「不動産」と書かれた求人は、土地を仕入れてマンションやビルを企画するデベロッパーの仕事から、住まいの売買や賃貸を仲介する営業、入居者や建物の対応を引き受ける管理、投資家のお金で物件を持つREIT(不動産投資信託)の運用まで幅があります。同じ不動産の会社でも、建物を自社で所有するのか、売買や賃貸を仲介するのか、所有者から建物の管理を任されるのかで、仕事の相手も、必要な免許も、稼ぎ方も変わります。
この記事では、不動産の仕事を「開発」「保有して貸す」「仲介」「管理」「運用」の5つの段階に分け、住宅・オフィス・商業施設・物流施設・ホテルの用途と組み合わせて地図にします。そのうえで、法律が求める免許・登録、大きさを測る物差し、何に対価を得るか、制度や市場の変化が届く仕事を順に比べます。
扱う範囲は、土地や建物を仕入れて建て、売り、貸し、仲介し、管理し、運用する仕事です。建物の工事を請け負う仕事は「建設・住宅・プラントの業界地図」と「ゼネコンの業界地図」で、注文住宅と分譲戸建の会社は「住宅建設の業界地図」で扱います。物流施設を借りて荷主の物流を請け負う仕事は「3PLの業界地図」で、鉄道会社の沿線の事業は「鉄道の業界地図」で扱います。ホテルの運営と、ビルの清掃・設備の点検の現場の仕事は扱いません。
各段階の会社比較や仕事の詳しい流れは、「不動産開発・賃貸(デベロッパー)の業界地図」「不動産仲介の業界地図」「不動産管理の業界地図」「不動産ファンド・REITの業界地図」で扱います。この記事は、次にどの地図を読むかを決めるための全体図です。
開発・保有して貸す・仲介・管理・運用の5つの段階と用途で、求人の位置が分かる
不動産の仕事は、建物がつくられてから使われ続けるまでの流れで、5つの段階に分けられます。土地を仕入れて建物をつくる開発、できた建物を持って貸す保有・賃貸、売りたい人と買いたい人や、貸したい人と借りたい人の間に立つ仲介、建物の所有者から建物や入居者の対応を引き受ける管理、投資家から集めたお金で物件を持って運用する運用です。同じ段階でも、住宅・オフィス・商業施設・物流施設・ホテルのどれを扱うかで、相手と仕事が変わります。
土地の取得から建物の開発・販売・賃貸までを担う側は、デベロッパーの地図で確認できます。 デベロッパー業界の地図
売買や賃貸の契約を仲介する側は、手数料・媒介契約・重要事項説明の仕組みから確認できます。 不動産仲介業界の地図
不動産の会社は、5つの段階と5つの用途のどこにいるか
会社の例は、各社の2026年3月期の決算短信のセグメントの説明と、日本ビルファンド投資法人の有価証券報告書で確かめた。グループの子会社が担う段階も含む。開発の列の工事は、建設会社が請け負う。ホテルの運営の仕事は、この地図の外にある。1列で表示するときは、破線の枠のマスが、用途を問わない段階を表す。
段階は会社の格付けではなく、建物に対してどんな立場で何に責任を持つかの違いです。1つの会社やグループが、いくつもの段階を持つこともあります。図の下の段は、段階をまたぐ会社の例です。
開発は、デベロッパーが自ら用地を取得し、建物を企画し、建設会社に工事を発注して建物をつくる仕事です。開発では、工事そのものは建設会社が請け負います。できた建物は、マンションのように個人に売る(分譲)か、自社で持って貸すか、投資家やREITに売ります。用地取得から売るか持つかの判断までは「不動産開発・賃貸(デベロッパー)の業界地図」で扱います。
不動産の開発・保有と、工事を請け負う建設会社は、契約と利益の出どころが異なります。 建設業界の地図
保有して貸すは、オフィスビルや商業施設、物流施設などを持って、テナント(入居する会社や店)から賃料を受け取る仕事です。賃貸住宅では、土地の所有者が建てて貸す形のほか、大東建託のように賃貸住宅を一括で借り上げて入居者に貸す(サブリース)会社もあります。テナントを集める仕事も含めて「不動産開発・賃貸(デベロッパー)の業界地図」で扱います。
仲介は、売主と買主、貸主と借主の間に立って、契約が成り立つように手助けする仕事です。中古住宅の売買の仲介と、賃貸の入居者の仲介が代表です。新築の分譲マンションを売る仕事は、売主であるデベロッパー側の仕事として開発の地図で扱います。手数料の仕組みや、会社の型ごとの違いは「不動産仲介の業界地図」で扱います。
管理は、建物の所有者から頼まれて、点検・清掃・修繕の手配や家賃の管理などを引き受ける仕事です。賃貸住宅の管理、分譲マンションの管理組合から受けるマンションの管理、オフィスビルや商業施設の管理(プロパティマネジメント、PM)の3つの型があります。賃貸住宅管理業とマンション管理業は国の登録制で、2026年3月末の登録数は、賃貸住宅管理業者が1万197社、マンション管理業者が1,735社です。仲介は入居者を見つけるまでで、入居した後の対応は管理の仕事です。3つの型の仕事と会社は「不動産管理の業界地図」で扱います。
運用は、REIT(投資法人)や私募ファンドが投資家から集めたお金で物件を持ち、その運用を専門の会社が担う仕事です。国の推計では、証券化の対象になった不動産の資産総額は、2026年3月末で約73.4兆円です(その他の私募ファンドの分は2025年12月末)。REITの器である投資法人は、法律で人を雇えず、運用を資産運用会社に任せます。働く先は資産運用会社やスポンサーの会社です。運用の仕事とお金の流れは「不動産ファンド・REITの業界地図」で扱います。
どの仕事に免許・登録が要るかは、段階ごとに違う
不動産の仕事では、売買や仲介をする会社には宅地建物取引業(宅建業)の免許が、賃貸住宅とマンションを管理する会社には登録が、REITやファンドには金融の法律の登録や許可が求められます。一方で、宅建業の定義(第2条第2号)に「自ら貸すこと」は入っていないため、自社が持つ建物を自ら貸主として貸すだけなら、宅建業の免許は要りません。
売る・仲介するなら宅建業の免許、賃貸住宅とマンションの管理は登録、自ら貸すだけなら免許は要らない
- 1つの会社やグループが、複数の行の手続きを受けていることが多い。たとえばデベロッパーのグループには、宅建業の免許を持つ仲介会社と、管理業の登録を受けた管理会社がある。
- 賃貸住宅の入居者を探す客付けは、賃貸住宅管理業法の管理業務ではなく、宅建業の貸借の媒介にあたる。
- 業者の数は、宅建業と管理業で同じ会社が両方に入ることがあるため、足さない。
売買と仲介では、宅建業の免許を受けます。宅地建物取引業法は、宅建業を「宅地・建物の売買・交換」と「売買・交換・貸借の代理・媒介(仲介)」を業として行うことと定めています(第2条第2号)。デベロッパーが自ら売主になってマンションを分譲するのも、仲介会社が間に立つのも、この定義に入ります。2つ以上の都道府県に事務所を置く会社は国土交通大臣の、1つの都道府県だけに置く会社は知事の免許を受け、免許は5年ごとに更新します(第3条)。
自ら貸すことは、この定義に入っていません。条文の定義に「自ら貸すこと」が書かれていないため、自社が持つビルや住宅を自ら貸主として貸すだけなら、宅建業の免許は要りません。ただし、同じ会社が物件を売る、ほかの貸主から頼まれて入居者を探す(貸借の媒介)といった仕事をするなら、宅建業の免許が要ります。
宅建業の会社は、事務所ごとに、その事務所で宅建業の業務に従事する人の5分の1以上の数の、専任の宅地建物取引士(宅建士)を置かなければなりません(第31条の3、宅地建物取引業法施行規則 第15条の5の3)。契約が成り立つまでに、宅建士が重要事項を書いた書面を渡して説明することも義務です(第35条)。仲介で受け取る報酬は、国土交通大臣が定めた額を超えてはいけません(第46条)。宅建士は、宅建士証の交付を受けた人を指し、試験に合格しただけでは宅建士ではありません(第2条第4号)。
マンションの管理では、管理組合から会計や修繕の企画の調整などの事務を受ける会社は、戸数にかかわらず登録を受けなければなりません(マンション管理適正化法 第44条)。事務所ごとに、受託した管理組合30につき1人以上の専任の管理業務主任者を置きます(第56条、同法施行規則 第61条)。オフィスビルや商業施設の管理は、この2つの法律の登録の対象ではありません。
運用では、REITの投資法人は内閣総理大臣の登録を受けて資産を運用し、運用の業務を資産運用会社に委託しなければなりません。投資法人は使用人を雇うことができません(投資信託及び投資法人に関する法律 第63条第2項・第187条・第198条第1項)。資産運用会社は、金融商品取引法の投資運用業の登録を受けています(第29条)。たとえば日本ビルファンド投資法人は、資産の運用を日本ビルファンドマネジメントに委託し、三井不動産がその資産運用会社の株式の46%を持つ親会社です(有価証券報告書 第50期)。
投資家から出資を受けて不動産を売買・賃貸し、収益を分ける不動産特定共同事業は、国(主務大臣)か知事の許可を受けます。宅建業の免許を受けていない法人は、この許可を受けられません(不動産特定共同事業法 第3条・第6条第2号)。小規模の事業は登録で、専用の法人が業務を許可業者に任せる特例事業は届出で営めます(第41条・第58条)。
不動産の大きさは、何を数えたかで別の数字になる
不動産の大きさを示す数字は、何を数えるかで変わります。免許や登録を持つ業者の数、証券化の対象になった資産の額、新しく建てた住宅の戸数、法人の売上高は、それぞれ範囲も時点も違います。足し合わせて「不動産業界は○兆円」とすることはできません。
| 物差し | 値 | 何を数えたか | 読むときの注意 |
|---|---|---|---|
| 宅建業者数 | 13万3,727業者(2026年3月末) | 宅建業の免許を持つ業者。国土交通大臣の免許が3,238、知事の免許が13万489 | 仲介会社の数ではない。分譲や、中古を買い取って直して売る会社、不動産特定共同事業の会社も免許を持つ |
| 賃貸住宅管理業者の登録数 | 1万197社(2026年3月末) | 賃貸住宅管理業法の登録を受けた業者 | 管理戸数ではない。200戸未満で任意に登録した業者も含む |
| マンション管理業者の登録数 | 1,735社(2026年3月末) | マンション管理適正化法の登録を受けた業者 | マンションの数(ストック)は約713万戸(2024年末)で、時点が違う |
| 証券化の対象の資産総額 | 約73.4兆円(2026年3月末の推計) | REIT・不動産特定共同事業・私募ファンドなどの対象になった不動産や信託受益権。うちREIT(私募REITを含む)と不動産特定共同事業が約33.9兆円 | 複数の調査を組み合わせた推計。その他の私募ファンドは2025年12月末の値 |
| 新設住宅着工戸数 | 74万667戸(2025年) | 1年間(1〜12月)に着工した住宅。持家・貸家・給与住宅(社宅など)・分譲住宅の合計 | 個人が自分で住むために建てる家や、土地の所有者が建てる貸家も入り、不動産会社の供給だけではない。年度(4〜3月)の値とは別の数で、「建設・住宅・プラントの業界地図」は年度の値を使っている |
| 不動産業の売上高 | 58兆8,245億円(2024年度) | 法人企業統計の不動産業(金融業・保険業以外の法人) | 標本からの推計。開発・仲介・管理の内訳はない。物品賃貸業は別の行 |
業者の数は、令和7年度の宅地建物取引業法の施行状況調査によるもので、宅建業者は12年続けて増えています。管理業者の数は、国土交通省の賃貸住宅管理業者等への立入検査の結果とマンション管理業者への立入検査の結果に書かれた登録数です。証券化の資産額は令和7年度「不動産証券化の実態調査」、住宅の着工は建築着工統計調査報告(令和7年計)、売上高は財務省の法人企業統計調査(令和6年度)の値です。法人企業統計では、同じ年度の不動産業の営業利益は7兆1,742億円でした。
宅建業者の数と管理業者の数は、同じ会社が両方に入ることがあるため、足すと同じ会社を重ねて数えます。求人や会社案内で「市場規模○兆円」という数字を見たら、業者の数か、資産の額か、売上高か、いつの時点の数字かを確かめます。
何に対価を得るかは、売却益・賃料・手数料・管理料・運用報酬で違う
不動産の会社は、流れのどこにいるかで、お金を受け取る相手と理由が違います。下の図は、5つの稼ぎ方を流れの上に置き、会社の開示から1つずつ例を添えたものです。例は稼ぎ方の違いを示すためのもので、会社どうしの大きさは比べていません。決算期や利益の定義もそろっていません。
流れのどこにいるかで、お金を払う相手と理由が変わる
三井不動産と野村不動産ホールディングスの「事業利益」は会社独自の利益の指標で、ほかの会社の営業利益と同じ意味ではない。金額は百万円単位の開示を億円単位に四捨五入した(東急不動産ホールディングスは会社が億円で示した値)。
売却益は、建てた建物や持っている物件を売って得る利益です。三井不動産の2026年3月期の分譲の事業利益(会社独自の利益の指標)は1,932億円で、持っている物件を売った利益(固定資産売却損益)518億円も入っています(2026年3月期決算短信)。分譲は個人にマンションを売ることだけではなく、投資家に物件を売ることも含みます。
賃料は、持っているビルや施設を貸して受け取るお金です。住友不動産の2026年3月期は、不動産賃貸のセグメント利益(営業利益)が2,102億円で、セグメント利益の合計の63.9%(計算値)でした(2026年3月期決算短信)。
仲介手数料は、売買や賃貸の契約を成り立たせて依頼者から受け取る報酬です。受け取れる額には国の告示で上限があり、売買では代金に応じた割合、賃貸では依頼者の双方から合わせて借賃の1.1か月分までです(報酬の額の告示)。上限であって、決まった価格ではありません。東急不動産ホールディングスの2026年3月期の参考値では、不動産流通の売買仲介の売上高が1,063億円でした(連結の処理をする前の値。2026年3月期決算短信)。会社が開示する「取扱高」は売買された物件の価格の合計で、手数料の収入ではありません。
管理受託料は、建物の所有者や管理組合から管理を任されて受け取るお金です。三菱地所の住宅事業では、2026年3月期の住宅管理業務受託の営業収益(セグメント間の取引を含む)が658億円でした(2026年3月期決算短信)。サブリースでは、会社が借り上げた住宅を入居者に貸すため、入居者の家賃が会社の収入になります。大東建託の2026年3月期は、一括借上の事業収入が1兆654億円でした(訂正後の2026年3月期決算短信)。同じ「管理」でも、管理料を受け取る形と、借り上げて家賃を受け取る形では、収入の大きさの意味が違います。
運用報酬は、REITやファンドの資産を運用して受け取る報酬です。野村不動産ホールディングスの2026年3月期は、資産運用部門の事業利益(会社独自の利益の指標)が106億円でした(2026年3月期決算短信)。
図と本文の会社の金額は、決算短信の百万円単位の値を、億円単位に四捨五入したものです。東急不動産ホールディングスの値だけは、会社が億円単位で示した参考値です。
総合デベロッパーは、1社のグループで流れの多くの段階を持つ
総合デベロッパーは、開発・賃貸・仲介・管理・運用を、グループの会社や事業の部門で持っています(地図の下の段)。どの事業で多く稼ぐかは会社ごとに違い、決算短信のセグメント(事業の部門)の割合は「不動産開発・賃貸(デベロッパー)の業界地図」で比べます。
セグメントを見るときは、利益の定義と切り方が会社ごとに違うことに注意します。三井不動産は営業利益に持分法投資損益と固定資産売却損益を加えた「事業利益」で、「賃貸」「分譲」のように稼ぎ方で分けています。三菱地所は営業利益で、「コマーシャル不動産」「丸の内」「海外」のように用途や地域で分けています。同じ名前の部門の割合を並べて、会社を順位づけることはできません。
東急不動産ホールディングスは東急グループの不動産会社で、鉄道を運行する東急株式会社とは別の上場会社です。大東建託は、賃貸住宅を建てる請負と、一括借上・管理を1社のグループで持つ型です。
建築費・着工・物件売却・空き家・電子化で、どの仕事が変わるか
不動産の仕事には、工事の費用、建てる量、物件を買う投資家の動き、取引のルールの変化が届きます。下の表は、主な変化と、それが届く仕事を結んだものです。採用数の増減や、変化の効果は予測していません。
| 変化 | 確かめられること | 届く仕事 |
|---|---|---|
| 建築費 | 建設工事費デフレーター(工事費の物価の指数)の建築総合は、2020年度を100として、2024年度118.9、2025年度122.1(いずれも暫定) | 開発の企画、建設会社への発注、事業の採算の計算 |
| 着工の量 | 2025年の新設住宅は74万667戸で、3年続けて減少。分譲マンションは8万9,888戸(12.2%減)。民間の非居住の建物では、事務所の床面積が20.7%減り、倉庫は0.7%、店舗は4.6%増えた | 用途ごとの開発と、用地の取得 |
| 投資家への売却 | 2025年度に、REITと不動産特定共同事業の対象として取得された資産は約2.8兆円、譲渡された資産は約1.1兆円 | 開発した物件を売る担当、REIT・ファンドの運用 |
| 空き家の取引 | 2024年7月から、代金800万円以下の宅地・建物(空き家に限らない)の売買の仲介で、依頼者から33万円まで報酬を受けられる特例。長く空いている家などの賃貸の仲介にも特例がある | 地域の売買・賃貸の仲介 |
| 書類の電子化 | 2022年5月18日から、重要事項説明書・契約の書面・媒介契約の書面を、相手の承諾を得て電子で渡せるようになった | 仲介の契約の事務 |
建築費は、開発の採算に直接かかわります。建設工事費デフレーターは工事費の物価の動きを示す指数で、デベロッパーが払う工事費そのものではありません。工事の請負の側から見た価格の動きは「建設・住宅・プラントの業界地図」で扱います。
着工の量は、用途によって動きが違います。建築着工統計調査報告(令和7年計)では、2025年の新設住宅のうち、貸家が32万4,991戸、分譲住宅が20万8,169戸、持家が20万1,285戸でした。民間の非居住の建物の着工床面積は3,308万㎡で、5.7%減りました。事務所が減り、倉庫と店舗が増えたのは2025年の1年の動きで、この先も続くとは限りません。
投資家への売却は、デベロッパーの売却益と、REITやファンドの運用をつなぐ取引です。不動産証券化の実態調査では、2025年度にREITと不動産特定共同事業の対象として取得された資産額は約2.8兆円(REITが約2.3兆円、不動産特定共同事業が約0.5兆円)でした。
空き家の取引では、仲介の報酬の告示が2024年7月1日に改正されました。売買の代金が800万円以下の宅地・建物の売買の仲介では、仲介にかかる費用を考えて、通常の計算の額を超えて、依頼者から33万円(税込)まで受け取れます。長く空いている家などの賃貸の仲介では、借主からの報酬が通常の範囲であれば、合わせて借賃の2.2か月分まで受け取れます(報酬の額の告示)。特例の使い方は「不動産仲介の業界地図」で扱います。
書類の電子化では、2022年5月18日の施行で、宅建士の押印がなくなり、重要事項説明書などを電子の方法で渡せるようになりました(国土交通省の発表)。相手の承諾を得たときに「できる」という規定で、電子で渡すことは義務ではありません。
求人票では、段階・用途・免許と資格・グループの中の位置を確かめる
同じ「不動産」の求人でも、段階によって主な相手と仕事が違います。
| 段階 | 主な相手 | 仕事の例 | 次に読む地図 |
|---|---|---|---|
| 開発 | 土地の持ち主、建設会社、マンションを買う個人、投資家 | 用地の取得、開発の企画、工事の発注と工程の管理、分譲の販売 | 不動産開発・賃貸(デベロッパー)の業界地図 |
| 保有して貸す | テナントの会社や店 | テナントを集める営業(リーシング)、ビルや施設の運営 | 不動産開発・賃貸(デベロッパー)の業界地図 |
| 仲介 | 売主・買主・貸主・借主 | 物件の査定、売買・賃貸の仲介の営業、契約の事務 | 不動産仲介の業界地図 |
| 管理 | 賃貸住宅の貸主、マンションの管理組合、ビルの所有者 | 入居者の対応、修繕の手配、管理組合の運営の支援、ビルの運営 | 不動産管理の業界地図 |
| 運用 | 投資法人・ファンドの投資家 | 物件の取得と売却、運用の計画、投資家への報告 | 不動産ファンド・REITの業界地図 |
職種の名前と、宅地建物取引士の資格の扱いは会社ごとに違います。たとえば東急リバブルの新卒採用では、宅地建物取引士の資格は総合職と賃貸職で必須ですが、採用の条件ではなく、取得の費用は会社が負担すると説明しています(東急リバブル よくある質問)。これは1社の方針です。各社の職種名は、分野ごとの業界地図で確かめます。
求人票では、次の4点を確かめます。
- 段階:応募先は、建物をつくって売る・自社で所有して貸す会社か、売買や賃貸を仲介する会社か、所有者から建物の管理を任される会社か、投資家のお金を運用する会社か。1社が複数の段階を持つ場合は、募集する部門がどれか
- 用途:住宅か、オフィス・商業施設・物流施設・ホテルか。住宅なら、分譲か賃貸か
- 免許と資格:応募先が持つ免許・登録(宅建業の免許、賃貸住宅管理業・マンション管理業の登録、金融商品取引法の登録)と、仕事に求められる資格(宅建士、管理業務主任者など)。入社後に取ることが前提か
- グループの中の位置:デベロッパーのグループの仲介会社・管理会社か、独立した会社か。REITの求人なら、雇う会社が資産運用会社かスポンサーの会社か
この4点が分かったら、次はその段階の業界地図で、会社ごとの違いと仕事の流れを確かめます。



