作り、工事の現場ごとに備え置く | 義務 |
| 一括下請負の禁止(第22条、施行令第6条の4、入札契約適正化法第14条) | 任せる側の建設業者と、受ける側 | 請け負った工事を、どんな方法でも一括して他人に請け負わせること、また一括して請け負うことの禁止。民間の工事では、元請があらかじめ発注者の書面などによる承諾を得れば適用されない。ただし共同住宅を新築する工事と公共工事は、承諾があっても禁止 | 禁止(例外あり) |
| 下請の指導(第24条の7第1項) | 元請の特定建設業者 | 下請が工事について法令に違反しないよう指導する | 努力義務 |
| 通報(第24条の7第3項) | 元請の特定建設業者 | 下請の違反を指摘しても是正されないときは、許可を出した行政庁などに通報する | 義務 |
| 担い手の育成と処遇(第25条の27) | 建設業者 | 担い手の育成・確保と、適正な賃金などの処遇の確保に努める | 努力義務 |
| 施工管理のICT活用(第25条の28) | 特定建設業者 | 施工管理に情報通信技術を活用するよう努める | 努力義務 |
公共工事では、金額にかかわらず下請契約を結べば、特定建設業者に限らず施工体制台帳を作ります(入札契約適正化法第15条)。
「特定建設業」は、発注者から直接請け負った1件の工事で、下請に出す代金の合計が5,000万円(建築工事業は8,000万円)以上になるときに必要な許可です。この金額は2025年2月1日に引き上げられました(国土交通省「建設業の許可とは」)。許可の種類全体は、「建設・住宅・プラントの業界地図」で整理しています。
表のうち、施工体制台帳や監理技術者は、現場の施工管理の仕事と直接つながります。工事に入る下請の会社とその技術者を把握し、体制を書類で整えることは、元請の現場の仕事の一部です。一方、下請の指導は努力義務で、通報は義務です。決まりの強さは条文ごとに違います。
会社の型は、建築と土木の比率、海外と開発、用途の絞り方で分かれる
ゼネコンの会社の違いは、売上の大きさの順位よりも、何の工事で稼いでいるかで見るほうが、求人を比べるときに役立ちます。業界では、鹿島建設・大林組・大成建設・清水建設・竹中工務店の5社を「スーパーゼネコン」と呼ぶことが多くあります。「スーパーゼネコン」「準大手」「中堅」は通称です。どこからが準大手・中堅かを決める決まった線はありません。この記事では、規模ではなく、建築と土木の比率、海外と開発の有無、用途の絞り方で会社の型を見ます。
ゼネコンの会社は、建築と土木の比率、海外の持ち方、用途の絞り方で型が分かれる
建築と土木の比率は、会社が開示する数字の種類がそろいません。鹿島建設と清水建設は個別(その会社単体)の受注高の内訳、大林組と大成建設はセグメント(事業の区分)ごとの外部売上高、戸田建設は内部の売上を含むセグメントの売上高で示しています。図の割合は、会社の中での比率を見るためのもので、会社どうしの大きさは比べていません。
| 会社 | 決算期・開示 | 建築と土木の見え方 | 海外 | 開発・その他 |
|---|---|---|---|---|
| 鹿島建設 | 2026年3月期、決算短信(連結) | 個別受注高2兆2,753億円のうち建築68.4%、土木27.1% | 「海外関係会社」として別のセグメント | 開発事業等。国内関係会社のセグメントもある |
| 大林組 | 2026年3月期、決算短信(連結) | 国内・海外×建築・土木の4つのセグメント | 海外建築・海外土木のセグメント | 不動産、その他(PFI・再生可能エネルギーなど) |
| 大成建設 | 2026年3月期、決算短信(連結) | 土木・建築のセグメント | この記事の資料では別の区分なし | 開発 |
| 清水建設 | 2026年3月期、決算短信(連結) | 建設事業は1つのセグメント。個別の国内受注高1兆6,721億円のうち建築80.8%、土木19.2% | この記事の資料では確かめていない | 投資開発。道路舗装の日本道路がグループ会社 |
| 竹中工務店 | 2025年12月期、決算概要(非上場) | 決算概要に建築・土木の内訳はない | この記事の資料では確かめていない | 開発事業等 |
| 戸田建設 | 2026年3月期、決算短信(連結) | 建築・土木のセグメント | 国内・海外グループ会社 | 投資開発、環境・エネルギー(洋上風力など) |
| 長谷工コーポレーション | 2026年3月期、決算短信(連結) | 建築・土木の区分はない。分譲マンションの新築工事が中心 | 海外事業のセグメント | 不動産関連、管理運営 |
建築の比率が高い会社が多い中で、会社ごとに違いがあります。清水建設は、個別の国内受注高の8割が建築で、建築のうち事務所・庁舎が7,178億円と、国内受注高の42.9%を占めます(2026年3月期決算短信)。大成建設は、外部売上高で土木が約3割(本記事の計算値)を占めます(2026年3月期決算短信)。
海外の扱いも、会社ごとに違います。大林組は、国内建築・海外建築・国内土木・海外土木の4つに分けて開示しており、建設の4つのセグメントの外部売上高のうち、海外の2つが約35%です(本記事の計算値。2026年3月期決算短信)。鹿島建設は、土木・建築・開発事業等のセグメントを日本の本体(当社)の事業とし、海外の建設と開発は「海外関係会社」のセグメントに入れています。海外関係会社の外部売上高は1兆918億円で、本体の建築の1兆1,809億円に近い大きさです(2026年3月期決算短信)。海外の仕事に関心があるなら、海外の工事を本体が担うのか、現地の関係会社が担うのかを確かめます。
用途を絞る会社もあります。長谷工コーポレーションは、分譲マンションの設計・施工を中心に、不動産の分譲や仲介、マンションの管理までをグループで手がけます。2026年3月期は、建設関連事業が外部売上高の約64%(本記事の計算値)で、分譲マンションの新築工事の受注は64件でした(2026年3月期決算短信)。住宅であるマンションの施工を、ハウスメーカーではなく総合建設会社が担う例です。
竹中工務店は、上場していないため決算短信がなく、決算期も12月です。会社が公表する決算概要では、2025年12月期の連結売上高は1兆6,147億円余、連結の建設事業の完工利益率は11.2%でした(2025年度決算概要)。この決算概要には建築と土木の内訳がないため、この記事では竹中工務店の建築・土木の比率は示しません。
戸田建設は、建築と土木のほか、長崎県の五島市沖の洋上風力発電事業などの環境・エネルギー事業を手がけています。2026年3月期は、このセグメントの売上高33億円に対して、12億円の損失でした(2026年3月期決算短信)。
利益は、受注時の見積と、施工中の採算で上下する
ゼネコンの利益の中心は、完成させた工事の売上(完成工事高)から、その工事にかかった費用(完成工事原価)を引いた「完成工事総利益」です。工事の値段は受注するときに決まりますが、費用は工事を進めながら確定していきます。資材や労務の費用が見積もりより上がる、工期が延びる、設計が変わる、といったことで、同じ工事でも利益が大きく変わります。
工事の利益は、受注時の見積から完成までの各段階で上下する
2026年3月期の決算短信では、利益の振れの理由を、各社が次のように説明しています。いずれもその会社のその期の説明で、ほかの会社や毎年に当てはまるとは限りません。
- 鹿島建設:本体の建設事業の売上総利益率は、土木が前期の15.4%から24.6%へ、建築が9.6%から11.8%へ上がりました。会社は、原価の低減や追加変更契約の獲得などによると説明しています。追加変更契約は、工事の途中で内容や代金を変えるために結び直す契約です。
- 大成建設:建築のセグメント利益は、前期の113億円(11,348百万円)から784億円(78,370百万円)になりました。前期は、損失が見込まれる工事の損失を前もって費用に計上する「工事損失引当金」が増えた期でした。
- 戸田建設:同じ期に、建築のセグメント利益は269億円で工事採算の向上により増益、土木は46億円で、一部の大型民間工事の採算低下により減益でした。同社は当期からセグメント利益の測り方を変えています。
- 長谷工コーポレーション:受注時の採算の改善で、完成工事総利益率が上がったと説明しています。
鹿島建設では、2026年3月期の土木の売上総利益率が建築より高くなりました。ただし、前期の土木は15.4%で、当期の24.6%は追加変更契約などによる当期の値です。土木の工事がいつも建築より利益が高い、という意味ではありません。
利益の数字は、会社によって段階と範囲が違います。鹿島建設の24.6%と11.8%は本体(個別)の売上総利益率、竹中工務店の11.2%は連結の建設事業の完工利益率です。清水建設のセグメント利益は、引当金の繰入・取崩を含まない値です。大林組・大成建設・長谷工コーポレーション・戸田建設はセグメント利益で示しています。このため、この記事では各社の利益率を並べて比べません。
受注の量も見ておきます。国土交通省の建設工事受注動態統計調査によると、大手建設業者50社が元請として受注した工事と自家建設の、2025年度(令和7年度)の受注高は21兆2,286億円で、前年度より12.0%増えました。そのうち民間からの受注が15兆5,113億円、公共機関からの受注が4兆4,272億円です(国土交通省の統計の北陸地方整備局による再掲)。総計には海外などの受注も入っており、総計に対する民間の割合は約73%です(本記事の計算値)。どの50社かは、この記事では示しません。この記事で取り上げた会社のうち、前の期との比較を確かめた鹿島建設・大成建設・清水建設・長谷工コーポレーション・戸田建設の5社は、2026年3月期に営業利益が増えました。ただし、受注と利益が増えた1年の値で、毎年続くとは限りません。
資材価格の高騰を、契約の前と途中で扱うルールができた
工事の採算を左右する見積と契約には、建設業法のルールがあります。2025年12月に全面施行された改正建設業法を反映した現行の条文では、主に次のことが決まっています。
- 原価割れの契約の禁止:注文者は、取引上の地位を不当に利用して、通常必要な原価に満たない代金で契約してはいけません(第19条の3第1項)。建設業者の側も、正当な理由なく原価割れの契約をしてはいけません(同第2項)。
- 著しく短い工期の禁止:注文者と建設業者の両方に求められます(第19条の5)。
- 見積書:材料費や労務費などを書いた見積書を作るよう努めます(第20条第1項、努力義務)。その材料費などは、通常必要な額を著しく下回ってはいけません(同第2項)。
- 資材高騰のおそれの通知と協議:建設業者は、資材価格の高騰など、工期や代金に影響する事象が起きるおそれがあると認めるときは、契約の前にそのことを注文者に通知しなければなりません(第20条の2第2項、義務)。そのことが起きたら、契約の変更の協議を申し出ることができ(第3項)、注文者は誠実に協議に応じるよう努めます(第4項、努力義務)。
このほか、中央建設業審議会は「工期及び労務費に関する基準」などを作り、その実施を勧告できます(第34条第2項)。基準の中身は、この記事では扱いません。
これらのルールは、営業・見積の担当と施工管理の担当の両方の仕事に届きます。契約の前に何を通知したか、工事の途中で何が変わり、追加変更契約で代金をどう決め直したかを記録し、交渉することが、利益を守る仕事になります。
新築だけでなく、建物の改修(リニューアル)も元請けする
ゼネコンの仕事は、新しい建物を建てることだけではありません。オフィスや工場、商業施設などの改修工事も元請けします。
国土交通省の建築物リフォーム・リニューアル調査によると、2026年4〜6月の3か月間に元請として受注した非住宅建築物のリフォーム・リニューアル工事は3兆9,619億円で、前年の同じ時期より34.9%増えました。発注者別では、民間企業等が3兆1,390億円で最も大きく、用途・構造別では、事務所や工場(生産施設)などが上位です。
この数字には読み方の注意があります。建設業許可を持つ5,000者を選んで調べた標本調査の推計で、ゼネコン以外の会社の受注も入っています。また、四半期の値なので、1年間の大きさとして読むことはできません。調査では、機能や耐久性を高めるための「改装・改修工事」と、それを意図しない「維持・修理工事」を分けています。
改修工事は、建物を使いながら進めることがあります。その場合の施工管理では、利用者の安全や、騒音・振動の出る作業の時間、既存の設備との切り替えなどを、建物の持ち主と調整する仕事が加わります。求人票に「リニューアル」「改修」とある場合は、新築とどちらが多い部署かを確かめます。
施工管理の仕事と資格、時間外労働の上限
ゼネコンの現場の中心は、施工管理です。施工管理は、自ら工事の作業をするのではなく、工程・品質・安全・原価を管理し、下請の会社の作業をつなぐ仕事です。設計図をもとに、実際に施工するための図面(施工図)を描く仕事、工事の費用を見積もる仕事、資材や下請の会社を手配する仕事もあります。
ゼネコンの仕事は、受注から引き渡しまでの工程に分かれ、職種の名前は会社ごとに違う
- 事務系
- 土木系
- 建築 技術系/建築 設計系
- 設備 技術系/設備 設計系
- エンジニアリング系・環境系・機電系
- 数理(情報)系・開発系
- 建築【生産・開発・研究・原子力・設計】
- 土木
- 設備【生産・設計】
- 機電・エンジニアリング・情報・事務
- 建築施工管理
- 建築設計
- 設備施工管理・設備設計
- プロダクト(施工図)
- 情報
施工管理にかかわる国家試験に、施工管理技術検定があります。2024年度から受検資格が変わり、1級の第一次検定は、受検する年度の末に19歳以上であれば受けられるようになりました。2級の第一次検定は、これまでどおり17歳以上です。第二次検定は、第一次検定の合格後に一定の実務経験を積むと受けられます。たとえば1級では、第一次検定の合格後に実務経験5年以上、特定実務経験1年以上を含む3年以上、監理技術者補佐として1年以上、といった道があります。2028年度までは、改正前の受検資格で第二次検定を受けることもできます(国土交通省の資料)。
働き方の決まりも変わりました。労働基準法の時間外労働の上限規制は、工作物の建設の事業には2024年3月31日まで猶予されていました(第139条第2項)。2024年4月からは、建設の現場にも一般の上限がかかっています。時間外労働は原則として月45時間・年360時間まで(第36条第4項)、臨時的な特別の事情があっても年720時間以内、休日労働を含めて月100時間未満、2〜6か月の平均で80時間以内です(第36条第5項・第6項)。災害からの復旧・復興の事業では、当分の間、月100時間未満と平均80時間の要件はかかりません(第139条第1項)。
発注者の側の取り組みもあります。国土交通省関東地方整備局は2024年3月、2024年度から同局の工事(港湾・空港・官庁営繕を除く)で、原則として発注者が指定する月単位の週休2日を進めると公表しました(関東地方整備局の資料)。これは国の直轄工事の1つの地方の運用例です。民間の工事や、ゼネコン全体でどれだけ週休2日が実施されているかは、この記事では確かめていません。
施工管理のICT(情報通信技術)の活用は、特定建設業者の努力義務として建設業法に書かれています(第25条の28)。人手を増やさずに工事を進めるための道具やシステムを使いこなすことも、施工管理の仕事に加わっています。
求人票では、建築か土木か、担当工程、勤務区分を確かめる
ゼネコンの仕事は、工事の種類と担当する工程によって、相手と成果物が変わります。
| 仕事 | 主な相手 | 主な成果物の例 | 求人票で確かめること |
|---|---|---|---|
| 施工管理(建築・土木・設備) | 下請の会社、設計者、発注者 | 工程表、施工計画、施工体制台帳、品質・安全の記録 | 建築か土木か。新築か改修か。担当する現場の規模と地域 |
| 設計 | 発注者、施工管理の担当 | 設計図、施工図 | 設計施工の工事の設計か。施工図の担当か |
| 営業・見積 | 発注者(企業・自治体・デベロッパー) | 提案、見積書、契約 | 民間と公共のどちらが中心か。追加変更契約の交渉を担うか |
| 事務 | 社内、下請の会社 | 契約・経理・労務の書類 | 本社か支店か、現場の事務所か |
求人票では、次の4点を確かめます。
- 建築か土木か:会社の比率と、配属される部門の工事の種類。会社全体が建築中心でも、土木の部門に配属されることがある
- 担当工程:施工管理・設計・施工図・見積・営業のどこを担い、何を成果物にするか
- 勤務区分:全国の転勤があるか、地域を限るか。たとえば大林組は、職員を全国型と拠点型に分けて採用しています。拠点型は勤務地を本支店の管轄地域に限り、給与は全国型の90〜80%です(大林組 採用情報)
- 資格の要件:施工管理技術検定の級と、入社後に受検を支援する仕組みがあるか
海外の工事に関心がある場合は、海外の仕事を本体と現地の関係会社のどちらが担うかも確かめます。開発事業の部門がある会社では、そこに配属される可能性もあります。
建設の分野全体の中でのゼネコンの位置や、許可・資格の全体像は「建設・住宅・プラントの業界地図」で確かめられます。設備工事の会社で働く場合の違いは「電気工事・空調設備工事の業界地図」、建物の設計を専門にする会社は「建設コンサルタント・設計事務所の業界地図」で整理しています。
ゼネコンの工事請負と、不動産の開発・賃貸・仲介・管理を分けると、発注者との関係が見えます。 不動産業界の地図
工事を発注するデベロッパーと、施工を受託するゼネコンでは、投資判断と施工管理の責任が分かれます。 デベロッパー業界の地図


